森の中の竹工房

竹工房


静かな森の中に、その竹工房はあるがです。時折、聞こえてくるがは木々をゆらす爽やかな風の音と、職人の手の動きにあわせて竹の音。ゆっくりと腰をおろしてずっと昔から続いてきた竹編みの仕事に目をこらします。けんど、幸せちや。何とも心の落ち着く、幸福な時間ぜよ。


竹職人の背中


窓際で見よったら、職人さんが背中をむけた!この迫力、まっこと圧倒されるぜよ!ワシは息づかいまで荒うなったきた。竹細工一筋に技を極めてきた人の動きには、まこと無駄がない。仕事の工程、仕事の姿勢そのものも美しい。あまり多くは語らんがです、けんど、こじゃんとリラックスもしちゅう。心地よい緊迫感が、あると言えばある。


小一時間ばあ経ったろうか?時計をチラリ......


ええっ!?


こりゃあ間違うちゃあせんろうか?あれから4時間半も過ぎちゃある。


この竹工房の時間は、世間に比べて4倍早い。


「土佐人力」本日テレビ放映

高知放送テレビ取材


高知放送さん言うたら高知を代表するテレビ局さんぜよ。そりゃあ、そう、何と言うたちワシの小学校の頃までは高知は民放がたったの1局しかなかったきにゃあ。そうぜよ、その1局がRKC高知放送局さんながぜよ。そんな訳で、昨日は高知放送さんがテレビ取材に来てくれちょりました。これが結構時間をかけていただいて朝から撮りはじめて撮影が終わったら夜になっちょった。


竹虎工場取材


竹虎店舗からはじまって、こだわりの商品、竹虎工場、内職さん、日本唯一の竹林まで、竹虎とはどんな会社か?あっち、こっち撮っていただきよりましたきに、こりゃあ放送が楽しみやと思うて聞きました。


「放送日はいつながですか?」


「明日です。」


「..........................................!!!!!」


世に生を得るは事を成すにあり


と言うことは今日の放映ながや!午後6時すぎからの高知放送のニュース番組がありますけんど、ここの「土佐人力」というコーナーで取り上げていただきます。なんと、なんと、8分間も放送時間があるそうやきに高知放送ご覧いただける皆さんは絶対に観とうせや!


「世に生を得るは事を成すにあり」


ご存じ高知の英雄、坂本龍馬さんの言葉を最後に書かせてもろうたがです。座右の銘というほどの物では無いがですけんど誰じゃあち自分だけの道がある、自分だけの役割がある、生まれてきた意味が必ず見つかる、必ず見つかるがぜよ。


竹炭コンクリート

竹林


手入れり行き届いた美しい竹林を見る事は地域にもよりますけんど今は少なくなりつつあるかと思います。そもそも竹林を、どうして手入れするかと言うと良質の筍を生産するためながです。竹は、エコな素材と言われるように植林などせんでも毎年、毎年、地下茎から筍が生えて、なんと1日に1メートル20センチも伸びるというものすごいスピードで親竹と同じ大きさに育っていくがです。


ただ、これをそのままにしちょりますと放置竹林が問題になっちゅうように過密に生え過ぎてイカンがぜよ。古い竹を間引くとか、下草を刈るとか、エイ筍を生産する竹林は、まっこと畑と一緒のような手入れが必要ながやき。


竹炭コンクリート


そんな筍農園のような竹林からは、太くて長い孟宗竹が伐採されます。大切な資源やきに上手に利用したいと言う事で、最近では竹炭に焼くようになっちょります。けんど、広大な竹林のある地域では小さな土窯では対応できませんきにロータリーキルン窯と呼ばれる、こじゃんと(とても)大掛かりな鉄窯で自動的に焼き上げゆうがです。


最新式の工場やったら、ほとんどが機械化されちょって1日何トンいう生産量があったち、ほんの数人で操業しよりますきにビックリしますちや。こだわりの土窯で焼き上げる竹炭の一方で使い道によったらこんな大きな規模で竹を使う竹炭工場も必要やと思うちゅうがです。なんと、ここの竹炭工場では護岸工事用のコンクリートに竹炭を混ぜ込んだ製品なども開発しよりました。海外に負けずに美味しい国産の筍を生産していくためには竹炭を沢山活用して行く道をさぐる事が実は必要不可欠ながです。


