竹林浴日和、虎竹の里

虎竹の里へお客様


この日は、どういう訳か遠くからお越しのお客様が、何組かお越しいただくようになっちょりました。おりからの日本列島をおそう寒波で温かいと思われちょります高知県でも、山間部の方では雪がちらほらと降っている所もあるようでしたが、お陰様で虎竹の里は風もなく、明るい陽射しが竹の葉の間から差し込み、まっこと絶好の竹林浴日和の一日やったがです。


日本唯一の虎竹林


いつも思う事ながですが、まっこと竹林に来られると、何故か分かりませんが何とも心地がエイものです。そして、不思議と気持ちも安らぎ笑顔がこぼれますぞね。これは日本人と竹が古来ずっと長く深い付き合いがある証であり、脈々と続いてきた「衣・食・住」という生活の中で、役に立ち続けてきた事の一つの表れではないかと思うちゅうがです。


けんど、竹があまり成育しない国から来られちゅう海外の方でもやはり同じようですちや。小鳥の遊ぶ声だけが聞こえてくる静かな竹の中で、顔を輝かせて本当にイキイキとされちょって、ご案内させて頂く自分達も、まっこと嬉しゅうになってくるがぜよ。


山出し


ちょうど、この山から虎竹が伐採されて、山道を運ばれて麓の土場に竹が出始めるところでした。「白っぽい竹ですね?」そんな質問がありましたきにお教えさせていただきゆう所です。虎竹は淡竹(はちく)の仲間ですので、表面に粉をふくように白くなるのが特徴ながですが、その下を良く見ますと虎のような模様が隠されちょりますぞね。これを選別した後にガスバーナーの高温で油抜きしていきますと、美しい虎模様がクッキリと浮かび上がってくるがです。


油抜き加工された虎竹


お客様は変わって、お一人で虎竹の里までお越しになられた方にも、竹の虎模様が浮かび上がった所をご覧いただきよります。まだ伐採されて間のない新竹を加工しよりますので、他の種類の新竹と同じく青々とした部分があるのです。この色合いは少し経てば数段落ち着いて青さは無くなりますので、人間同様、若竹の青春時代と呼んでエイ季節も、アッと言う間に過ぎ去ってしまう物ながですぜよ。


虎竹の里


虎竹の里の山々を遠くからご覧いただきながら、この谷間にしか生育しない虎竹の事を説明させてもらうがですが、いつも皆様一様に驚かれるがです。あの頂上までは竹があるのですが山を越えると竹が無くなったり、竹の色付きが無くなるのは、どうしてなのか?いつも不思議に思われる事で、ご質問も頂くのですが、命名の父であられる世界的植物学者の牧野富太郎博士が、生前研究された高知県の土質調査では、この谷間だけ土質が違いますし、大学の研究機関の調べでは土中に特殊な細菌がいるようです。しかし、そけだけではなくて山の職人さんが言うように、潮風の具合や、霜、陽当たりなど複数の要因が重なって、この虎模様が生み出されるがですろう。


インターネットなどで虎竹の事をご存じいただく方が、少しではありますがおられるようになって、虎竹を知っていただく事だけを思い、取り組みつづけよります。自分達などは本当に感激するがですが、やはり、現場にお越しになられて始めて分かる事も多いようですぞね。思われるより小さな虎竹の里の、地域だけの特産の竹と言うことは、何度も何度も繰り返して、お話しをさせてもらいゆうつもりですが、ここで体感される事が、やっぱり一番かも知れんがです。


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