かぐや姫の誕生日、7月7日説は本当か...!?

竹林


竹取物語と言えば日本最古の物語と言われて竹取の翁(おきな)と美しいかぐや姫の登場する誰もが知っているお話しです。筍は驚異的な成長力を持っていて、わずか3ヶ月で親竹と同じ大きさに成長しますが、竹から生まれたかぐや姫も同じくたったの3ヶ月で成人するなど自然の竹と調和のとれたストーリーが素晴らしいのです。


さて、そんなかぐや姫のお話しは皆様ご存じの通りですが、では一体その誕生日はいつかご存じですろうか?実は、バースデーは7月7日ではないかという俗説があるのです。


虎竹の里


7月7日といえば七夕でもあり、また全国日本竹産業連合会が「竹の日」としても制定しているように竹には縁の深い日でもありますので、もしかしたらそのような話が持ち上がったのかも知れません。残念ながら、かぐや姫の物語は成立年、作者とも詳しいことは分かっていないので生誕日など今となっては確かめる術もりませんが、もしかしたら7月7日説が正しいのかも...!?


思わず考えてしまう神秘的な竹林の光景に出会いましたぜよ。竹取の翁は竹林の中で光っている竹を見つけて、かぐや姫を探しあてましたが、その昔、翁が足をとめた竹は、このように光輝いていたのではないろうか?そんな竹があるのです。(明日に続く)


亀甲竹の不思議で面白い話

孟宗竹


亀甲竹は自分のブログでも度々登場する銘竹のひとつです。小さい頃に良く観ていた時代劇「水戸黄門」でご隠居様が旅のお供に常に携帯していた杖がこの竹になりますが、見た目のユニークから工場にズラリと並ぶ竹の中でも一際目立つ存在であり親しみがあります。


竹には、とことん凝り性だった祖父が亀甲竹を柱にした袖垣を大量に製作していたのも強く印象に残っています。亀甲竹は孟宗竹の変種で自然の造形です、同じ亀甲竹でもそれぞれが太さ、曲がり、亀甲の形など違いますので、すべて一品モノとして販売されちょりました。


また、竹虎は自分が大学4回生の夏に大火災にあい昔からの工場、店舗は全焼しましたので入社2年目の頃に新築となりました。その時にお取引の竹屋さんから本社前のスペースに植えるようにと頂いた竹も立派な亀甲竹でした。


虎竹林


わずか三ヶ月で20数メートルの高さにまで真っ直ぐに伸びる堂々とした孟宗竹、この竹の変種が曲がりくねった節を持つ亀甲竹とは少し不思議な気もするのですが、それは間口たったの1.5キロしかない谷間にか成育しない虎竹も似たようなものです。元々、淡竹(はちく)であった竹が原因は分からないけれど虎の模様が浮かびあがるなど、同様に自然の神秘を感じさせるものなのです。


虎竹は他の土地に植え変えると虎模様がなくなってしまい普通の淡竹となりますが、実は当社に植えていただいた亀甲竹も1年、2年、3年と目立った変化はなかったものの年々亀甲のコブが少なくなって遂には普通の孟宗竹に戻ってしもうたがぜよ。まっこと、竹とは面白いものなのです。


虎竹おにぎり弁当箱に試作の内蓋

虎竹おにぎり弁当箱


気候もよくなってきて外の空気吸いながらお弁当を広げるには本当に良い季節になってきましたぜよ。ご家族や、友人達とお出かけするのなら白竹ピクニックバスケットや三段弁当箱などの出番ですが、一人で虎竹の里の浜辺の波音を聞きながらや、景色の美しい安和駅のベンチやに腰をおろしていただくランチタイム等には日本唯一の虎竹に編み込まれた、おにぎり弁当箱が最適なのです。


虎竹おにぎり弁当箱


この、おにぎり弁当箱に内蓋を付けてみたらどうやろうか?きっと使い勝手が良くなって更に竹弁当ライフを楽しんでもらえるのではないろうか?そんなアイデアを出す職人さんの方こそ楽まれているように思いますけんど、果たしてどうですろうか。


虎竹おにぎり弁当箱


出来上がった内蓋を本体にのせてみると二段構造になった弁当箱は下におにぎり、上にはおかずやお漬物を入れようか、あれこれ考えるだけで面白くなってきます。


しかし、手編みの弁当箱は完全に正確なサイズで出来ているワケではありません。右端と左端では曲線が微妙に違っていたりして実際にセットしようとすると片方が本体底に落ち込んでしまったりするがぞね。


虎竹おにぎり弁当箱


おにぎりが籠部分に入ってる状態なら、そのような事にならず仕切の役目はしっかりと果たせそうですが...ちっくと悩みどころぜよ。


夏が過ぎても、竹皮草履

竹皮草履製造


夏は過ぎて朝晩は随分と涼しくなってきました。竹皮草履は、ジメジメと湿度の高い夏には足裏がサラリとして気持ち良く本領を発揮できる季節ではあるのですが、寒くなってくると自然な温もりがあると好評なので実は一年通して室内履きとして愛用されているのです。


職人さんが出してきた竹皮は一昨年のシーズンに集めた竹皮ぜよ。毎年生える筍の皮を求めて竹林に入るのも竹皮草履職人の仕事ですが、その年の竹皮は広げて乾燥させたあとは束にして保管して数年寝かせるのが普通です。