磯籠

磯籠


この籠を見たら、何か貝が食べとうなるちや。何ちゃあ入ってないと知っちょってもヒョイとのぞいたら磯で採ってきた貝らあが一杯入っちゅうような気がするき不思議ぜよ。虎竹の里は、すぐ前が海ですきに大潮など時期のエイ時にはこんな籠をさげて沢山の人が磯遊びに行きよりました。


ほんで小さい頃には磯に行っちょった竹職人さんが何言う貝やったろうか?チャンバラ貝は今でもお店で食べる事もできますけんど、カラス貝言いよったかこの磯籠いっぱに採ってきてくれて、そうそう、あの頃は自然の味に贅沢やったにゃあドンブリいっぱい茹で上げたものをムシャムシャ食べよりましたちや。


口部分が狭まって中身が落ちにくい、底は広いきに思うたより量も入る磯籠を土間にドサリ!そんな思い出ばっかりの籠やきに、もしかしたら中に貝がいっぱいやないろうか?そんな気持ちも、びっくと分かる事ないですろうか?


鬼おろしが雑誌「Begin」に掲載

雑誌Begin


雑誌「Begin」さんをご存じですろうか?実はワシは毎日作務衣しか着ませんきに洋服の事は、さっぱり分かりませんけんど、まあファッションの専門誌という事ちや。この雑誌に先日取り上げていただける言うきに一体何が掲載されるがやろうか?


ええっ!?もしかしてワシの作務衣スタイル......?そう思うて密かに楽しみにしよったら何ちゃあない、どこかのチーフディレクターさんが実際ご愛用いただきよって「擦った大根おろしの味がバツグン」と言うて推薦していただいた竹の鬼おろしが掲載されちょりました。いやいや、何ちゃあない言うのは言いすぎやにゃあ。けんど、ファッション言いますきにいよいよ作務衣の時代が到来か!?思うて夜も寝れんばあドキドキしたしたちや。


雑誌nid


さて、それともう一冊、最近掲載していただいた雑誌「nid」さん。コチラの雑誌には今までも何回も掲載いただいてまっこと(本当に)感謝しちゅうがです。編集の方に今度なんか送らなイカンろうか?イタドリらあはどうやろう、ああ、イタドリは食べ方も知らんかも分からんちや。そんな事を竹虎の里で言いよりますぞね。


掲載いただいたのは高知のサクラ材で作った洗濯板。サクラは水に強い素材ち、ご存じやったですか?神社の渡り廊下などは雨に濡れる事が多いので、結構このサクラが使われちゅうがです。それほど水気に強い木ぞね、花が美しいだけや無いがやにゃあ。


そして、今、又こじゃんと(とても)注目してもろうちょります、竹炭から生まれた洗濯用洗剤、竹炭の洗い水も掲載いただきました。都会では部屋干しされる方が多いそうちや。ほんで、部屋干しの時のニオイが気になるそうやけんど竹炭の洗い水は、これが少ないと人気ながです。


あんまり沢山の方に知っちもろうちゅう商品ではないですけんどこうやって雑誌の方に取り上げていただけてまっこと、ありがたいぜよ。一回この背負い籠に山の幸をつめて編集部へお伺いしたち、エイですろうか?


鉄のくさび

竹職人のくさび


一生懸命に竹籠と向き合うちゃある職人さん、ここの作業場は竹でいっぱいやちや。丸竹のままのものもあれば半割にされたものもある。薄く剥いで竹ヒゴにしたものもあって、編みかけのものも、出来上がった竹製品も、細工の過程で出来た竹の端材やごみ、とにかく竹でいっぱいちや。


いよいよ、こんな所におったら時間を忘れる。気がついたらもう辺りは真っ暗ぜよ。そろそろ帰らんとイカンにゃあ。口にしても腰が上がらんがやきに、まあ、もうびっと(少し)、そう思うて横を見たら、ややっ!?見慣れない鉄のくさび。


「おんちゃん、コレは何に使うがですか?」


職人さんは手をとめず顔だけコチラにあげて教えてくれるぞね。


「なるほど、くさびの広くなっている頭で釘を打つがですか...」


それにしたち落ち着く竹の工房、どうしてか分かった気がする。幼い遠い昔に帰れるような気持ちになるき......。いやいや、ワシは、あの頃に帰っちゅうがや。


チラリと顔をあげた職人さんを見て思うたがぜよ。


土佐御苑で再会

虎竹什器


いよいよ、久しぶりに高知市内の土佐御苑さんに行く用事があったがです。階段を2階に上がった正面に、


おっと......オマン、元気にしちょったかえ!?


