今回の第12回世界竹会議台湾は、新竹の国立陽明交通大学で3日間の日程の後、会場を竹の本場である南投県、国立台湾工芸研究センターに移して開催された。こちらには、ちょうど10年前にお伺いした事があったのだが強烈な印象に残っていた竹編みソファが素晴らしい経年変色をしていて感動した。
感動の竹編みソファのお話しは改めてさせていただく事にして、今日は国立台湾工芸研究センターから車で30分程度走った所にある台中市繊維工芸博物館にお招きいただいた台湾国際竹芸フォーラムのお話しをしたい。
台湾の竹工芸のレジェンドであり、日本の人間国宝にあたる重要伝統芸術保持者であられる李栄烈先生、盛志華台湾竹美術館館長の徐暋さん、台湾竹工芸の竹彫り師である施さんとご一緒させていただいた。
主催が国立統一大学研究開発室イノベーションインキュベーションセンターと言うところで、もしかしたら学生さんが多いのかと思っていたが、ほとんどか一般の方たちばかりで台湾の皆様の竹への関心の高さを感じた。共催が台中市文化局、台湾竹工芸協会というのも竹産業が盛んな証だろうかと思ったりした。
講演では、自分達の地域資源として江戸時代から続く虎竹文化の話を中心に、日本の竹細工 、竹製品をお伝えするつもりだった。
ところが、前日に国立台湾工芸研究センターで出会った竹職人さんと、10年ぶりに再会した竹ソファに感激してしまって講演を半分やりかえる事にした。
これは亀の甲羅のような形が独特な亀甲竹という竹だ。左右の色合いの違いは日本の古民家にあった囲炉裏の煙によって色づいたものである。台湾のような暖かな地域では、あまりご存知ないのではないかと思って用意していたが、竹の経年変色の価値について重点を置いてお話しする事にした。
ちょっとしたトラブルもあって、PCが変わるとパワーポイントの動画が動かない(笑)。仕方がないので後で竹虎のYouTubeチャンネルをご覧くださいとお願いした。「竹虎YouTubeチャンネル知っていますか?」そんな問いかけに、本当に多くの方が挙手いただき驚いた!
竹の経年変色の美しさは万国共通ではないだろうか?
パネルディスカッションでは、話しながら自分達の課題が見えてくる。
竹虎なのでタイガーポーズをいつもお願いしています(笑)今回は一体何度このようなポーズをとったろうか...。機会があればまとめてみたい。
世界竹会議台湾も、今日で3日目となった。世界30カ国から200名を超える竹の専門家の方が集まられているが、竹産業の盛んな地元台湾からの皆様を入れると400名規模の会議となり非常ににぎわっている。
虎竹製EV「竹トラッカー」も沢山の方にご覧いただき、特設コースを走らせていただいて感激している。当日昼前までの悪天候がウソのような穏やかで、心地のよい風の吹く絶好のコンディションで竹トラッカーにとっても本当に恵まれていた。
自分たちの虎竹の事をはじめてとして竹を目にして頂く機会や、お話する事は多くはないので、政府の方や会場となっている国立陽明交通大学々長様などを前に非常に貴重な時間をいただいた。
日本で言えば林野庁に相当する、林務局からお越しいただいた林華清局長様に竹トラッカーに同乗してもらい少し走らせてみた。台湾は、竹への関心や理解が深いといつも感じているけれど、この時にも同じような感想を持った。そんな土壌のある台湾での今大会を契機にして、竹が新たなステージに進んでいけば良いと思う。
雨が降ると竹林の仕事はお休みだ、急峻な山道の続く虎竹の里では機械も入る事ができなくなる。しかし、雨の後の竹林は格別でもある、やさしい陽射しが差し込んできたりしたら、知らない方でもここに何か不思議な存在がある事を感じずにはいられない神々しさだ。
この美しさはどうだ。恵みの雨に歓喜している虎竹たち。
竹表皮が濡れた虎竹は、まるで油抜き をしたかのように艶やかに輝き、模様が浮き上がってみえる。だから数十年も虎竹選別をしてきた熟練も、分かっているつもりでも目を奪われるので、夜露が乾くのを待ってから仕事をしていた。
ここ台湾新竹は風の強い所だと言う。激しい雨と風で、覚悟して臨んだ第12回世界竹会議台湾(World Bamboo Congress Taiwan)だが、日頃の行いか?やはり竹の神様に違いないのか、竹トラッカー走行の時間が近づくと嘘のように晴れ間が広がった。虎竹の里がそうであるように、晴れた後には格別の景色が広がっているものだ。
いよいよ明日から世界竹会議台湾が開催される。とにかく何にせよ今回は虎竹電気自動車「竹トラッカー」が無事に台湾に到着しているかを気にしていた。前回の、日本から太平洋を横切ってメキシコはマンザニーロ港から1000キロも走ったハラパの町に竹トラッカーを届けた時よりも何倍も気にしているのは、台湾の会議では、わざわざ専用コースを用意していただくほどの竹トラッカーへの期待を感じているからだ。
すでに台北港に到着して税関も通過して倉庫に到着している。本日、午後には70キロ離れた竹会議の会場まで陸送される予定なので無事に到着してもらいたい。
台湾新竹市の国立陽明交通大学(National Yang Ming Chiao Tung University)に設置いただいている特設コースは2キロある。ちょうど、寿命がきていたリチウムバッテリーも新品に交換しているので、距離的には心配ない。
