連続幅取り器?

幅取包丁


竹細工をご覧になられた時、何気に見過ごされちゅうかも知れない職人の技に竹ヒゴ取りがあると思うがです。花籠やったら、花籠の塗りや染め、形、編み込みなど、仕上がりについては素晴らしいと言うていただけますけんど、その土台となっちょります竹ヒゴにまでは、あまり深く考えられないのが普通ですろう。


けんど、どんなに優れた技術を持つ職人でも、竹ヒゴが悪ければ、ざるにせよ、にせよ良い竹細工はできません。美しい竹製品を作るためには、一本一本、形や厚み、性質、色合いの違う自然の竹を同じ厚み、同じ幅に揃えていく工程が必要ながです。そこで、この大事な幅をとるために幅取り包丁と呼ばれる小刀を木製の台に2本打ち込み、その刃物の幅を調節する事により竹ヒゴの幅取りをしていくがです。


幅取器


さて、先日お伺いさせていただいた竹職人さんはなかなかユニークな方でしたぞね。ズラリと幅取器が並んじょりましたので、これは、一体何なんですか?そう聞くと、幅を色々取る度に刃物の調節が面倒なので、こうやって、それぞれの幅が取れるようにあらかじめ沢山幅取器を設置しちゅうとの事でした。職人さんの個性もそれぞれ、だから、出来上がる竹編みもそれぞれ違いがあって、特徴があって、こじゃんと面白いがぜよ。


足半注目は、はだし人気?

足半


日経MJ新聞さんに足半(あしなか)の取材を頂いて、先日の月曜日に掲載されちょりましたけんど、最近は「はだし」が人気やそうですちや、まっこと田舎の自分達からしますと驚きます。そうです、そうです、裸足ち、そもそも工場や山に行く以外の生活は毎日裸足ですきに。


自分は日頃から竹皮草履や八割雪駄を履きよりますので素足ですが、都会の方は裸足でランニングしたりするそうですちや。そして、それをベアフットランニングとか言うそうながです。やっぱり呼び方もお洒落で格好がエイですにゃあ。専用のシューズも色々あるようやし、いやいや知りませんでしたちや。


けんど、はだしの心地良さは、こじゃんと知っちょりますぞね。たまに作務衣に龍馬ブーツを履いて出かける事がありますけんど革靴ですきに、やっぱり窮屈に感じる事があるがです。そしたら竹皮草履に履き替える心地良さは倍増しますし、青竹踏みもいつも以上に気持ちよく長い時間フミフミ、フミフミするがですちや。


足半は武士の草履とも言われちょって戦場で活躍した履物。実は織田信長が手柄のあった家臣に足半を授けた、そんなお話もあるがです。生死をかけた戦いの場で使われるほど動きやすい履物といえますろう。そもそも竹虎で足半を作り出した頃、お年寄りの方々からは「懐かしい」「若い頃にはあった」そんなお声を沢山頂ましたが、地元でも昔は農作業などにも普通に使われる草履やったがです。高知は84%が森林という平地が少ない県ですが、それだけに斜面の多い農作業でも足半は踏ん張りやすく仕事に重宝されたと聞くがです。


時代が変わって健康志向やダイエットなどで、にわかに注目される足半草履。老いは足からとも言われますきに、現代の皆様のお役に少しでも立てたら山で出番を待ちゆう竹皮も喜ぶに違いないがぜよ。


柔と剛の竹

竹集成材


は硬く、真っ直ぐなイメージがあるかと思いますぞね。もちろん間違うた竹の姿では無いのです。海外では高層ビルの足場に竹が使われちょったり、家屋や建造物など耐久性を要求されるところに竹が用いられる事を見てもその通りぜよ。


けんど、竹は縦割して細く細く竹ヒゴにすると柔らかく、しなやかな素材にもなりますぞね。他の自然素材では出すことができないような、やさしい曲線や、温かみのある丸みは竹の可能性の広さを雄弁に物語ってくれるがです。


技術がすすみ、一定の幅や厚みにした竹を圧着した集成材なども作られるようになっちょります。今まで木材のように角材として使う事ができなかった竹で、新たな製品づくりが進みゆうがです。弾力性や熱で曲がる加工性の高さなど、竹の特徴を活かしたらまだまだ面白い竹の世界が見られそうですちや。