思わず口に出してしもうた虎竹の棚。もう十何年前のことやろうか、地元の素材にこじゃんと(とても)こだわるここな女将さんに気にかけて頂いて虎竹を使うて色々と作らせてもろうちゅうがです。


けんど、嬉しゅうなるちや。元気バリバリでお客様をお出迎えの一等席で頑張っちゅうやいか。まっこと(本当に)嬉しゅうなったちや。土佐御苑さんは大きなホテルですけんど館内のアチコチに虎竹が使われちょります。竹の灯りなどもあるがです。高知観光に来られる事があったらここに一泊されて是非ご覧いただきたいと思うがぜよ。


竹皮スリッパ作り

竹皮スリッパ


細く裂いた竹皮を一編み一編み、右へいっては折り返し、左へいっては折り返し、何度も何度も繰り返し編み込まれて竹皮草履はできるがです。竹の皮だから、さぞ硬いのやろうか?そんな風に思われる方もおるかも知れませんが、自然素材はだいたいそうながですが水にもどすと結構柔らかく、ソフトな革のような質感になるがです。


けんど、その竹皮を綺麗な形に整えながらギッチリ詰めて編み込んでいくのは熟練の技、何を隠そうこのワシもデパートで実演をしたこともありますけんど上手に作ろうと思うとスピードがなかなかでませんきに竹皮草履職人さんには頭が上がらんがちや、まっこと。


さて、そんな竹皮編みにEVAスポンジを貼り付ける加工が忙しゅうなっちょります。寒い季節はソックスをはいたままでもサッと足にひっかけられる竹皮ベルトスリッパが人気になりますぞね。こうやって一足一足手作りやきに量産できない竹皮スリッパやけんど少しづつファンの方も出来てきて職人も喜んじょります。今年も履いていただける言う方がおる限り、これからも、ずっと作り続けたいと思うちゅうがです。頭にタオルを巻いて一生懸命に竹皮スリッパと向き合う職人の横顔に、強く、強く、思うちゅうがです。


ゴッドハンド

竹職人の手


学生の頃、空手部の友人から「ゴッドハンド」と呼ばれゆう達人の話を聞いた事がありますちや。空手の技で信じられないような荒技を披露することからそう呼ばれよったそうです。


けんど、何ちゃあ、そんな強そうなゴッドハンドでは無いですがびっくりするような竹細工を生み出すゴッドハンドやったらここにも、おりますぞね。細く割った竹を指先でつまんだらだいたいの幅と厚みが分かると言います。ほんで、そんな竹ヒゴを、ほげた事(冗談)を言いながら、サッサササ...と動かして編み込んでいきますきに「神の手」言うのも大袈裟では無いのではないですろうか?


何年も前になるけんど、職人のおばちゃんを「宝」と書いたこともある。苦労を知らんワシが今思うたら恥ずかしいけんど、あの頃と思いは一つも変わりはせんがぜよ。ワシには後光がさして見える、そんな愛おしい手ながです。


米とぎざるの美味しいご飯

米研ぎざる


食べ物の美味しい季節ですけんど、みなさん、モリモリ食べよりますか?やっぱりワシは日本人やにゃあ。とにかく、温かい炊きたてのご飯さえあったら、まあ、あとは漬け物でも、鯖缶でも、何とかなると思いますきに。


虎竹の里から車で30分ほどのところに仁井田米と言うて高知でも昔から有名なお米のとれる所があるがです。寒暖の差がはげしいのがエイらしいですが美味しいお米は美味しく炊きたいですろう?そこで、前に聞いたことのある美味しいご飯の炊き方として、お米はやっぱり水やそうです。お米を研ぐ時には、お米が一番水を吸い込む最初の水に水道の水ではなくて美味しい水を使うとエイそうですぞね。