竹皮草履、五本指ソックス


段々と冬が近づくにしたがって素足では足の甲の部分が寒く感じるようになってきます。そうしたら五本指ソックスの出番、今では流行のお店でも売られるようになった五本指も、少し前までは健康に気を使う一部の方だけが履かれているものだったかと思います。


すっかり定着した五本指ソックス、自分が履くのは竹布製ですが、普通の生地で作られたお洒落なものも増えているようです。竹皮草履をご愛用いただく皆様にも、お近くのお店でお好みの五本指を探していただき冬のフローリング履きとしてお役立ていただきたいと思っているのです。


燻蒸のはじまった竹炭窯にて

竹炭


竹炭と一口に言っても竹炭窯の種類は沢山あるのですが、竹虎で飲料水用、炊飯用として皆様にご紹介している竹炭(Bamboo charcoal)は、竹炭専用に設えた土窯作り。材料に使うのは先週のブログでも日本最大級の竹と取り上げさせてもらった孟宗竹、直径の太さ、さらに中が空洞となっている竹ではありますが身の部分の厚さを考えれば竹炭にこれだけ適した素材は他にはないのです。例外的に、色つきの無くて商品化しづらい虎竹を竹炭にすることはあるものの、それ以外はこの竹を使って竹炭は焼かれちょります。


竹炭窯


土窯で焼かれる竹炭は窯入れから窯出しまで約2週間という長い時間がかかるのです。今日は燻蒸というて竹素材を乾燥させ、含水率を一定に落としよります、この作業も竹炭の焼き上がりに大きく影響する大事な行程ぞね。


竹炭窯


炭窯の燻された香りが漂う静かな工房に煙りがゆっくり立ちのぼるのを見ていると心和みます。いつもはしないのですが、上の鉄製蓋を開いて中を覗かせてもらうと一気に新鮮な空気が窯に流れ込み炎が大きく燃え上がってきます。窯の奥からギッシリと立てかけてきた竹材がほのかに照らされて見えています。こんど竹炭窯が開いた時には真っ黒な竹炭に生まれ変わっているのです。


竹照明の楽しみ方

竹照明


秋の夜長だからという訳でもないですけんど、竹灯りが目につく事が多くなってきましたぞね。竹の照明は本当に素晴らしいものです、明るい時には竹の優しい雰囲気や曲線の造形美で室内の人たちを楽しませてくれます。


竹の灯り


ところが暗くなってきて灯りを入れると一変。竹編みされた一本一本の竹ヒゴが光の中で濃淡混じり合う影絵となり様々なイメージを投げかけてくれるのです。


竹ライト


時には何の変哲もない天井に、昼間では想像もできなかったような面白みのある編みの模様を描きだす竹の照明。スイッチを入れた時にポッと和みの空気感につつまれるのも竹灯りの魅力ぜよ。


日本最大級の竹、孟宗竹(もうそうだけ)

孟宗竹


孟宗竹は虎竹の里に育つ虎竹などよりも、直径がずっと太く高さもあって本当に立派な竹ながです。江戸時代に中国から入って来た竹とは、とても思えないほど日本各地の津々浦々に成育しています、これは竹の強い生命力もさる事ながら、いかに日本人に孟宗竹が必要とされてきたかを雄弁に物語ります。


孟宗竹


スッーと天を目指して立つ竹の姿は清々しく、日本人の文化や生き方にも大きな影響を与えているのではないかと思いますが、このような美しい景色は手入れされた竹林でないと見ることはできないものでもあります。


孟宗竹


虎竹の里の竹はその多くが虎竹なのですが、孟宗竹の林がほんの少しだけあるのです。農作業や建築などで太く長い竹材が必要な事もあったでしょうし、何より毎年生えてくる大きな筍は竹林の最大の楽しみであったかと思います。


ところが、そんな孟宗竹を「森のギャング」という記述を見つけて本当に驚き、憤慨したことがあります。荒廃しきった竹林ばかりに囲まれる今の現状を言い当てているのかも知れませんがそのような竹の景観を守るのには、とにかく有効活用が必要で竹林で経済活動が出来ていかない以上、おのずと限界がありますろう。


モウソウ


竹は素晴らしく可能性の満ちたものでありますが、反面直面する課題も多いもの。孟宗に囲まれた山間で思うのです。


チャコールジュース(Bamboo charcoal juice)

チャコールジュース(Bamboo charcoal juice)


チャコールジュースなどと聞くと何か新しいようにも思えましたけんど、前々から竹虎社員の中には便秘改善などのために竹炭パウダーをコーヒーやお茶に入れて飲むのは日常的にされてきた事なのです。しかし、ただ、その流行の発信地がニューヨークだと言われたものですから、それは凄いと思うたのです。


チャコールジュース(Bamboo charcoal juice)


教えていただいた記事は、さすがに見栄えもメチャクチャお洒落で洗練された感じになっていましたが、格好良くはできないものの、竹炭を使うことなら負けちょりませんぞね。


チャコールジュース(Bamboo charcoal juice)


用意したのはバナナ、林檎、キウィの3種類。これで竹炭フルーツジュースを作ろうと言うのです。竹炭は真っ黒い色合いではありますが、無味無臭なので食品自体の味わいや香りを変えないのが良いところぜよ。