今度も色々な方にお世話になり、お力添えをいただいて実現したので是非無事に3日間完走させたいと思っている。
とにかく、今日の夜には会場に設置された竹トラッカーに再会できる予定なので、バッテリーや足回りが長旅で不具合出ていないか、しっかり確認したい。台湾の、世界各地からの竹人の皆様「台湾見」。
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いよいよ明後日から台湾での世界竹会議だが、今回は更に台中繊維博物館で開催される国際竹工芸フォーラムにて講演させて頂く予定だ。台湾には優れた竹工芸が数多くあるけれど、その竹の技を支えているのが、前に現地を訪れた際に良く見かけたタイワンマダケではないだろうかと思っている。そこで、今までは見るだけだったタイワンマダケを実際に手にしてみる事にした。
実は、台湾真竹は日本にも1913年に導入されたと言うことで、数量は多くはないが成育している。耐寒性もあると言われるけれど、元々が温かい地域に育つ竹なので日本ではあまり太くならないようだ。同じ「マダケ」と名前が付いていても、一番異なっている所は筍かも知れない。タイワンマダケは柔らかく甘みがあり食用としても多用されると聞くが、日本の真竹は「苦竹」と書くこともあるように苦みがあるからか筍を食する機会は少ない。
そんな台湾真竹は、桂竹(けいちく)とも呼ばれており、見た目はスッーと節間伸びた美しい姿だけれど、実際に触ってみると節も低く竹編みにしやすそうな竹材だ。
台湾 では人の暮らしの中に、まだまだ竹ざるや竹籠が普通に使われていて嬉しくなった覚えがある。
割って竹ヒゴにした感じは粘りがあり、やはり竹細工には適しているようだ。
そう言えば、産地に行けば色々な竹籠があったのを思い出す。もしかしたら全く知らない竹を使った、想像もしない「竹」に出会えるのではないか?あるいは日本と同じ竹に感動するのかも。竹は知れば知るほど奥が深い。
竹の旬と書いて「筍 」、まさに季節ならではの美味が、今年も本場京都から届いた。この丸々とした形は早堀筍と言って、まだ地表に顔を出す前の筍を専用の道具で掘り出して収穫されている。地面から大きく伸びた馴染の筍も食べ応えがあって美味しいが、さすがに京都の雅を感じさせる筍は味も上品だ。できるだけ早くいただかねばならないので早速美味しく頂戴した。
竹林には地下茎が縦横無尽に伸びていると、いつもお話しさせていただくが、そんな地下茎から毎年こうして筍が生えてくる。あそこにも!ここにも!と思ってみていると、竹林は本当に筍だらけだったりする。
そして、その筍の成長力が凄まじい。十分な水分があれば、1日に1メートル以上も伸びて行くので、少し山に行かないと、竹林の景色が変わって見えるほどだ。
現在、竹の利活用は全く不十分だが、ほんの数十年前までは多くの竹林が人の手によって管理され、筍が大きくなる過程で脱ぎ落としていく竹皮までもが製品として収入の一部になっていた。
それにしても、さきほど竹ざるにのせていた小さな筍が、わずか3カ月でこのような20数メートルの大きな竹になるなんて信じられるだろうか?神秘的とも言える竹の力、持続可能な社会にむけて竹の果たす役割はもっとあるのではないか?そんな問題提起が、今週はじまる世界竹会議台湾でも交わされる。
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今日も朝から随分と暑い(笑)、締め切った倉庫に入るとムッとする熱気で、もう夏がやって来たのかと思うほどだ。日差しも段々と強くなってきた、まだまだ太陽の光が優しいなんて油断していたら大間違い。確か真夏よりも、4月から5月あたりの方が紫外線の量は多いと聞いた事がある。そこで屋外に出る時に活躍するのが竹笠 だ。
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実は、日頃の生活の中では竹笠を被る機会はそれほど多くはないけれど、ずっと前から国産の竹笠を個人的に持っていた。その笠をモデルにしてもらって復刻した国産竹笠の細やかな編み込みを動画でご覧いただきたい。
竹網代笠の他にも、流鏑馬笠や托鉢笠など、かなりレアな笠を並べている。「こんな笠を被ってる人なんて見た事ない...」、確かに皆様が想像されるように需要が多いわけでは無いし、探せば海外製の笠がいくらでもあるのだが、せっかく残されている伝統の技が消えてしまうのは残念だと思って復刻させている。
しっかり編まれた国産竹笠を大事に、年々深まる柿渋の色合いを楽しんでもらいたいと思う。
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とにかく田舎者なので海外に行くと目が回る(笑)。日頃なら考えられない事をしてしまう場合もある、ジャカルタのスカルノハッタ国際空港がそうだった。あまりの空港の広さに驚いた、乗り換える飛行機にどうやって行けば良いのか皆目分からない。一番最初に作ったプロトタイプの虎竹パスポートケース を手に迷ってしまい、締め忘れたジッパーからパスポートはじめチケットやら何やら全てをロビーに落としていた!
