リーマー

リーマー


竹皮男下駄竹皮右近下駄などの竹皮草履を貼った下駄は下駄屋さんに作ってもらった桐下駄の台に、その大きさに合わせて編んだ竹皮草履を貼り付け、鼻緒をすげた商品です。竹皮を編んだ草履を貼っている分、一般的な下駄に比べて、クッション性もよく、また足の形に馴染んでいくために大変履きやすいとのお声を頂くことの多い下駄です。


竹皮を貼った下駄に鼻緒をすげるのですが、竹皮を編んだ草履部分は大きなきりを差し込んで編み目を広げてから鼻緒を差し込みますが、桐下駄の台に鼻緒を通す際に穴が小さくて鼻緒が通りにくい時にリーマーという道具を使って桐下駄の台の穴を広げています。


リーマとは、あらかじめドリルなどによってあけられた下穴を、要求される精度で所定の寸法、形状、そして良好な仕上げ面に加工するために用いられる切削工具と言われ、主に工業製品の仕上げ加工に使用されることが多いようです。


円錐形の金属に複数の切刃を持つ形状で、桐下駄の穴を広げるために回転させながら、少しだけ穴の大きさを広げるのです。あまり緩くなっても鼻緒が動いたり、緩んだりする恐れがあるので、広げすぎに注意しながら加工します。そして一足一足丁寧にすげてから、お客様のもとにお届けしているのです。

左右の高さの違うスリッパ

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竹虎の竹皮スリッパはたけのこの皮で編んだ草履にEVAスポンジを貼り付けたものですが、EVAスポンジの厚さを変えたものがあり、スポンジの厚い物を厚底、薄い物を薄底として販売しています。


厚底のものはスポンジが厚い分、クッション性も高く、主に屋外で履いていただく用としてお勧めしています。薄底はスポンジが薄い分、クッション性は劣りますが、何もついていいない草履に近い履き心地で、地面や床の感触を感じれたり、足に貼りついてくる感もあり、フローリングなどで履いていただくのに最適だと思います。


スポンジを貼っていますが、濡れた大理石などのつるつるした所では滑りやすい場合もあります。そういう場所では気をつけて履いていただきたいのですが、滑りにくいスポンジにすると、ゴムがすごく固く、また重くなってしまって、今の優しく軽い履き心地が出せないために、この2種類のスポンジがこの草履には最適だと思っています。


たまにスポンジの厚さや左右の高さを変えられないかとのお声を頂くことがあります。スポンジはこの2種類しかないので、変えようがないのですが、左右の高さを変えて欲しいというお客様には、こういった貼り方でスポンジを2枚貼りあわせ、片方のスリッパの高さを変えることがあります。


専用のスポンジではないので、見た目はよくありませんが、足が不自由であったり、いろいろな理由で歩きにくかった方に微妙に高さを変えることで、少しでも歩きやすくなり、このスリッパの最高の履き心地を楽しんでいただけるなら、こんなに嬉しいことはないのです。

検品作業

検品作業


竹を割ったり、剥いだり、また籠を編んだりしているところを見学されたお客様にはよく、「手にバラが刺さりませんか?」と聞かれます。少し竹という素材のことをご存知の方は、竹を割ったりすると竹の繊維質が飛び出し、バラのようになることを知っているので、それが刺さるのではないかと心配をして下さります。


さすがに刃物で手を切ることはほとんどないのですが、割った竹の角で手を切ることや、バラがささることはよくあることです。バラが刺さるからと言って手袋をはめて作業をすると、微妙な竹の厚みや個体によっての竹の特性などが分かりににくいため、一般的には手袋などははめずに割り剥ぎをしています。


そうして竹を割り剥ぎしたヒゴで籠を編んでいると、ヒゴ同士がこすれあったり、無理がかかって、竹の身の部分の繊維が剥がれてしまうことがあります。作った職人ができあがった籠のバリなどを、できるだけ作業場で取り除くのですが、お客様にお送りする前の検品作業でもそうした飛び出した竹のバリのようなものを丁寧に一つづつ切り取ったりしています。


これは籠の縁の籐巻きの際に出た籐のバリを切り取っています。刺さるとか、手を切るとかという危険があるものではないのですが、触った時の違和感や、見た目の綺麗さのための仕上げです。


自然素材であるために一つ一つの商品には多少の違いは出てきます。サイズはもちろん、割れが無いかや、ゆがみが無いかなどを見ると同時にこのような作業をして、少しでも綺麗な商品をお届けできるように心がけているのです。