竹炭パウダー(Bamboo charcoal)


竹虎の竹炭は、昔ながらの竹炭窯を竹炭専用に改良した土窯作りぜよ。1000度の高温で焼き上げられた竹炭を15ミクロンの微粉末パウダー状にしていますので小さなスプーンにこれくらいの量で出来あがりは黒々としたご覧の通りのチャコールジュースの出来あがりなのです。


テレビ東京「モーニングチャージ」で新発見!新たな竹の魅力

竹トラッカー


テレビ東京の「モーニングチャージ」という番組が竹の特集をされるという事で取材に来られていました。実は高知で放映されていませんでしたので先日届けていただいたDVDで数日遅れでようやく拝見させてもらったのです。


あまり芸能人に詳しくない自分などでも知っているテリー伊藤さんが出演されていますので朝は早い時間からの放映ではありますが、これは結構沢山の方にご覧いただいている番組なのかも知れませんにゃあ。


ちかけん、竹灯り


この夏の自分達の話題と言えば竹トラッカーですのでチャレンジラン横浜を大きく取り上げて頂いたのですが、その他にも地震で被災地となっています熊本で竹の活用を続けられる、ちかけんさんの竹灯りが紹介されています。秋の夜長とは言いますが竹と灯りは昔から本当相性がよく様々な証明器具が製作されてきたのです。ちかけんさんの製作される灯りは空洞のある竹ならではの癒しの光です。


糸島魔法の竹ぬか床


けんど知らなかったのは竹パウダーの新しい使い方なのです。今回は糸島魔法の竹ぬか床と言われて人気となっている商品が撮し出されていました。普通は、ぬか床は毎日混ぜないとニオイがでるのですが、この竹ぬか床は酪酸菌が発生しないため手間いらず。


米ぬか6割、竹パウダー4割を使用するぬか床で混ぜる作業が必要ないとの事なのです。それで美味しい漬け物が出来るというので主婦の方を中心にお客様がやって来られてちょりました。


まさに竹の新たな魅力なのですが、コメンテーターとしてもう一人おられた作家の佐藤智恵さんが最後に飛行機の中で使った青竹踏みのお話しをされていました。何を隠そう、青竹踏みは機内で働かれるキャビンアテンダントの方が休憩時間に青竹踏みを使い、今まで履いていた靴が、まるで他人のパンプスかと思うくらい足のむくみが取れたという話から人気がジワジワと出てきた商品でもありますので本当に国際線の機内には置かれているのだなあと思いながら観ちょりました。


自分は海外にそう行く機会もありませんが、行くならマイ青竹踏み持参ぜよ。持ち運びに便利なハーフサイズの青竹踏み携帯用を持っているのです。


竹トラッカーポストカードとパソコン待ち受け画面

竹トラッカーポストカード


竹トラッカーのポストカードが出来あがり今月は竹虎で3,240円(税込)以上のお買い物をしていただきました皆様に5枚セットにしてお届けさせてもらっています。竹トラッカー自体は6月には完成していましたので車体の写真も撮れなくはなかったのですが「チャレンジラン横浜」での走行を入れたいと思っていましたので製作が少し遅くなったのです。


何かの時にちょっとハガキを出す事があって今までは毎年製作している年賀状が余っているのでそれを投函するようにしていましたが、竹トラッカーが刷り上がってきてからは、もっぱらこのハガキを使うようにしちゅうがですが今回の虎竹自動車プロジェクトをご存じない方にも自分達の取り組みをお伝えできるように思いよります。


竹トラッカー、パソコン画面


実はハガキと同じ図柄でパソコンの待ち受け画面も用意しちゅうのです。待ち受け画面とは、しばらくパソコンを使わなかったらセキュリティの意味もあって自動で切り替わる画面の事ぜよ。


竹トラッカー、パソコン画面


良いモノができたので是非沢山の方にお使いいただけると嬉しいと思っていましたが、何と一番最初に使っていたのは竹虎の社員達でした。知らない間に待ち受け画面がそれぞれ竹トラッカーに変わっているのです。これにはビックリしましたけんど、やはりこの地域にしか成育しない不思議な虎竹を身近に感じ、大事にしようという姿勢の表れのようで本当に嬉しく思ったのです。


安和天満宮の虎竹交通安全御守護

安和天満宮の虎竹交通安全御守護


昨日は雨が降ったり、止んだり、海の波は荒くないものの明らかに台風の接近を思わせる日頃とは違う空模様やったのです。近くの方の車に同乗させていただくと当たり前のように安和天満宮の虎竹謹製の御守護が車に吊るされちょります。天満宮の鳥居から正面を見上げると焼坂の山々の虎竹林を美しく眺める事ができますが、この特産の竹を御守護に使って頂けるとは本当にピッタリだと思うのです。


竹トラッカー


つい虎竹の話になり時代は江戸時代、土佐藩山内家の頃にまでさかのぼります。虎竹の里に汽車の線路が延びてきたのは1939年(昭和14年)、大きな港町で高知西部地域の物流の拠点でもあった須崎駅開通から遅れること15年後の事らしいのですが、それまでは竹の運搬はもっぱら船を使ったものでした。


