えびら(竹編み平かご)

えびら(竹編み平かご)


梅干用の実を収穫する時期は6月後半から7月中頃にかけてと言われており、梅を漬ける時期が近付いてまいりました。梅を漬けると土用干しと呼ばれる梅を干す作業が必要となってきます。土用の頃と言われますが、梅雨明けのよい天気に干すことが多いようです。


漬けた梅を干す理由は太陽の熱で殺菌しながら余分な水分を蒸発させ、保存性が高くなると言われています。そのほかにも色を濃くするだとか、味をまろやかにするだとか、干し方によって、柔らかくさせたりもできるようです。
 
 
その梅を干すのに多くご愛用いただいているのが、えびらとよばれる竹を網代に編んだものに杉板で縁を付けた平たいざるです。金属のざるですと、梅の塩分で錆びてしまうということもあるそうですが、昔から日本人の暮らしのそばにあった竹だからこそ、今もずっと最適な物として求められているのではないかと思います。


土用干しに間に合うようにと、大きくて厚みのある孟宗竹を幅広に割り、薄く剥いだヒゴで編んだえびらの生地を職人が一生懸命作っています。まだ生しい編み生地をこうして天日干しをして乾燥させ、カビなどの生えることのないように管理しています。


虫の入りにくい時期に竹の伐採をしていますが、どうしても入ってしまうこともあります。その際には早い段階で熱湯をかけて虫を殺して頂ければまったく問題なく長くお使いいただけます。


竹は吸湿性に優れているため、保管場所が悪かったり、時期によっては気をつけていても湿気を吸いこんで、カビを生やしてしまうこともあります。しかしそれも早めに対処すれば問題ありません。カビや虫などで、ざるなどが使えなくならないように、ほんの少しだけ気をつけて欲しいと思うのです。