繊細な竹炭窯

竹炭用の割竹


一昨日に気むずかしい竹炭窯のお話をさせてもらいましたけんど、実はそれだけでなくて繊細な神経を持っちゅうというお話をさせていただきたいと思うちゅうがです。いやいや自分も、まさかと思いよりましたちや。大きな図体をしちょりますので竹炭窯は。けんど、まっこと繊細な神経を持っちょります。ちょうど、身体だけは関取のように大きいのにノミの心臓で、ちっくとの事にも大騒ぎして驚く。漫画か何かに出てきそうな大男を思い出させるがですちや。


けんど、まさに、この大男、いやいや巨人と言うた方がエイですにゃあ。それだけ大きな大きな竹炭窯ながぜよ。その大きな窯の中にギッシリと割竹を飲み込んで、2週間という時間をかけて最高級の竹炭を焼き上げるがです。


繊細なというのは、本当に少しの気温の変化、湿度、あるいは竹材の乾燥具合などによって焼き上がりの竹炭が全然違うてくるから、ちっくと面倒ながぞね。少し前の事ですけんど、火入れしたばっかりのタイミングでなんと台風がやって来た事があるがです。雨はそれほどの違いにはならないそうですが、まず風が煙突からの煙をスムーズにいかさん、邪魔をする。そして台風接近で気圧が変化する、これが竹炭の焼きにこじゃんと影響すると言うがです。


気圧か...こりゃあデリケートやちや。初めて聞くとそんな風にも思いますけんどこれが意外に関係があるそうぞね。竹炭窯がこんなに神経質ですきに、職人もこじゃんと気づかいしよります。材料の竹は同じ長さに揃えて、同じ幅に割って窯の中に入れるがですが、同じように割った竹材でも竹の元の部分と中程と、ウラ(先端)部分では竹の厚みが違うので同じ時間乾燥させても乾燥具合に差ができてきますちや。そこで、窯の中でも場所により温度が違いますきに、それぞれの部材によって置き場所が決まっちょって焼き上がりが均等になるように工夫しゆうがぜよ。まっこと炭の歴史というのも、かなり古いですけんど、それだけに奥が深い、深い何ぼでも炭窯の奥から面白い話しが出てくるがです。


コメント(2)

おかん 返信

そんな苦労があるとは知りませんでした。奥が深いですね。
苦労のぶんだけ、作品がかわいいですね。

竹虎四代目 返信

おかん様
竹炭と一口に言いましても実は窯の種類や焼き方
材料の竹材などにより様々なものがあるがです
そして用途としても様々ありますので
使い道にあわせて賢くお選びいただきたいと思うちょりますが
最高級竹炭を焼き上げる職人の手間や苦労が
ちっくとでもお伝えできたようで嬉しく思いよります。

ありがとうございます。

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