そうそう、炊飯用の竹炭も忘れんと入れとうせ!そして、米とぎざる。どこにでもあるような竹ざるに見えるかも知れませんが、実はこんな竹ざるを綺麗に作るのは難しく安価な海外製品がありますきに、作る事のできる職人さんも少なくなってしもうちゅう竹細工のひとつぜよ。素手で触っても大丈夫な美しい作り、しっかりした縁巻きのあしらい等こんな素朴やけんど毎日使うてもらえる竹ざるが大好きながちや。


そして、ひとりでも多くのステキな皆さんに使うてもらいたいが。長く、長く、使うてほら、お友達が来られたら話てもらいたいし、もしお子様がおったら次の世代に伝えていただきたい。そんな、昔から使われてきた日本の竹ざるがキッチンに、ひとつばああってもエイですろう?


竹のソファセット

竹テーブル


明るく広々としたロビーを歩くとソファセットがいくつか並べられちょりました。腰をおろして、ふとテーブルに目をやると、なんと竹製のテーブルちや。もしかしたら竹に見えないかも知れませんけんど集成材と言うて竹の合板のようなものながです。竹の身の部分だけを使いますきにパッと見には分かりづらいですが節の模様などが独特なので、慣れたらすぐに分かるぞね。


ガラス板をのせて高級感のある雰囲気にピッタリの仕上りになっちゅう。座って落ち着いたきに周りをよくよく見たら、ありゃりゃ...。あっちの仕切板も、こっちにも、竹が色々使われちゅうやいか!けんど、竹の表皮を使うちゃあせんきにこれを竹と分からずに見過ごしちゅう方も多いろうにゃあ。びっくと惜しい気持ちになりましたちや。


竹が踏ん張っちゅうぞね。

うつぼ籠


ウツボのタタキは食べた事はありますろうか?驚かれる方もおるかも知れませんが、そうです、ウツボです。あの海のギャングとも言われゆうギザギザの歯をもった恐ろしい顔をしたウツボ。それぞれの家庭で食べるという程ではないけんど高知では結構普通に出てくる食べもので、近所でお客(宴席)の時らあは皿鉢料理の大きな大きなお皿ひとつが全部ウツボ。そんな感じで馴染みのある食材ながです。


切り身の料理になったらあのグロテスクな姿から想像できないようなあっさりした淡泊な味でお酒もすすむし、ご飯もすすむ、美味しい食べ物ちや。ウツボ料理が多いという事はウツボ漁も盛んに行われゆうという事ですけんど、竹編みのウツボ籠は竹虎にも置いちょりますが本体を丸いプラスチック製にしたウツボ漁用の漁具があるがです。大きな金属製のおもりを縛り付けて使います。


本体は丈夫で所々に細かい穴をあけたプラスチックやけんどウツボが入る入り口はやっぱり竹で作っちゃある。釣りの世界でもカーボンじゃあ、何じゃあと新素材がどんどんあるようですが、漫画「土佐の一本釣り」で有名な久礼の漁師町では竹竿がバリバリ現役で使われよりますし、まだまだ竹も色んな所で踏ん張っちゅう言う事ですぞね!


一期一会を演出する名刺入れ

虎竹名刺入れ


虎竹名刺入れ使っていますよ」


いやいや、もう6~7年になるがやないですろうか?こうやって大事にご愛用されゆうがを拝見させてもろうたら、まっこと嬉しゅうなってくるぜよ。竹細工など自然素材のものは使うほどにツヤがまして風合いも良くなってきますけんど、この虎竹名刺入れも色目が変わってちょっとした貫禄のようなものも感じるばあながです。


今まで会った事のない初めての方との挨拶には必ずと言うてエイほど名刺入れが登場すると思うがです。もしかしたら、これからの人生を左右する人かも知れん、後から振り返ったら大事なターニングポイントとなる出会いかも分からん、そんな「はじめまして」を最高に演出するのには日本唯一の虎竹の名刺入れならうってつけぞね。久しぶりに再会した、この名刺入れやち、あれからの6~7年で一体どれだけの人に会うて来たろうか?そうやって考えたらやっぱり大事やにゃあ、名刺入れ。


