巻き竹

巻き竹


庭に間仕切りや目隠しととして置く虎竹玉袖垣ような袖垣の骨組みは直径が大きく、強度のある孟宗竹で組んでいます。曲がりの部分は熱を入れて曲げているのではなく、内側に細かく数か所に三角の切込みをいれて切り取り、曲げています。そして柱に穴を開け、切り込みを入れた横竹を差し込んで、竹釘で固定して骨組みを作ります。


そうして組んだ骨組みに格子用の竹で格子を組み、交差した部分を2日ほど水に浸けて柔らかくした四万十カズラで結んでいきます。四万十カズラも太さがいろいろあるため、太くて結びにくいカズラは手で半分に裂いて細くして結んでいます。


格子を組んだら、骨組みとして組んだ孟宗竹に巻竹と呼ばれる細く割った虎竹を巻きつけていきます。青い孟宗竹の骨組みに油抜きをした綺麗な虎竹を巻きつけることで、装飾の意味合いと同時に強度も強くなり、長持ちに繋がっています。


巻竹は丸い竹を幅2cmほどに荒割りしますが、竹は縦の繊維に沿って割れるため、真っ直ぐには割れず、波打ってしまうことがよくあります。その際に隣同士が綺麗にくっつように、順番に番号をふって割っておき、順番通りに並べて貼っていくのです。


山から取ってきた竹をカットし、油抜きをして、荒割りした後はこのような鉤で裏の節を竹の裏のアールに沿って削りだします。そして最後には貼り付ける物によって枚数を変えながら手割りをしていきます。袖垣の柱を巻く巻竹一つをとっても、たくさんの工程や工夫があり、その作業があってこそ、綺麗に出来上がっているのです。

2016年の初荷がでました。

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毎年毎年暖冬と言われていますが、今年の冬も虎竹の里は正月らしくないほどの暖かさでした。虎竹は寒さが来ないとなぜか色つきが悪く、寒さを待っているほどですが、それでも新年早々に山からトラック一杯分の虎竹が下りてきました。


年末の12月20日につち入りし、1月3日までは竹の伐採ができません。竹が伐採できない間に切り倒した竹の枝を打ち、ある程度の大きさの束にして、山に盛り上げておいたものを、新年の仕事始めの朝にトラックに積み込んで、山から下してきたのです。


下してきた虎竹は一旦土場と呼ばれる広場に下されます。そしてこの虎竹を切り子さんが大きさや色付きによって選別し、振り分けながら広げていきます。その選別して振り分けた虎竹を、今度は自分が再度選別し直し、本数を数え、買い取ります。


虎竹が土場に広がるようなところは日本でここだけです。またその山から出た竹1本1本を選別しながら買い取るような竹屋もここにしかないと思います。すごくめんどうな、無駄なことをしているようですが、それが日本唯一の虎竹を扱う、竹虎だけの仕事なのです。