地元の神社にも当時記録が残っていますが、そもそも昔から今のように竹林面積は広かったわけではありません。竹虎初代宇三郎が山主さんを一軒づつ説得して、地域の経済発展を説いた結果今に繋がっているのです。地域興しには「よそ者、若者、馬鹿者」と言われますが、大阪天王寺からやってきた竹材商だからこそ成し得た事かも知れません。


竹トラッカー


まあ、それにしても高知から横浜まで一日3回も充電しながら11日間、1000キロを走破したのに、何の故障もトラブルもありませんでした。心配しちょりました電気系統も全くアクシデントもなし、もちろん事故もなく安全に帰ってきましたので、虎竹交通安全御守護の御利益はなかなかのものながぜよ。


国産檜蒸籠、竹編みの強さの秘密

日本製蒸籠


昨日のブログでお話しさせていただいた国産檜蒸籠ですが檜材で造られる本体の丈夫さは見るだけでお分かりいただける厚みと迫力があるのですが、網代に編まれた竹部分はどうですろうか?


試しに上から軽く指で押してみますが「えっ!?」と思うほど堅い感触です。今度は更に力を少しいれて押してみますが柔軟な竹材であるにもかかわらず全くしなりもありません。


これほど堅く強く造られているのも、やはりプロ仕様である証かもしれませんが、どうしてこんな堅さになっているかと言いますと実は竹編みは一重ではなく二重編み、つまり竹網代編みを二枚重ねて蓋部分にしているのです。内側には十文字に幅の広い力竹も入れて補強する念のいれよう、蒸籠を長く使い続けられるよう耐久性にこだわる職人気質に頭が下がります。


国産檜蒸籠について

国産檜蒸籠


国産檜蒸籠は木材を非常に厚く加工して丈夫に製造されているのです。有名料理店やホテルなどプロの料理人の方に信頼され、調理場で毎日のように重宝されている言われるように見るからに堅牢な造りには手にとって惚れ惚れとしてしまう程ぜよ。


国産檜蒸籠


檜材の厚みに加えて竹材もしっかりとした材料つかいステンレスの針金でしっかり留められています。やはり耐久性を一番に考える厨房での使用となると、木や竹のといった自然素材を活かした道具も一味違うように思うのです。


国産檜蒸籠


蒸籠は湿気と熱を常に加えられる宿命がありますぞね。蒸し料理として過酷とも言える環境の中で繰り返し熱を加え、湿気にまみれるうちに膨張し本体にヒビ割れが入る事もあります。


しかし、そのような事を考慮してステンレスの太い金具でしっかりと固定されていますので、調理の際に蒸気がもれるような事もなく、普通に安心してご使用いただけるのです。


蚊取り線香籠について

蚊取り線香籠


シーズンが終わってからではありますが、昨日は蚊除け対策の竹酢液の話をさせていただきました。竹酢液をスプレーして蚊除け効果がある事は、動画をご覧いただいた方にはお分かり頂けたのではないかと思いますけんど、やはり一般的な蚊除けとして夏の風物詩のようにも感じるものは蚊取り線香かも知れません。室内に置くだけではなくて、専用の丸い薄型容器に入れた蚊取り線香を腰に吊り下げて農作業をされている方を見かける事もあります。立ちのぼる白い煙、特有の香りは、まさに夏の香りなのです。


近頃ではベープマットのような電気式のものがありスイッチ一つで、蚊除けができる便利な時代となっちょりますが、たまにあのユラリと立ちのぼる煙と香りが恋しくなって線香に火をつける事があるのです。だからそんな時に、こんな籠があればエイにゃあと思って試作してみた蚊取り線香籠ぜよ。


蚊取り線香籠


最初は蚊取り線香を水平に置いてちょうどの大きさに作ってもらいましたので、ピッタリサイズではありますが何かの拍子に線香が傾いた場合など竹籠部分に線香が触れてしまいそうでした。実際火の付いた部分が竹籠に触れても、そう簡単に燃えるような事はありません。試しに籠と線香の先端部分を触れたままにして5分程度放置して様子を確認しましたが、焼け焦げはつくものの燃える事はなかったがです。


けんど、やはり大事をとって高さを約3センチほど高く編んでゆとりの部分を取りました。もしかしたら電気式のベープマットに押されて、あまり使われなくなっているのかも知れませんが、この夏は蚊取り線香を使う頻度が増えました。そして、その都度当然のように籠を使って一人悦に入っていたのです。


蚊除け対策に竹酢液(ちくさくえき)を使ったお客様のハガキ

蚊除け対策に竹酢液を使ったお客様のハガキ


竹酢液を蚊除けに使う大実験を、私、竹虎四代目自ら竹林で行った事があるのです。作務衣をまくった片方の腕には10倍程度に希釈した竹酢液を、片方には何もつけず、ただジッとしているだけの実験なのです。


竹林には蚊が沢山いるというイメージがあるのではないでしょうか?しかし、それは手入れしておらず竹が生え放題の「竹藪」だからかも知れませんぞね。いわゆるヤブ蚊というヤツだと思うのです。もちろん、虎竹の里の竹林にも蚊はいますが手入れが行き届き太陽の光が差し込み、気持ちの良い風の通る竹林には普通の方が想像されるよりはずっと蚊の数は少ないがです。


しかし、それでも流石に竹林の中です。暫くしていると、竹酢液スプレーしていない手や腕には蚊が容赦ない攻撃をしてくるがです。かたや竹酢液をかけた腕は本当に一匹の蚊も近づいて来ないので、バツグンの効果なのです。