造化自然

佐野珠賓著「造化自然」


「造化自然」と書いて「ぞうかじねん」と読むそうですちや。銀閣寺で花方を務められよります。佐野珠賓(しゅほう)さんの著書の題名ぞね。


華道の本かと言うと、その実「生き方」の本のようにも思えますちや。花の命、自然の摂理、死を考える事は生きる事やきに、静かな迫力を持って自分の道を問われゆう気がするがです。実は竹虎には課題図書というものがあって、折に触れて読書をすすめよりますが、この本は自分の周りの人には必ず読んで欲しいと思うちょります。


竹のくだりがあるがぜよ。


「何かに傷ついても立派に成長する」


「一生懸命生きている姿はそれだけで美しい」


どこかに向かうて伸びようとしている竹の枝は多くの心の灯火になるがではないろうか?自分の不甲斐なさを教えてくれました。感謝の気持ちがわいてきました。花のこえが聞こえるがですろう。その高みには遠く及びませんけんど竹の声は聞こえちょります。


竹の根っ子

竹根


これは立派です!一体何かと言うと、お分かりになりますろうか?そうです、実はこれが竹の根っ子ながです。竹根自体にも節があって、一見すると曲がりくねった竹のようにも見えなくはないがですが、太い部分から細くヒゲのように根が沢山伸びちょります。かなりの部分を切り落としたがですが、こうやって見ましても竹の強い生命力を感じるのです。


少しくらいの力では、曲げようとしても折ろうとしても弾力があり反対にはね返されてしまうほどぞね。しかも、こんなに太い竹根なら尚更強靱ぜよ。そして、これが縦横無尽に地下を張り巡っちゅうのだから「地震の時には竹藪に逃げろ」と昔から言われた地面の固さも納得なのです。


それにしても竹根の個性と扱いの難しさに脱帽ぞね。竹も自然のモノですきに、それぞれ違いがありますけんど竹根に比べると伐採年数が揃うちょりますのでそれなりに対処できるがです。


けんど、たまるか、竹根は土中にずっとあってから古い、新しいなど見分けや堀分けする事ができないがです。これを皆様に満足いただける商品にするには、まだまだ越えないといけない山がありそうちや。まっこと山越えせんとイカンがは竹山だけにして欲しいにゃあ...。


ひび割れた石臼

タガ


臼を今でも使いゆうお宅はボツボツありますぞね。穀物をつく事にも使いよったがですが、一番見かけるのがやっぱりお餅をつく事すろう。自分の小さい頃には普通にお餅をつきよりましたので、お餅を作る機械を始めて見た時には子供達だけでなくて、大人達も偉くビックリして「こりゃあ~便利やにゃあ」と大喜びしたことをハッキリ覚えちょりますので、逆に言うたらそれだけ臼が日常的に使われよった事かも知れんちや。


さてさて、そしてこの石臼ですけんど、実はヒビが入って割れかけちょります。割れてしまうたら、何ちゃあ使えなくなりますので、こじゃんと困ったところへ登場するのが竹。竹のタガでしっかりと2カ所留めちゅうがです。


竹の「タガ」が分かりませんろうか?そうですにゃあ、竹虎の商品でもおひつには虎竹のタガを使うちょります。けんど、これだけ大きい石臼やと重さもかなりのものですろう。このタガを巻いたのは竹が飴色に変わっちゅう事から随分と前の事かと思いますけんど、ずっと、このままタガで割れずにおるという事は、竹の強さ、丈夫さを物語ってくれよります。


日本は古来こうやって修理しながら、大切に生活道具を使うてきた素晴らしい文化があります。「もったいない」という心。身近にあって加工も簡単な竹はこんな思いにずっと応え続けてきた素晴らしい素材ぜよ。


竹林ライトアップ

竹林ライトアップ


竹は衣食住に深く関わって、衣類にもなるし、食べられるし、住宅でも役立つ、まっことスーパー素材ながですけんどそれだけではないがぜよ。たとえば虫の音を聞きながら散歩する夜。月明かりに照らされた竹林の美しさにふと立ち止まることがありますちや。竹はその姿形でも人の心に安らぎと癒しを与えてくれるがです。


自然界では、こうやって下から灯りが入るという事はあまりないことではありますが、この竹のライトアップにも、心奪われましたぞね。何とも幻想的で、竹が話しかけてくるようでもあります。コンクリートジャングルの中にあるまさに都会の夜のオアシスやちや。