稟とした磨きの手提げ籠

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「たま~凛としちゅう」


最初に見た印象はこうやった、近寄ってみたちや。


「なかなか、しっかりしちゅうぜよ。」


手に持ってみた、そう言うたら今日は木曜日やにゃあ。


「市へ買い物に行きとうなったちや」


竹籠は、まっこと正直やき作る人が出ますちや。たとえば、ここにある手提げ籠。素材や形や編み方も違いますけんど、それぞれ作り手の人となりが表れちゅう。そして、この手提げ籠にも職人さんが出ちゃある。真面目さとか、優しさとか、思いやりとか。


けんど、難しいちや。こんな竹籠の魅力を他の皆様にお伝えしたい、そんな思いで美しい竹を目の前にした時、ワシはまだまだやにゃあ、いっつも感じるがです。


年期の入った矯め木

矯め木


高知県は森林県ですけんど竹虎のある須崎市は、もともと港町。魚市場もあって漁業も盛んですけんど木材の積み卸しで大きな船がつくような土地柄やきに近くを通りかかったら木の香りがしてくるような製材所も結構あるがです。そんな製材所から分厚い木材を分けてもろうてノミで削って、穴を掘ってつくるのが、この矯め木ちや。


ガスバーナーで炙られた虎竹の曲がりを矯正する大事な道具ですが、そうです。もちろん、職人の手作り。自分の、のうがエイ(使い勝手の良い)所に穴を開けたいし矯め木をいれる穴が何カ所もありますけんど、実はそれぞれ角度が違うちょって竹の曲がりやクセによって使い分けゆうがです。


ご覧いただきゆう矯め木も年期が入っちょりますがある時期になったらこの矯め木は使えなくなって又新しい矯め木を用意せなあイカンがぜよ。おっと、木が腐る訳ではないですぞね。竹を通す穴が何度も何度も使ううちに削れてきてから角度が微妙に違うてきて竹を矯め直しできなくなってくるがやき。


ええっ?たまるか!?木が削れるばあ、竹を通しますか!?


そうです、通しますぞね。まあ、年期、年期。何年もやりゆううちに、そうなってくる言う事ちや。


大きな柄杓(ひしゃく)

柄杓


どうぜよ!このビックサイズ!こんな大きい柄杓をご覧になったことあるますろうか!?


あまり普通の生活では見かける事も少なくなった柄杓(ひしゃく)ですけんど神社の手水鉢(ちょうずばち)いうて手や口をすずぐ場所などに置かれちゅう柄杓と比べたらまっこと(本当に)ビックリ仰天するような大きさぞね。極太の孟宗竹を厳選しちょりますきに、この太さ、この肉厚、そしてニコニコして持っちゅうがですが、実はさすがにこのサイズだと、重い!重い!


さて、けんど素朴な疑問...。こんな大きな柄杓を一体何に使われると思われますか?


実は、とある演劇関係の方からの特別なご注文やったがです。お芝居の中で使うがやろうかと思いよりましたら、それも違う。なんと、舞台が終わって「おひねり」をお客様からいただく時にこの竹柄杓を持って回るそうながです。なるほど、それで、この大きさながちや。最高の舞台を楽しませてもろうて、こじゃんと(とても)感動させてもろうたらお客様の方やち大きい柄杓にタップリ「おひねり」を入れたくなりますきににゃあ(笑)まっこと(本当に)、まっこと(本当に)大きい事はエイ事ぜよ!


竹炭液はありますか?

竹炭


お客様から


「竹炭液はありますか?」


とお問い合わせ頂いた事があるがです。ご存じの方も多いかと思いますけんど竹酢液はありますが、竹炭液という物はないがです。


このお客様も竹酢液の事をお問い合わせいただいたものでしたが「竹炭」と「竹酢」が、こんがらがって分からんかったようです。けんど、よくよく考えたら竹炭液と間違えるのも分かる気がしますちや。窯で竹炭を焼いた時にモクモクと煙があがりますが、この煙をアルミの煙突に通して冷やして液体にしたものが竹酢液だからです。


