虎竹の里生放送

虎竹伐採


昨日は午後6時からのテレビ番組で、竹虎本社を生中継していただいちょりました。竹は身近にありながら意外とご存知ない方が多いがですが、一年の中でも伐採する時期が決まっちょって日本唯一の虎竹も晩秋から1月いっぱいがシーズンながです。早いもので今年も師走となって、そろそろ何となく気忙しい季節となってきますが、虎竹の里の山々は今が一番にぎやかな時。細い山道を登って行ったら、小鳥のさえずる谷を挟んだ遠く向こうの山からも竹を伐り出す音が聞こえて来たりするがぞね。


今回の取材では、日頃あまりご覧いただく事のない山の職人さんの仕事ぶりも撮していただき自分もこじゃんと嬉しかったがです。けんど、やっぱり誰よりも嬉しいがはご家族の皆様やったかも知れんちや。電話で話たら、声の弾みがいつもと全然違うがぜよ。自分はテレビ言うたら昔らかニュースやちドラマやち民放は観んがですけんど、職人さんのご自宅にフラリと訪ねて行ってもだいたい付けちゅうテレビは自分と同じですきに、馴染みのあるテレビのしかも夕方の番組言うたら思わず笑顔になっちょります。


虎竹の里NHK取材


竹虎の工場ではガスバーナーでの油抜きの加工を、竹達が、ちっくと恥ずかしい言うばあ、じっくりと撮影してもろうたがです。山から伐り出した竹は色づきもハッキリしちょりませんが、熱を加えて油分が吹き出してくると不思議な虎模様が鮮やかに浮き上るぜよ。


外から入ってくる冷たい風に、炎で熱せられた虎竹の湯気が煙になって立ち上がります。ウエスで手際よく油分を拭き取ったら矯めの工程が待ちゆうがです。竹が熱を持っちゅう間に曲がりを矯正する作業も、簡単に見えても、熟達するにはなかなか時間がかかる竹の技のひとつぞね。最後の30秒なってから自分の方にマイクが来ましたちや。こりゃあ時間が足りるがやろうかと思うて、ドキドキしながら虎竹のお話をさせていただきます。


虎竹は正式には虎斑竹(とらふだけ)と言うがですが、なんと土佐藩の山内家への年貢の代わりに献上されよったという、そんな歴史と由緒のある竹やったがぜよ。竹虎は来年一つの節目である創業120周年となります。


竹は節があるきに強くしなやかで、どんな強風や重たい雪にも折れることなく耐えられるがです。節目を大事にしながら、これからの100年にむけて、竹のようにしっかりと根をはり手と手をとりあって、これまた竹のように、真っ直ぐに行く...。そんな話しをしようも思いよったけんど、さすが生放送、緊張して全く話すことはできんかったがぜよ。


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