竹林


里山では今、竹林を手入れする手がなくなりましたきに、生命力の強い竹がドンドン拡大して、ちっくと困り者のように扱われちょります。そこでボランティアの方々が竹林の手入れをするがですが、伐り倒した竹の活用方法として「竹灯り」があって、全国各地で何カ所も開催されゆうようですちや。


竹灯りは筒状になった竹の中に蝋燭の火を灯します。これも何百、何千、何万と集まると壮観ぜよ。どこか別の世界に迷い込んだようなそんな気分にもなったりしますぞね。


竹のライトアップも竹灯りもどちらも同じ竹を使った明かりの演出で、それぞれの竹の表情やき甲乙つけがたくはありますが、静かに話しかけてくる竹灯りに対して時には葉をゆらし、身体をくねらせアピールする、生きた竹が輝いちゅう方が、ちっくと好きかにゃあ。


竹職人からの遺言

虎竹脱衣籠


「ワシの遺言やと思うてれ...。」


ソファーに深く腰を下ろした職人さんを沈黙が包みますぞね。大事に受け取ったのは虎竹で編まれた脱衣籠。作ったのはもう25年以上前になると言います。


「二代目がエイ竹が出たのでと持ってきてくれた...。」


職人の遺言


遺言...。


また一つ肩に背負うものが出来ましたちや。手で優しくなでてみる。虎竹の里から出ていってこうやって何十年もして帰ってきた。


重たくないか?


何ちゃあないぜよ。こんな重みは数えきれんばあ背負いゆうきに。竹だけに真っ直ぐ行くと決めた。あの日から。


昔ながらの無骨な竹皮草履

竹皮草履


ワラジや草履は日本各地で作られよりましたので、今でも、極まれに他の地域で編まれた竹皮草履を手にする事もあるかです。考えてみたら不思議でも何でもなくて、靴が西洋から入ってくるまでは鼻緒の履物しかなかったので、実は、全国どこにあったとしても当然な事ながです。


それが、たまに昔ながらの草履を見つけると、宝物か何かを発見した探検者のように小躍りして喜びよります。日本のモノ作りが急激に無くなった証であるかも知れませんし、職人の伝統が途絶えたら、なかなか復刻する事が難しい、そんな事を物語りゆうのではないですろうか?


履物しか無かった時代には見た目より、機能性と作るスピードが求められたと思いますので、見た目は二の次という作りですけんど、その粗々しさも、ひとつの味となり無骨な顔つきに愛嬌も感じて、好感が持てるがです。


けんど、竹虎の竹皮草履と比べてみた時に、自社の職人を持ち上げるワケでもないですけんど、時代の要望や、お客様のリクエストに応え続けてくれて、まっこと別物の履物ように進化しちょります。編み目など誰がみても一目瞭然の美しさやきに。


竹皮をねじる事なく、立てたまま編み込む高度な技。サイズも小さな12センチから反対に大きな28センチまで。まっこと、これだけの品質で編み上げられる竹皮草履は他には、どこにもないがです。昔ながらの竹皮草履が悪い事はないがぜよ。ただ、自分達の草履は伝統という背骨をしっかり持ったまま変わり続けゆうと言う事やろうか。技術を残して継承していく上で何よりも、こじゃんと大事な事の一つですろう。


 

都会の竹たち

竹


都会のコンクリートジャングルを歩きよりましたら、やっぱり、所々にある緑に憩いを求めて目が行きますぞね。高層ビルなどに囲まれて生活される方は是非意識して周りを見て欲しいがです。あそこにも、ほら、ここにも竹の植え込みがありますちや。


まっこと最近見直されちゅうと言いますか、は一年中青々として、清々しゅうてモダンな建造物にも、こじゃんとマッチするがです。竹の少ないアメリカでは竹がエキゾチックな雰囲気を醸し出して、近代的な建物にこそ、こじゃんと似合うので高級な植栽として人気があると聞いた事があるがです。


さて、けんど都会の竹。ただ、単純に山の竹林から根っ子ごと掘り出して植え込みしちゅうワケではないがぞね。たとえば孟宗竹など植え込みに使う場合、日本でも最大級な大きさの竹なので高さが20メートルを超えるものもあります。そしたら、土地の狭い所に使うには、ちっくと大きすぎて不釣り合いな事が多いです。