そう言うたらキチンと皆様にお伝えできちゅうろうか?と思うのは商品の呼び方だけではありませんぞね。たとえば、一口に竹炭と言うたち竹虎で扱うような土窯で焼いた竹炭もあれば鉄窯もあるしレンガ窯、機械窯やドラム缶で焼くような簡易窯もある...。燃焼温度でも1000度の高温で焼いた竹炭と低温で焼いた竹炭ではその精錬度が違うきに得意な吸着物質までちがうがぜよ。


この性質の違いでシックハウス対策には高温で焼いた竹炭をオススメしよりますし、アンモニア臭などのアルカリ性のニオイには低温がエイがです。その他にも、飲料用に使い勝手のエイ竹炭から湿度調節が得意で床下調湿用などとして多用する竹炭まで用途別の竹炭ができること、ひとつひとつお伝えしていかなあイカンちや。


竹の矯め直し

虎竹


何と皆さんビックリされますけんど、竹はたったの3ヶ月で二十数メートルもの高さに成長するがです。先日もお店にお越しいただいたお客様に竹の事をびっくと説明させてもらいよりました。まっこと竹の天を真っ直ぐに目指して伸びていく成長力は他では見られない竹だけのものやと思うがです。


けんど、「真っ直ぐ」天を指すと言いますけんど実は竹は真っ直ぐという訳ではないがです。いえいえ、もちろん竹林でご覧になられた事もあるかと思いますけんど、だいたいは真っ直ぐではあるのですがいざ伐り倒して元の方から目をこらして見てみると微妙な曲がりが右へ左へ...。


そうやにゃあ、たとえば虎竹縁台とか、黒竹玄関すのこのように丸竹を綺麗に並べて使う場合にはこの本当に少しの曲がりでも隙間が開いて美しい製品にはなりません。そこで、竹には「矯め直し」という作業があってガスバーナーなどで油抜きをする時にこの熱を利用して竹の曲がりを矯正していくがちや。


さて、真っ直ぐに矯め直しできるという事はその反対に曲がりをつけるという事もできるという事ぜよ。この虎竹は、縁台の足元のつっかえに使うがですけんど底にピッタリ添うように上の方に曲がりを入れちょります。熱した竹は職人の手にかかったら面白いように曲がるがです。


笑顔の贈り物

ロング靴ベラ


人は足から歳をとると言われちょります。歩くのがしんどくなったり階段が辛くなったりするがです。とくにヒザには立ったり座ったりする時にも力がかかりますきに負担が大きいところ。そこで、少しでも負担を小さくしてヒザを曲げんでも靴が履けるようにと考えられたのがロング靴ベラながです。


なるほど、一回使うてみとうせや。ヒザを曲げずにスッとカカトに靴ベラが入ります。竹の滑りといい、手に持った優しい感触といい、こりゃあ、まっこと(本当に)のうがエイ(使い勝手が良い)。今月は敬老の日もありますきにさっそく箱に入れてみて新しい包装紙で包んでみましたぞね。


そしたら...おおっ!ググッとくる迫力!(びっと意味が分からん)


けんど、お年寄りの方へのプレゼントにしたら贈られた方はちもろんやけんど贈った方やち、笑顔になりそうやにゃあ。


鶏の遊ぶ庭先

背負い籠


昨日は軍鶏の話やったけんど、今日も鶏の話ぞね。あれは、いつの事やったろうか?田舎の山里で古い民家を改築したレストランで料理を作りゆうと言う方からお問い合わせが来たがです。確か畑には数種類の野菜を作りよって季節の野菜をお客様にだす料理に使われているとの事。そして、庭先には今でも農家でみかけるように鶏があっち行ったり、こっち行ったりしゆうそうぜよ。


実はワシくの家も、びっくと前まで大きな鶏小屋が裏にあってから鶏を庭に放しちょりましたき良く分かりますが、コッコッコッ...。言いながら鶏が仲良く歩いていく様は別に卵をとるとか、どうとか考えなくとも、ただ鶏たちをみるだけで心が豊かに安らぐものながです。茅葺き屋根のある縁側で家族がそろうてニコニコ笑いあいながら外で遊ぶ鶏をながめるという様な光景を、そんな、ずっと日本の田舎で続いてきた景色を、もしかしたら、日本人は誰でもどこかで覚えちゅうのかも知れませんちや。