自分でも、そんな事するのか?と今でも思うけれど、実際に落としていたのだから仕方ない。親切な現地の方に声を掛けてもらって紛失は免れたが、知らない土地では平常心を失ってしまう事があるのだなあと、しみじみと感じた。ちなみに、その後も親切な現地の方に出会ってシャトルバスに乗る事ができ、さらに親切な方に降りるターミナルで「ここだよ」と教えてもらい乗り継ぎの飛行機に間に合った。
帰国してからパスポートケースは、ジッパーが開いていても中身が落ちないように革仕切りを工夫した。海外では大事な相棒、少し重くて硬い本体だが作務衣の内ポケットにスッポリ収まる虎竹を一生使うだろうと思っている。
昭和の時代、家族の集まる居間には必ずと言っていいほどコタツがあって、その上には決まって竹編みの盛り籠 があった。おじいさん、おばあさんから、お孫さんまでが揃ってミカンを剥きながらテレビを観ると言うのが冬の定番だったからミカン籠とも呼ばれたりしていたが、「ミカン籠って何ですか?」と声が上がる。
果樹園を経営する友人が、当時と比べて今や柑橘類をはじめとした果物の消費量は半分になっていると話す。なるほど、コタツは無くなる、テレビは無くなりスマホでそれぞれが部屋で楽しむ、そして果物は食べないとなれば、ミカンを入れる盛り籠は知らなくて当然かも知れない。
しかし、そんな時代の流れの中でも細々ながらも生き続けている、かつてのミカン籠の代表選手のような鉄鉢籠。修行僧が托鉢の時に用い鉄の容器に形が似ているから名付けられた竹籠で、当時は何種類もサイズがあり沢山編まれていた中から、今では一番手頃な大きさを作っている。
先日、たまたま手の平サイズの小振りな竹籠の別注があって、職人が久しぶりだと楽しそうに編み出した。実は籠は小さいものが手間がかかり難しいが、ちょっとした小物入れに最適なカワイイ虎竹鉄鉢が完成した。
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いよいよ台湾で開催される世界竹会議が来週に迫ってきた。実は台湾の竹工芸や竹の活用は、日本などよりも先進的で非常に面白い。もう10年前になるけれど、新しい竹を生み出す源泉をどうしても知りたくなって主だった工房を回り、職人さんにお会いさせていただいた事がある。
そもそも何より竹と人の暮らしが、まだまだ色濃く残っていて、ワクワクするような空気感が漂っていた。そんな台湾で開催される第12回目の世界竹会議、一体どんな新しい竹と人に出会えるのか今から楽しみで仕方ない。一応、ボクは日本に二人だけの世界竹大使(World Bamboo Ambassador)となっているので出来るだけの事はしなければならないと思っている。
そこで、少しでも会議が盛り上がり台湾国内外の耳目が集まればと、虎竹電気自動車「竹トラッカー」が登場するのである。ちょうど本日、予定どおり台北の港に到着するとの連絡をいただいて安心したところだ。今回は輸送についても、これほど手間と時間がかかってしまったけれど、それに似合うだけの成果を期待している。
新竹市の国立陽明交通大学(National Yang Ming Chiao Tung University)にご用意いただいたのは、全長2キロの特設コース。リチウムバッテリーも新品に載せ替えているし余裕で何周でも走る事ができる。竹の明日に向かって走りたい。
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