そこで、都会の植栽に使われる竹たちは、なんと、それ専用に細く、小さく、背丈も低くなるように特別に品種改良され、野菜とまではいかずとも、畑で大事に大事に育てられゆうがちや。竹は地下茎でいくらでもドンドン生えてくる。そんな常識をずっと持ち続けてきた自分からしたら、まっことビックリするような竹があるがやにゃあ。農園と呼ばれるのがピッタリくる。まっこと、ここは竹の畑やちや。新しい竹の顔をまた一つ見せていただいて新鮮な気持ちでいっぱいになるがです。


網代文庫、つながる父子

渡辺竹清作網代文庫


虎竹で編み込まれた美しい網代文庫がひとつ。文庫とは手紙や書類など机まわりで使う小物を入れる道具箱ぞね。かっては、このような竹で作られた文庫が大量に作られちょりました。古いお家には一つ二つはあるかも知れませんちや。


渡辺竹清先生のお父様は、この文庫作りをずっとされよったので、当然後を継いだ竹清先生も来る日も来る日も編み込みをされていた時期があったと言われます。当時作られよった文庫には大、中、小と3つのサイズがあったそうながです。大の大きさに中には中の大きさが入り、その中に更に小のサイズが入るように出来ていたと言います。


さて、そこでもう一度、竹清先生が作られた虎竹文庫を良くご覧いただきたいがです。どうですろうか?良く見たら、ちっくと竹籠にピッタリと入っちょりませんか?そうです、虎竹文庫が中の大きさ。ワンサイズ大きな外の竹籠は大の大きさの文庫ぜよ。計ったようにピタリとジャストサイズに入っちょります。まっこと気持ちがエイばあちや。けんど、もっと良くご覧いただきたいがです。どうも、この二つの文庫同士が何やら優しく寄り添うちょりませんろうか?


実は、外側の文庫は竹清先生のお父様の作。内側は弟子でもあり、息子でもある竹清先生作。日本のモノ作りの凄さに鳥肌が立ちますちや。時代を越えて、職人の手を越えて受け継がれて来た本物というものは、こういう事ながです。


「まっこと、凄い...」


感激して声を忘れた竹工房ぞね。


斬新な竹マガジンラック

竹マガジンラック


このユニークな形には、まっことビックリしましたちや。こんな竹製品がリビングあると思うだけで何やらワクワクしてくるがです。


マガジンラックとして作られちょります。リラックスする居間にはついつい新聞やら雑誌やらが増えてきて乱雑になりますきに、市場かご始め竹籠はいくつか置いちょりますがこんな楽しい形は、さすがに無いがです。今、愛用している竹籠たちももちろん、大好きな素材感、編み目の美しさがあってそれだけで大満足ながです。


マガジンシェルフ


けんど、「もう二度と作る事はないです...。」こう製作された職人さんが言うくらい完成まで苦労されただけあって、この面白みのあるフォルム、存在感は別格やにゃあ。立てても、横にしても使えるので気分によって使い方や見栄えにも変化が付けられそうちや。このような作品は、どちらかと言うと門外漢の方の発想ぞね。ずっと竹一筋にやってきたモノ作りの方からは、なかなか出来にくい意欲的な竹編みやと思うがです。竹の世界にも、こうやって若い感性が刺激となり、ちっくとづつ変わっていくがかも知れませんにゃあ。


キンマの思い出

竹虎四代目キンマの思い出


友人宅の庭で、いつものように遊びよりましたらどうも今日は様子が違うがです。忙しそうにお米を洗っている友人のお母さん、山から早めに帰って来たお父さん、一番上のお姉さんは居間の掃除をはじめよって、奥のほうから丸テーブルを出してきましたちや。まだ外は明るいですけんど、ここの家ではお父さんと、もう一人の大人の方がグツグツ黒い鉄鍋を囲んですき焼きです。こりゃあ、一体どうした事やろうか?そう思うて見よったら、そこのお母さんが教えてくれたがです。注がれた瓶ビールをキューと空ける大人の方はキンマ作りの大工さんやったです。


ええっ?「キンマ」をご存じないですろうか?まあ、木製のソリのようなものです。昔はこのキンマに虎竹をのせて山から運び出しよりました大事な大事な仕事の道具やったがです。だから、キンマが古くなったら、こうやってわざわざ遠くから専門の職人さんに来てもらいよったがぞね。田舎の事、ホテルがあるワケでもない時代です。そのお宅に、そのまま数日住み込んだり、あるいは、隣町に宿を取ったりして何日か通いでやって来て一台のキンマを作りよったがです。