この竹籠は山仕事などで背負い籠として使われる籠ですけんど運動会の玉入れ競技に玉入れ籠としても利用されちょります。けんど、こうやって逆さにしたらまっこと(本当に)、まっこと(本当に)鶏籠にもなりそうなちや。そうやにゃあ、確かこんな籠を庭先で使いよりましたぞね。あの料理人さん、なかなか目の付け所のエイ方ながやにゃあ。


軍鶏籠

軍鶏籠


軍鶏(しゃも)をご存じでしょうか?軍鶏と言うたら連想するのは最後の夜に坂本龍馬が中岡慎太郎と軍鶏鍋を食べようとしよったと言う有名な話かも知れませんちや。けんど、ワシがまず思い出すのは農家さんに行くとたまに飼うたりもしちょりますので幼い頃はじめて見た時は、びっくと(少し)コワイくらいやった。あの精悍な体つきと、鋭い目つきちや。軍鶏は闘鶏用のニワトリと教えてもろうて、なるほど、それで...と、こじゃんと納得しましたきに。


さて、そんな軍鶏。闘鶏をされゆう方は、たまに闘鶏場に連れて行くらしいがですが手塩にかけて育てた軍鶏を運ぶのに特別に竹職人が製作したのがこちらの竹籠、鵜籠はたまに見る事がありますが軍鶏籠は、ちょっと珍しいですぞね。こんな竹籠に自慢の鶏を入れて会場に行ったら、こりゃあ、たまるか言うばあみんなあの注目を集めるがやないですろうか?まっこと一回見に行ってみとうなったちや。


ホエールウォッチング

ホエールウォッチング


自分の船は、どこを向いて進みゆうろうか?実は初めてやったがですがホエールウォッチングに行ったがです。ホエールウォッチング言うたらご存じクジラを見にいくツアーの事ですけんど、


「言うたちイカンちや、おらんくの池には潮吹く魚が泳いじょる♪」


こんな唄があるくらいやき高知ではアチコチの漁港から、ツアーの船が出ちょります。


んっ?クジラですか、ワシは船酔いでダウンしちょりましたきに写真は一枚も撮っちょりません(まっことゴメンなさい)


うるめ刺身


船に乗り込んだのは宇佐漁港でしたが、ここな漁師町での最近の注目は何と言うたちウルメぜよ。ウルメ言うたら丸干しが普通ですけんど宇佐では一本釣りした新鮮なウルメを刺身やタタキでも食べさせてくれるがです。これは魚に慣れ親しんだ地元高知県の方でもびっくと(少し)驚くのではないですうろか?


鰹加工場


さらに地域を盛り上げようと宇佐の町歩きを企画しちょります。ちょうど今回のツアーを取材してくれるケーブルテレビさんも来ちょりましたがさすがに鰹の国だけあって鰹を加工する工場があったり、


宇佐町歩き


町民のありとあらゆるニーズにお応えして「無いものが無い」と言われちゅう100年以上続く雑貨店さん、老舗のお菓子屋さんや肉屋さん、高知名物のアイスクリンを製造するこだわり工房など何から何まで知らない事ばっかりちや。昔から何度も行く町がまるで初めて訪れた遠くの土地のように思えたがです。


船上から虎竹の里


さて、船の上に話を戻しますぞね。ホエールウォッチングの帰りがけにちょうど虎竹の里の沖を通りがかったがです。鯨が8頭も見る事ができて今回のツアーは大当たりやったそうですけんど残念ながら鯨では船酔いは全く覚める事はなかったがちや。


ところが、虎竹の里となったら話は別ぜよ気持ちが悪うて抱えこんでいたバケツを放り出して舳先へ歩いていったがよ。大きな太平洋から小さく、遠く見えるあそこがワシの生まれた場所。


「オマンらあ、ワシぜよ、ワシ!見えるかよ~~~~~!」


船から叫びとうなった宇佐の漁師町の事でさえ、何ちゃあ知らんかった。日本唯一の虎竹の事らあ、誰が知るろうか?


まっこと自分の進むは、1つしかないがぜよ。


竹の漏斗(じょうご)?