そんな自分の姿をご覧になられてお試しいただいた神奈川県の山崎様というお客様から手書きのお便りが届きましたぞね。


庭いじりが好きです。でも蚊が大敵です。ネット上で竹酢液をスプレーした片腕、無防備片腕との実験で、やってみたくなりました。勿論両腕から首、足までスプレーして夕方の庭に出て作業。大成功です。スプレー残しがあったのか一ケ所だけやられましたが。


こんな実験でも少しはお役にたてているようで嬉しいです(笑)けんど、試されたら本当に竹酢液の防虫効果を体感していただけると思いますぞね。




玉入れ籠は、やっぱり竹製ぞね

玉入れかご製造


少しづつ涼しくなってきて、まっこと随分と過ごしやすくなりました。朝もヒヤリと心地よく、空は青く澄み切っていたりすると少し運動でもしてみろうかと思うたりするようになるのです。まさにスポーツの秋ですが、そろそろ運動会の季節でもあります。


運動会と言えば、いつでしたか玉入れ競技に使う竹籠の取材に東京のニュース番組さんが来られていた事を思い出しますぜよ。わざわざ玉入れ籠を撮影に来られるとは...とビックリしましたけんど、それほど竹製の玉入れ籠が珍しくなっているという証でもあるかも知れません。


玉入れかごか職人


このような素朴な竹編みの仕事は、主に真竹が材料として使われます。真竹は東北より南なら日本各地どこにでも見られる竹で容易に手にする事ができますので、少し前なら何処の地域でも同じような六ツ目の籠は製作されていたはずなのです。もちろん運動会に使うのではなく農作業や毎日の暮らしで使うための竹籠として様々な形と大きさで編まれていたのです。


せっかく竹製品に親しむ機会と思い、今年も秋の運動会用として出来るだけ用意していた在庫は、お陰様でほとんど無くなっているようです。各地の学校で元気なチビッコ達に囲まれる竹籠の出番が近づいています。


携帯用青竹踏み、海外旅行のお供にはオススメぜよ

青竹踏み(携帯用)


強力青竹踏みとは一体どのようなものか?これは孟宗竹のものより細めの直径で約5.5~6.5センチの真竹を使った商品ながです。細めの竹であり、しかも、半割に使うのではなく「6:4」の比率でカットしてあるので足裏への刺激が段違いに強いのです。


青竹踏みは最初は痛がる方もおられるのですが、長い間使っていると徐々に慣れてくるのか刺激が弱くなって踏王くんのような強力タイプをご所望されるお客様が増えてきます。


この強力タイプの中でも実は乾燥が十分できていなかったりすると、割合が6:4だからか縮まって足裏にあたる部分がより鋭角となる竹が出てきます。当然、これは売り物にはならないのですが足ツボにピンポイントの超強力な刺激があるので、実は青竹踏み上級者となった自分などは、数本持って自宅や会社に置いてありますが、すべてこの超強力タイプなのです。


さて、そんな踏王くんですが、旅先でも青竹踏みをして足の疲れを癒したいと思うのは当然の成り行きぞね。そこで半分サイズにした携帯用も製作したのですが、これは本当におすすめなのです。特に海外旅行では長時間の機内での移動もあり、慣れない土地で歩く場合も多いかと思いますが長さ約20.5セントと小さく、そして軽い携帯用を身近に置いておけば、いつでもフミフミ気持ち良さを味わえます。


竹は海外では「クール」と言われちょりますし、日本という国のイメージに竹を重ねられている方も多いように思います。もしかしたら日頃竹に親しむことの少ない方であっても、海外に出られる際には、日本らしい竹の小道具を携えて頂きたいのです。


青竹踏みで血圧が下がるとな...!?

青竹踏み


青竹踏みは日本のご家庭になら一家に一本は必ずある健康必需品とばかり、ずっと信じて疑いませんでした。ところが、若い方などの中には青竹踏みという名前すら知らない方がおられたりするのです。まあ、最初はこのような方もおられるだろうと思っていましたが、あまりにご存じない方に多く出会うようになり、ついに最近では50名くらいの中で知っている学生さんが皆無などという事まであって、さすがに竹の事をもっと知って...いやいや思い出してもらいたいと思うようになっちゅうのです。


その一方で、ご愛用の方からは「足のむくみ、疲れがとれる」「腰痛が緩和する」というお声だけでなく血圧、血糖値にも効果があるという青竹踏みへの感想は本当に沢山頂いています。


竹を半分に割っただけの簡単な構造のように思われている青竹踏みですが、実は意外に製造には苦労があるのです。加工が少ない分、竹素材そのものの品質が大切になりますが自然の竹はキズもあればシミもあります。乾燥しきった素材ばかりではありませんのでカビも生えるがです。


何より問題なのは製造段階では真っ直ぐな竹が乾燥具合によって歪みがでる事ぜよ。平らな床に置いて使用する場合にガタつきが出てしまいます。絨毯のお部屋や、フローリングなど滑りやすい床面であっても使用時には青竹踏みの下にマットやタオルを重ねて敷いてご愛用いただくので多少の事は問題ありませんか検品時に当然すべて落とされて底面の削り直しとなるのです。