そして、実は今日はそのキンマが完成した日やった。そう言うたら納屋には、真っ白いピカピカのキンマがあるやいか。特別何があるワケでもないけんど、妙にハレの日のようなワクワクした気分になったものです。時代が変わってキンマは姿を消し、エンジン付きのキャタピラーになったけんど、ここで、こうやって話しをするたびにあの日の真新しいキンマを思い出すがです。薄暗い納屋に、けんど堂々と誇らしく見えたちや。


そう言うたら、あれから息をきらして急いで家に帰った。「お母さん、今日のご飯なに?」玄関に靴を脱ぎ飛ばしたあの頃に帰りたいような気分ぜよ。


スマホのソファーお持ちですか?

スマホスタンド


竹虎は朝が結構早い会社ですぞね。いくら遅くても朝6時には会社におるがです。早い時には4時くらいからゴソゴソしたりもしよります。一体何をしゆうがですろうか?まあ、する事は色々ですけんど、どうして、こう朝型の会社かと言うとやっぱり長い歴史ではないかと思いますぞね。昔は携帯電話もありませんでしたので、日の出と共に竹林に入る職人さんから早朝に電話がかかってくる事は普通にありました。


近くの内職さんなども夏場などは朝の涼しい時に仕事をしちょって、日中は昼寝などして休んでおいてまた、夕方に少しだけ仕事をされるなど、それぞれの職人時間が、虎竹の里には流れよります。朝早くから会社を開けてないと電話や来社で対応できなかったがです。お陰で早起きの習慣がついて嬉しゅうにも思うちょりますが。


さてさて、昔はなかった携帯電話。今では持っていない方が少ないくらいです。そして、これからはスマートフォンを持つ方もどんどん増えてきますろう。実は先日、あるお客様に言うていただいたがですが、まっこと、その通りやにゃあと感心しましたぜよ。ご自宅に帰られると皆様は、身体を休められるソファがあると思います。そしたら、この虎竹スマホスタンドはスマホのソファながです。


「携帯」という言葉どおり一日中、持ち歩き、一緒に過ごしちょります。働きづくめ、頑張り通しでお持ちのスマホはお疲れではないですろうか?専用の「ソファ」でゆっくりしてもらいたいにゃあ。そう思いよりまぞね。


竹の一生

竹の寿命


の一生とは、どれくらいですろうか?筍が土中から頭をだしてグングン伸びて親竹と同じ大きさになるのにだいたい3ヶ月、それから竹としての一生がはじまるがです。えっ?たったの3ヶ月であれだけ大きくなるの...?多くの方がそう思われるかも知れませんが、そうながです、竹から生まれたかぐや姫が成人になる日数と同じぞね。けんど、そうやって大きくなった竹がどれくらいの期間生きるのかと言うと、だいたい10年程度と言われよります。


先日、ある竹林に入ると幹の部分に、色とりどりのテープが巻かれちょりましたちや。一体何かにゅあ?と思いよりましたら、生まれた年数を確認しゆうとの事やったがです。竹の寿命を実際に確認しようとされちょりましたが、人の命にも、それぞれ違いがあるようにやっぱり竹も自然のもの、それぞれ個性があって10年程度と思われちゅう竹の命もこの竹などは「93年」と貼られちゅうきに、なんと、なんと20年前の竹という事ぜよ。


長寿のお祝いをせんとイカンところですけんど、急ぎよりましたきに「おめでとうございます、お疲れ様です」と声だけ掛けさせていただいたがです。


竹の市松編みとは?

市松編み


「この編み方何と言うか分かりますか?」


新しい編み方を模索しゆう若い職人さんに聞かれましたぞね。


「こりゃあ、難しいちや...」


竹と日本人のとの関わりはずっと昔からですので、実は様々な編み方が考えられ試されてきちょって、恐らく、新しい編み方はできないやろう。そう言われているのを聞いた事がありますぞね。この編み方も基本的な作り自体は、全く新しい編み方と言う事ではないのですが見栄えが、ちっくと違うちょります。


「けんど、一体何編みと呼ぶがやろうか...?」


答えられない自分に職人さんが嬉しそうな顔で言うがです。


「ふふふ、市松編みです」


ああ、そう言うたら編み目の見え方がチェック柄のように思えてきましたぜよ。ははあ、なるほど市松編みか竹の世界は変化がありまないですきに。新しい編み方、そう聞くだけでなにか革新的な事が起こりそうで、ワクワクしてきますちや。