竹漏斗


漏斗は「じょうご」とも「ろうと」とも読みますけんど小さな口の容器に細かいものや液体などを注ぐときに使うすり鉢状の形をした道具です。さて、漏斗いうたらプラスチック製、塩ビ、金属製のものがほとんどやないですろうか?お近くのホームセンターさんらあをのぞいてみとうせや、どうですろう?他の物は見あたりませんろう?


ところが、ぜよ。竹職人が漏斗を使いたいと思うたらこれながです。自分で作ってしまうがちや。いやいや何ちゃあ、荒物屋もありますきに行ったら買うこともできるがやけんど、サクサクとこんな美しい竹細工を仕上げてしまうがやき、まっこと(本当に)舌を巻くちや。


おっと、言うたち竹編みやきにゃあ。もちろん漏れてしまいますきに液体には使えませんぞねけんど、それにしても美しいちや。


インターンシップ2011夏、終了したぜよ!

インターンシップ


インターンシップが終わったぜよ。今年の学生さんは、しっかりとした目標があって自分の学びたいことをキチンと考えて来られちょった。そして、何と言うたち元気がある。礼儀正しい、真面目じゃあワシも、ぎっちり学生さんを見よったわけでは無いけんど、この元気がこじゃんと(とても)印象に残っちょりますぞね。やっぱり、あれやにゃあ。元気ぜよ、元気さえあったら何とかなるがやき。


花かご作り


日本唯一の虎竹花籠手作りセットでの製作実習でもチームワークの力を十二分に発揮して店にだして売る事ができらあせんろうか?言うような出来映えの花籠を作って竹虎の社員も驚いちょりました!


全社会議


ちょうど日程の中で全社会議がありましたきに参考になるかと思うて見学してもろうたがです。まあ、見学いうても、それだけやったらもったいないきに発表もしてもらいました。それぞれの学生さんの堂々とした話ぶり、考え方もさることながら若い方ならではの素晴らしい感性。インターンシップに来てもろうて、まっこと良かったと思うた事でした。


インターンシップページ作成


学生さん達にはインターンシップの締めくくりに自分たちのした事の報告ともなる、インターネットのページ作成をしてもらいます。「インターンシップが楽しい、楽しい...」何度も言うだけあってまっこと(本当に)楽しそうに取り組んでくれよりました。実は、今を楽しめゆう人はきっと来年も、再来年も、その次も、どこで何をしていたとしても「楽しい...」と言いゆうがやないですろうかにゃあ?


竹の天井

煤竹天井


この天井に使われちゅう竹は煤竹ぞね。茅葺き屋根などに使われていて囲炉裏の煙に燻されて長い年月の間に自然とこんな渋い色合いになった竹ながです。囲炉裏の住宅が日本では無くなっちょりますので貴重な竹素材としてなっていますがこの煤竹を、かなり贅沢にならべた天井やにゃあ。所々、竹の色目が濃い所と薄い所があるかと思いますけんど、これは縄目やったり柱がちょうど当たっちょったり偶然と自然が作り出した意匠ながです。


竹天井


さて、こちらの天井も良く見たら、どうですろうか?竹の内側を下に向けて使うちょります。割竹をそのまま使うた素朴な感じがなかなかエイちや。ここを作った職人さんは「竹も木も材料が足りんかったきに交互に張ったがよ」と謙遜気味に言いますけんど、互い違いに張った天井が又何とも雰囲気があるがちや。こうやって改めて見たら、竹の節ち面白いにゃあ。


竹虎の包装紙

竹虎包装紙


ワシが小学校低学年の頃から使いよりましたきに竹虎の包装紙にも、すでに40年の歴史があるがです。尊敬する祖父がデザインしたものやったきに今まで何度も変更の話がありましたけんど、どうしても変える気にはなれませんでした。


今回、竹虎の包装紙と紙バッグを変更したのは、


「ヨシヒロ、いっぺんやってみたらエイのちゃうんかいな。」


そんな声が聞こえたからです。


そうぜよ、いつものように虎竹の古里焼坂の山でちや。笑みをうかべて優しさと温もりと、何か新しいことにワクワクしている小さな子供のような祖父の眼差し。


ああ、思い出したら涙がでてきぜよ...


まっこと...


ほやきブログらあは誰もおらん早朝の時間でしか書けんがぜよ。