孟宗竹を材料とする青竹踏みに更に輪をかけて管理の大変なのが真竹を加工する強力タイプの青竹踏み「踏王(ふみお)くん」、このお話しは又来週させていただきますぜよ。


所ジョージさんから竹虎職人へのメッセージ

世田谷ベースで頂いた人形


8月14日のブログで世田谷ベースに竹トラッカーでお伺いさせて頂いた話をさせてもらいました。実は横浜まで乗って行く機会など二度とないだろうから、所ジョージさんに見てもらいに行くと竹自動車が完成する前から心に決めてました。全社会議でも


「世田谷ベースに行って車好きの所ジョージさんに見てもらう」


そう公言して社員に約束していた事やったのです。自分としては、だから「恥ずかしくないものを全力で製作せよ」と言う意味合でもありました。まあ、そんな事を言うまでもなく職人達は最高のものを製作するに決まっているのですが、困難続きの製作を横目で見ていたので何か励ましになればと思ったのです。


なので迷惑もかえりみずお伺いしさせてもらい、その当日にたまたま所さんにお会いさせてもらえたので本当に幸運だったのですが、もし会えずにいたとしても竹トラッカーをご覧いただくまで高知に帰る事はできなかったのです。


さて、世田谷ベース前まで来て竹トラッカーを停めました。思えばチャレンジラン横浜の間は、点検で足回りを見たり、ボディをチェックしたりはありましたが、車体を、ゆったりした気分でしみじみ眺めるような余裕はありませんでした。横浜まで走ってきて、目標を達成した長旅の後です、どうも風格が出たようにも思って改めて見ていると、自分が今まで乗ってきた車ではありますものの、知らず知らずに思わず魅入ってしもうちょったのです。ハッ...!人の気配がしたと思ったら、そこに所ジョージさんぜよ。


「これは、凄いね...!」
「凄くないか!?よく製作したね...」
「これは大したものだよ、凄いよ」


とにかく、あっちもこっちも見てくれるがです。手作りのモノに造詣が深く、今まで色々なものを見て来られた方からこのように褒めて頂くので田舎者の自分は、こじゃんと嬉しくなって舞い上がるような気持ちです。そこへもってきて、竹虎の社員に一言話すから動画に撮りなさいと言うてくれたのです。


先週の木曜日は月に一度の全社会議でした。はじめて職人、社員に所さんからのメッセージを見てもらいました。動画では「この社長は凄いよ...」から始まって高知から横浜までの旅の事を言われています。ところが、これは所さん一流の言い回しだと思います、所さんは「凄い」を連発しながら竹トラッカーの事ばかり見て、職人の仕事ぶりに感嘆しきりでした。あの場にいた自分は確信できます、メッセージは紛れもなく竹トラッカーを製作した職人への最上級の賛辞を言うてくれちゅうのです。


だから、動画は何回も何回も観たけんど、何度観てもあの時の感動を思い出して熱くなるがです。




虎竹バックニューヨーカーインナーバック

虎竹バックニューヨーカーインナーバック


只今製作が進んでいる虎竹バックニューヨーカーには布製のインナーバックを取り付ける事にしちょります。竹フレームから小物が落ちる場合がありますのでインナーバックは元々メッシュ生地で製作してあったのですが今回は更に虎竹染めの生地と革を組み合わせて試作をしてもらっているのです。


虎竹バックニューヨーカーインナーバック


虎竹バックにはマグネットで取り付けるようになっていますので、インナーバックは簡単に取り外す事もできます。口部分は磁石でしっかり閉まりますので、これだけでもお使いいただけるようになれば理想的です。


日本唯一の虎竹林


虎竹染めの生地は、虎竹の青々とした新鮮な葉を使って染め上げられています。染めの工程では、どのような色合いになるのは分かりづらいのですが天日に晒し、風に揺られて乾いた生地は美しい黄色になっているのです。あの濃い緑色から淡く優しい色合いになるとは草木染めも、まっこと面白いものです。


虎竹バックニューヨーカーインナーバック


この虎竹染め生地を使いニューヨーカーを仕舞う時などにお使いいただけるし、エコバックのようにちょっとしたお買い物にもご愛用いただける布バックも試作中です。肩にかけられるように長めの持ち手を付けていますが、これからどのようになるの自分も楽しみにしちゅうがです。


インターンシップ2016を終えて

インターンシップ2016虎竹花籠作り


今年の竹虎インターンシップは先週には無事終了させてもらいましたぜよ。学生の皆さんには、せっかく虎竹の里で頑張って研修していただいた記念にと日本唯一の特産虎竹を使った花籠作りを体験していただく事にしているのです。こうすれば、それぞれの方が自身で編み上げた花籠を持ち帰ってもらう事ができますので貴重な夏の記念品として永く残してもらえるのではないかと思いよります。


それにしても同じ幅、厚み、長さの竹ヒゴを使って、同じように編む竹籠ですが出来映えが全部違いますので本当に面白いものですちや。


インターンシップ2016


今年の夏で16回目となるインターンシップですが、先日横浜から帰ってきた虎竹自動車の竹トラッカーと同じで若い方に竹に親しみ、竹の事を知っていただきたいという常日頃から感じている思いがベースにあります。なので、少しでも関わりたいと都合をつけるようにしているのですがアレコレと用事がある事と、社員に安心して任せらるようになった事から学生さんと接する機会がめっきり少なくなっちゅうのです。