生活の中で輝く竹籠たち

竹籠


その農家さんの中庭を奥に進んでいったら、こじゃんとエイ顔をした竹籠が仕事をしよります。タクアンの水気を抜くのに使われちゅうぜよ。重たい石を担いで楽ではなさそうなけんど、その日焼けした身体からは充実した覇気を感じますぞね。


後ろの方で頑張っちゅう竹籠もかなり年期の入った強者のように見えますけんど、こうやって現役で使われる竹と出会うたび、こじゃんと嬉しい気持ちになるがです。どんどん活躍の場を無くしていく、毎日の生活の中で輝く竹籠たちが少なくなった現代。こうやって働ける竹は幸せものながです。


竹は誰かの役に立ちたいと思うちゅうがではないろうか?竹は誰かに喜ばれたいと思うちゅうがではないろうか?手入れもされずに荒れていく竹林で、竹は心待ちにしゆうがかも知れませんぞね。こんなに、たくましく、強い竹籠になれる明日を。


竹灯りのワンマンショー

竹照明


は、まっすぐな直線が素晴らしい、そして、優しい曲線が素晴らしい。相反するかのように見える二つの性質を併せ持ちそれが灯りに照らされる時、竹の独壇場、ワンマンショーがはじまるがですぞね。


ちっくと前までは、大手の照明メーカーさんでも竹編みの照明が定番商品のように取り扱われちょりましたが、それも今では昔のことやちや。最近では作る事のできる職人さんが少なくなって、竹照明はまっこと見かけなくなったがです。なので美しい竹の灯りには、ついつい足が止まるぞね。横から眺めたり、下から眺めたり、照明器具とはいえただ明るくするだけのものではないがです。竹の灯りは見る場所によって表情が変わる、光を楽しむものやきに。


ついつい灯りが当然あるものとして、毎日の生活の中では見過ごしがちになってしもうちょりますが、包まれるような温かい灯りの下におったらホッと一息つけるような気がするちや。明るい灯火に感謝の気持ちがわいてきますちや。これも竹の力ですろうか?


極小の別注黒竹玄関すのこ

黒竹玄関すのこ


ご自宅の玄関を料亭にしませんろうか?


なにっ?料亭...?


まあ、料亭などという高級なお店にはあまり行ったこともないですけんど、お客様のご感想で「料亭」という言葉を頂戴した事もある黒竹の玄関すのこ。料亭とは、ちっくと大げさかも知れませんが、毎日通る玄関先を少し余所行きの顔にして、お出迎えしてくれる事は間違いないですろう。


もちろん見た目だけではありませんぞね。革靴を脱いで細い竹の並んだスノコに足をのせると、まっこと何とも言えない心地よさ。あ~あ~生き返る。この感じを早く味わいたいきに帰宅を急ぐ方もおられた程ながぜよ。


ご自宅により玄関先の広さは違いますし、置き場所によってもサイズは違ってきます。黒竹玄関すのこの良さを体感いただいたお客様から、今度は違う大きさと言うて別注のご注文をいただく時などには、まっことこの商品を作らせていただいて良かったにゃあ。お求めいただく皆様に感謝すると共につくづく、そんな事を思うがです。


竹の花

竹の花


に花が咲く事をご存じですろうか?「ええっ!?竹の花なんか見たことないです」そう言われる方がほとんどではないかと思います。竹に花が咲く等という事はあまり知られてはないがです。


けんど、それもそのはず。花の咲くのが60年に一回とも、120年に一回ともいわれて、その周期が、こじゃんと長いですきに、普通は目にする機会は少ないですし、実は研究されゆう方もなかなか大変ながです。


竹の花が咲くとその竹林は全て枯れてしもうてタネが落ち、竹林が又再生していくというサイクルながです。けんど、一斉に咲くのではなく、竹林で限定的に咲く、部分開花は沢山ではないですが、所々で確認はされゆうようですぞね。


さて、ところで、この竹の花をご覧になられていかがですろうか?何かに似てはないですろうか?そうながです、稲穂にそっくりではないですか。こうやって日頃見ることはできない竹の花を見ると竹はイネ科と言うのが納得できるがですちや。


虎竹の里記念物

TOKIO長瀬さんの切り株


まあ田舎の事ですきに、あの有名なTOKIOのメンバーが来られちょった事、鉄腕!DASH!!の撮影の事と言うたら、まっこと今でも話題になりよりますぞね。


撮影当日、午前中からずっとご一緒させていただいて、自分が一番素晴らしいと思うたがは長瀬さん、松岡さん、お二人がカメラの前だけでなく、終始周りを盛り上げようとしていろいろなジョーク言うたり、鼻歌口づさんだり、ずっと、ずっとされ続けよった事ですちや。短い時間やったら出来るかも知れん。けんど、ああやってスタッフと出演者に気づかいされるのは一朝一夕にやれる事ではないですろう?ずっと活躍続けられゆう理由が分かる気がしたがです。


こじゃんと嬉しかった事もありましたぞね。竹林に入る時に蚊除けとして持参しちょった竹酢液をお二人にもプシュー!プシュー!とスプレーさせてもろうたがですが、都会の方ですきに、もしかして香りがイヤかにゃあ?とも思うたがですが、お二人とも自分が思うよりも自然に親しまれ、色々な事をご存じで、何と竹酢液の香りも知ってくれちょったがです。


「この竹林は蚊がいないねえ...」


などと言うてくれるほど効果があって念のためと思うて竹酢液を持っていって、まっこと良かったちや。


さて、そんな中、番組の中で長瀬さんが大きな孟宗竹を一本伐り倒したがですが、その切り株を見たいと言われる方がおられましたぞね。何ちゃあ、切り株など、いっぱいあるけんど...とも思いましたが、よくよく考えたらその時伐り倒した竹の太さを実際に体感していただける、こじゃんとエイ現物やと思い直したがです。


なるほど、あの日、撮影に行った森を指して、TOKIOの来た「TOKIOの森」言うたりしちょりますが、そしたら、あの切り株は「長瀬さん株」やろうかにゃあ。虎竹はその昔、国の天然記念物に指定された経緯もありますけんど、この切り株は「虎竹の里記念物」だね、とお客様から言うていただきました。まっこと、上手い事を言われるちや、そう言うて笑いあう虎竹の里ながです。


竹のブーメラン?

竹ペン立て


自分の小さい頃には、ブーメランはもっとメジャーな玩具でしたちや。毎週楽しみにしちょったテレビ番組で主人公が使いよりましたし、人気歌手の西城秀樹が「ブーメランストリート」と言う唄を歌いよった。そう言えば、ちっくと前は、もの真似で良く歌いよったちや。


ブーメランは広い空き地が必要ですきに、最近、あまり見かけないと言うのは凧と同じように遊ぶ場所がなくなった事もひとつあるかも知れんにゃあ。まあ、それはさておき、ブーメランの大きな特徴は何と言うてもUの字型の形。だから、このUの字型の竹細工を見た時はすぐにブーメランを思いだしたがですぞね。


「ブーメランみたいな形やにゃあ...」


人の頭脳は面白いもので、一度ブーメランと思いこんだら違うと分かっちょっても、どうもそれ以外の使い方が考えにくくなってしまいますちや。


竹ペン立て


一体何やろうか?


ずっと考えよりましたら、この竹細工を製作した職人さんが教えてくれたがぜよ。なんじゃあ、コロンブスの卵とは、こんな事を言うがやろうか。そうかえ、ペン立かえ、まっこと、聞くと何ちゃあないですちや。


何本か差して使うてみましたぞね。ああ、なるほど確かにこうやって使うとエイ感じぜよ。机にひとつ置いたら、こりゃあたまげた(ビックリ)。目の前の景色がガラリと変わったにゃあ、想像以上ちや。


虎竹の里の抽選券

竹葉


竹虎では毎月プレゼント企画を開催させていただきよります。お陰様で沢山のご応募の方が来られますきに自分達も、こじゃんと楽しいですし、お客様にも喜んでいただけゆうがではないかと思いよります。けんど大変なのは、応募期間が終わった後。当選者の方を選ぶのが、ひとつの大仕事となっちょります。皆様は一体どんな風にやりよりますろうか?