インターンシップ2016


そこで、ほんの短い時間でも竹の事をお伝えしておきたいと思って集まってもらったり、又まとめの報告を聞かせてもらったりさせて頂くのです。一期一会という言葉があります、県外の大学に出られている高知出身の方がインターンシップに来られる事もありますが、参加されるのは県内の大学の方が中心であり出身は高知以外の方が多いように思います。夏休みの二週間を過ごした後、竹虎に来られる事はもしかしたら一生ないかも知れないと考えれば本当に貴重な機会です。


インターンシップ2016


今回は、たまたま研修期間中にRKC高知放送テレビ「eye+スーパー」という番組に出演させてもらっていました。生放送でしたのでご覧いただいて皆様の感想を頂戴する事にしました。虎竹の里の竹林から、工場、店舗など体験して来られた学生さんだからこそ感じてもらえる事があるのではないかと思ったのです。


竹虎インターンシップ2016「eye+スーパー」感想




竹炭パウダー(Bamboo charcoal powder)を使った料理について

竹炭うどん


食品添加物として使われる竹炭パウダー(Bamboo charcoal powder)を使って竹虎社員も色々な料理を作って楽しんでいます。まず竹炭を使用する場合、竹炭パンやクッキーなど粉モノに混ぜることが多いようですが、四国といえば饂飩が有名ですので竹炭を練り込んだ竹炭饂飩。


竹炭ミートパイ


そして、マッシュポテトに竹炭パウダーを混ぜ込んで焼き上げた竹炭ミートパイ。竹炭を入れた黒色と、焦げ目をつけたチーズとのコントラストが二色丼のように見えて、まっこと面白いのです。


竹炭マカロニサラダ


マヨネーズに竹炭を入れて竹炭マヨネーズを作りマカロニサラダにしもしています。こちらも同じく白黒の色合いの違いが興味をそそりそうですちや。


竹炭麻婆豆腐


竹炭麻婆豆腐


これは食欲そそりそうな高知県産の生姜を効かせた竹炭麻婆豆腐ぜよ。近頃、豆腐を食べる事が多いのですがたまにこんなバリエーションがあったら飽きることなく食べられそうです。


竹炭豆腐


豆乳とにがり、竹炭で作った竹炭豆腐などというものまで作っています。胡麻豆腐のようにも見えますが、夕食のおかずの一品によさそうです。


竹炭バター


竹炭パウダーと生クリームで作った自家製竹炭バターもありますぞね。


竹炭レモンゼリー


デザートもありますぞね、レモンゼリーと竹炭ゼリーを交互にカップに入れて見た目にも綺麗なスイーツなのです。


いずれも見た目にインパクトがあって話題に事欠かないのですが、最近ではデドックス効果などもあって人気となっている竹炭パウダー。戦国時代の忍者が解毒のために炭粉を常に携帯していたように、実は昔から民間療法的に利用されてきましたので炭職人には胃腸の悪い人はいないと言われてきちゅうのです。


RKC高知放送テレビ「eye+スーパー」1時間生番組放映

RKC高知放送テレビ「eye+スーパー」、竹虎四代目


先月の竹トラッカー「チャレンジラン横浜」の目標達成をRKC高知放送テレビ「eye+スーパー」という1時間生番組の中でお話しさせていただく機会を頂いちょりました。そのコーナーだけの出演かと思っていましたが、何と番組中ずっと座っておかねばならないようながです。


RKC高知放送テレビ「eye+スーパー」竹虎四代目


自分のような田舎者が、そんな長時間のテレビで、しかも編集しての放映ではない生放送とは、ちっくと大変やにゃあと思いよりましたらディレクターの方が「ご覧になられているのは県内の方ばかりですき大丈夫です」と言うていただき少し肩の力がぬけたがです。


RKC高知放送テレビ「eye+スーパー」丸山修アナウンサー、高橋生アナウンサー、竹虎四代目


ご一緒させていただくのは高知放送ではお馴染みのアナウンサー丸山修さんと高橋生さん。こちらの番組は月曜日から金曜日まで毎日夕方に放送されているものですきに、当然皆さんリハーサルも慣れたものです。サラサラと一回通したかと思うたら、早くも本番なのです。


RKC高知放送テレビ「eye+スーパー」竹虎四代目


竹は昔から日本人の暮らしと共にあり、衣食住の全てに渡ってずっと密接に関係のあった一番身近な自然素材だと思います。手入れしなくとも毎年のように生えて、類い希な成長力でたったの3年に製品に加工できる竹は、どれだけ役だってきたか分からないほどだと思います。


RKC高知放送テレビ「eye+スーパー」丸山修アナウンサー、高橋生アナウンサー、竹虎四代目


どうして竹で車を作ったのか?虎竹とは何なのか?そして、なぜ横浜まで走って行ったのか?時間を決められた生放送の中でお話しできるのだろうかと心配しよりましたがアナウンサーお二人に上手く話しをふっていただき何とか最低限の事はお伝えできたのではないと思いよります。


RKC高知放送テレビ「eye+スーパー」山岸義浩


クラウドファンディングについても、高知のような地方でこそ活用をもっと広げねばなりませんし、これから色々な分野での可能性を考えてもらいたい事でした。番組をご覧になられて一人でも前向きに踏み出される方がおられれば嬉しく思うのです。