まあ、色々な方法があるかと思うがですが、竹虎でやりゆう、ひとつのやり方がこんなやり方ながです。何千人ものご応募の方がおられる時には無理ですが、比較的少人数の100人程度くらいやったらこんな抽選方法で当選の方を決める事があるがですぞね。


竹魚籠


まず、工場に行って竹を沢山たてかけちゅう場所で、下に落ちている竹葉を集めてくるがです。竹の葉っぱいうても、新しいものではありません。竹は冬場の寒い時期にか伐採しないので、今時の竹葉は乾燥して丸まったり割れちょったり色々。だから、その中から比較的大きく綺麗な葉を選りだすがです。同じような竹葉が集まったら、それぞれに番号をマジックで書いて底の深い竹籠に入れて良くかき混ぜる。後は、この中から一枚、一枚取りだして当選を決めるだけ。


竹の抽選券


どうですろうか?まっこと簡単ですろう。元々はコピー用紙を細かく四角形に切るのが面倒で身近な竹葉で代用したのが始まりですけんど、今となっては竹虎ならではの抽選方法のような思えて、こじゃんと気に入っちゅうがですちや。


竹虎インターンシップ2013、終了ぜよ

竹虎インターンシップ2013


日曜日のテレビ放送に隠れてしもうて、ついつい、お話する機会を逸しておりましたぞね。


一体何やろうか?


実はそうです、竹虎インターンシップの事ですちや。毎年夏休みに開催させて頂いて恒例行事のようになっちゅうがですが、無事、先週金曜日に終了させて頂きましたぞね。


インターンシップ高知


参加いただいた6名の学生さん全員が、笑顔で最終日を迎える事ができたのが何よりホッとした事でもありますし嬉しかった事ながてす。


インターンシップ


それにして自分が学生さんに関わる事が年々少なくなってきよります。これは、まっこと嬉しい事ですろう。関わる事が少ない言うことは社員一人一人が成長してくれて、学生さんの指導をしっかりとやってくれゆうと言う事。もしかしたら、インターンシップ募集の企業説明なども誰か代わりにやってくれるようになるかも知れんにゃあ。そうなったらエイちや、などと思いよります。


竹虎インターンシップ2013


竹虎本社での現場研修を1週間していただき、後の1週間で、自分達のインターンシップ自体をホームページ製作をしていただきよります。誰かに伝える事の難しさ、大変さ、そして、面白さを感じてもらいたいですし


竹虎インターンシップ


何より一つの形をチームで作りあげること。人の話しを聞く、自分の意見を言うインターネットは人ですき、目の前のあなたに感じてもらえない事は世界中の誰にも感じてもらえない事だと知っていただきたいがです。


焼坂の空に

虎竹名刺入れ


とても嬉しい事があったぜよ。虎竹名刺入れを長い間ご愛用して頂きゆうお客様やった。この方には何度もお会いさせて頂くけんど、自分達の名刺入れを使うてくれゆう姿を拝見するたび、まっこと嬉しゅうになってくる。この名刺入れは、デザインという程ではないけんどはじめて自分の思いを形にした虎竹製品やきに、実は思い入れも、こじゃんとあるがぞね。


何ちゃあ、ひとつも売れなくてもエイがです。色々な所で名刺交換する時に自分自身がこの名刺を手にした時、感じたい事がある。100年前、この辺境の地であり、日本にここにしかない不思議な竹の育つこの里に小舟でやってきた宇三郎が、はじめて、この浜辺に降り立った時の風を感じられるかどうか?


藩政の時代には、土佐藩の年貢としても大事に育てられていたという虎竹ぜよ。遠く大阪から渡ってきた、よそ者と言われて手に触る事すら出来なかった竹を、認められ受け入れられるまで呆れられるほど何度も何度も足を運ばせた、その竹への思いの熱さを感じられるかどうか?心を掴んで離さなかった虎竹の魅力と虎竹の里の自然を、自分の手の中に感じることができるかどうか?


ブランド品には疎いですけんど、同じ値段を出すやったら海外の一流の品が買えますろう。価格ではなく、名前でもない。虎竹名刺入れは胸ポケットに仕舞うちょって心で使うものですろう。


竹虎四代目


まっこと、ちっくと変わっちゅうかも知れんちや。けんど、昨夜放送いただいたテレビ番組「ザ!鉄腕!DASH!!」も普通の竹屋さんやと思うたら竹虎に声はかけんと思うがです。全国の竹屋さんが出来ない言うて断っちゅう事を自分は何ちゃあせんくせに。軽々しく引き受けて、どう言うつもりぜよ...!職人は思うちゅうかも知れんちや。


けんど、見てみいや。昨日までの強い雨が上った焼坂の空に、初代や二代目だけやないで、あの懐かしい顔の職人さんや、あの大好きやったおばちゃん、皆がこっち向いて、にこにこ笑いゆうがやないかえ。