RKC高知放送テレビ「eye+スーパー」竹虎四代目


この虎竹自動車プロジェクトでは、多くの方の支えにより本当に大成功の企画となりました。自分自信は、どんな豪華な世界旅行よりも素晴らしい最高の旅をさせてもらって感謝の気持ちでいっぱいなのですが、竹虎の職人にとっては、どうやったろうか?番組で尋ねられて改めて考えてみましたけんど、やはり自分達の仕事を見直す契機となったことは間違いないがです。


美しい日本唯一の竹林にて

竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI、TAKETORA),作務衣,さむえ,SAMUE


日本の各地をずっと回って様々な名所や美しい景色をご覧になられたという方が虎竹の里にお越しになられていました。まだお若い方なのですが、目の付け所や話の内容からそれとなく伝わってくる経験値のようなものがありますので仕事柄とはいえまっこと偉いものですにゃあ。話がつい長くなり時間がなくなったのですが、どうしても竹林を見たいと言われるので急ぎ車を走らせて来たのです。


その方の表情が変わります。「今まで絶景と言われる所に行くけれど、期待ほどではないところも多いんです。ところがこの竹林は本当にすごい、感動しました。」


山に来てからは、あまり話はしちょりません。けんど、こうして、都会から来られたこの方の言葉は嬉しくもあり同時に重たく受け止めました。土佐藩の時代には年貢として山内家にも運ばれていた虎竹と自分達は100年になります。初代から数えて四代に渡り守ってきた虎竹、これからの100年のために何ができるのか?真っ直ぐに伸びた竹を見上げ、天を仰ぐがぜよ。


富山駅前の薬売り像

富山駅前の薬売り像


たまたまテレビに映っていたのは富山駅ぞね、先月皆様の応援で完走することができた「チャレンジラン横浜」。土台となった電気自動車Like-T3を製作されている光岡自動車さんは富山県にあり夏前にも行ってきたばかりで見覚えのある景色が写っていたので思わず足が止まりました。


そこで思いだしたのが、その折り少し時間があり駅前を歩いていて見つけた薬売りの行商をされているブロンズ像だったのです。この時には、とにかく竹トラッカーの事で頭がいっぱいで、つい忘れていたのですが富山は何と言っても薬が有名な土地柄ながぜよ。


薬売りブロンズ像


江戸時代に腹痛を起こしたお殿様が、富山の薬を飲んで回復したという話が居合わせた国主それぞれの国元に伝わり、それが元で全国への薬売りの行商が始まったとの事です。竹虎でも事務所には昔から広貫堂さんの置き薬をずっと置いていますが、もちろん本社は富山の会社様ながぜよ。今でも有名な製薬会社さんの本社がここ富山には沢山あるのです。


さて、そうやって薬の行商の歴史を作ってこられた方々が持ち歩いた道具も銅像として製作されていました。この辺りではヤナギを使って編まれた籠が主流だったと思いますが、自分の小さい頃、魚の干物や天ぷらを行商にこられていたおばちゃん達が同じように肩に提げていたのは使い込まれて飴色になった細かいゴザ目編みの竹籠でした。


玄関先で腰を下ろしたおばちゃんが風呂敷を取ると一気に魚の香りが立ち上ってまるで、玄関が魚屋さんになったように感じた事を今でもハッキリ覚えちょります。


富山駅前の薬売り像


あの細かい年期の入った渋い編み目の竹籠に懐かしい思い出がいっぱい詰まっているような気がして考えあぐねていたら知らない間に時間が経っています。電車の時間が迫り帰ろうと思って、ふと見たら、さすが全国行脚した富山の薬ぞね。持っている傘も竹根持ち手の一本、さすがなのです。


酒蔵で使われる米あげざる

米とぎざる


夏前の事やったですろうか、米あげざるを沢山お届けさせて頂く機会がありました。数も多かったのですが、見本にと見せて頂いた竹ざるが大きく、しっかりした作りなのには驚きました。そして更に感激したのは、その竹ざるを大事に大事に使い込んだ様子がうかがえたのです。


大村屋酒造場


酒蔵などには、あまり行く機会はなかったのですが、先月の竹トラッカーでのチャレンジラン横浜で充電ポイントとして「若竹鬼ころし」などの銘酒で知られる静岡は島田市の大村屋酒造場さんをご紹介いただいておりました。島田は大井川の宿場町として栄えてきた街だと聞きました。当時は橋をかけられていなかった為、川の増水で通行できず旅の途中で足止めとなる事もあったようですが、そんな旅人を和ませたのが大村屋さんのお酒かも知れません。


米あげざる


竹トラッカーの充電には6時間かかりますので、その間を利用して大村屋酒造場の方に大井川にお連れ頂きました。この辺りの川は本当に大きいなあと感心しますぜよ。高知で有名な清流四万十川や、仁淀ブルーと言われて近年人気の仁淀川等とは川幅がまったく違うのです。


大村屋さんの酒蔵もアレコレご案内いただきましたが、年期の入った米あげざるが重ねられています。十文字に入る力竹、口巻きには布で補強されていました。創業は1832年(天保3年)と他の酒造メーカーさん同様に古い歴史があります、酒造りの文化の中にも竹が息づいていることを改めて思ったものでした。