虎竹ヤタラ編み壁面作り

虎竹やたら編み


本店に置いてあって自由にお座り頂いている虎竹やたらソファベンチを、ご覧になられたお客様が感激されるのは本当に嬉しい。その日も腰かけられて、お連れの方と共に竹の事を色々とお話させてもらった後にお帰りになられた。実はそれから、その方から連絡をいただいた、あの長椅子と同じようなテイストで壁面を製作できないかとのお問い合わせだった。


ヤタラ編壁面製作


竹で室内装飾をする事は珍しくはない、建仁寺垣や木賊(とくさ)張りなど良く見られるし、網代編みされた天井は古い職人のご自宅で二度ほど拝見した事もある。しかし、やたら編みとなるとあまり多くはないのではないだろうか。


ヤタラ編壁面製作


「やたら」は地域によっては「ヤチャラ」とも言って、「やたらめったら」から来ている。規則性のある竹編みではなく、職人の感性で仕上げていく乱れ編みだ。虎竹電気自動車竹トラッカーの本体も立体的な曲線で製作せねばならなかったので、このやたら編みが最適だった。


虎竹ヤタラ編壁面製作


午前中に竹ヒゴ取りが終わった、午後からは更に編み進めていく予定。



2023年の書き初め百枚

 
虎竹筆


今年の書き初めは木版画家の故倉富敏之先生の「かごはこづくし百選」という作品に登場する竹冠のついた100の文字と決めていた。竹職人さんの工房に掛けられていたのを見た時の衝撃は今も忘れられない。竹は昔から人々の暮らしに深く関わっていたから、生活道具はもちろん衣食住すべてに竹冠の文字が多い。大漢和辞典には漢字が5万文字も収められているそうだが、そのうち竹冠の文字が1025字もあるという。


書き初め2023


そんな中から倉富先生が選ばれた文字は非常に難しく、一体何と読むのかさえ分からなかった複雑な文字もあるが、すべて籠や容器として人々の役に立ってきた道具たちを表した字である。


虎竹筆


数年前、竹虎のテーマソングを作っていただき社員一同に参加してもらって録音した事がある。その際、スタジオなど使わずに虎竹の立ち並ぶ工場に機材を運んでいただき歌ってもらった。虎竹の歌を虎竹たち自身にも見守ってもらいたいと思ったからなのだが、今回はも虎竹の中で文字を書きたいと思った。虎竹の中で虎竹筆を使い、竹の文字を書いたのだ。


虎竹筆で書き初め


朝から始まり昼までかかっても全く終わらない、気がつけば夜になっていた。


虎竹筆


天を目指してスクスクと真っ直ぐに育つ竹は、縁起が良いので命名筆に使われる事がある。このような時には動物の毛を避けるという意味もあるけれど、それより竹のもつ不思議な力を信じてだろう。虎竹の筆入れ、馬蹄型の竹編み筆立てなど、幸運な道具を使っていた当日は忘れていたが、ちょうど10年くらい前に同じ場所で筆文字を書いた事を後から懐かしく思い出した。




竹虎YouTube動画チャンネル登録者数4万人突破!

 
竹虎袖垣職人


皆様ありがとうございます!竹虎YouTube動画チャンネル登録者数がお陰様で、いよいよ4万人を突破しそうです。あまり多くの方がご存じない竹の世界の事ばかり、自分たちの言いたい事や、ご覧いただきたい事を掲載続けてきましたのに、こうして多くの方にチャンネル登録いただけて本当に感謝いたしております。登録者数にせよ、再生回数にせよ数を追いかけてきた訳ではありせんが2020年6月にアップしました日本唯一の虎竹を使った玉袖垣作り方が本日で263万回もの再生回数になっていますのを考えますと、自分達では見逃していた竹虎の価値のようなものをYouTube動画の皆様に教えていただけたように思っています。


また、動画に写る職人自身は虎竹の里のような700人しかいない田舎の地域の中にいて、自分たちの仕事がどんな人の為になっているのか?役立っているのか?具体的に知ることが難しい面があります。けれど、こうして地元の数千倍もの方に観てもらえている事が少しは自信に繋がっているように感じています。


虎竹の里


4万人か...海も山も川も美しい高知県ですが「四万」と言えば、最後の清流として有名な四万十川を思い浮かべてしまいます。全長196キロという四万十川の源流は実は虎竹の里からも遠くありません。この機会に、虎竹同様に高知の大自然が生んだ奇跡とも言える四国最長の川の恵みをご紹介できないものか?


四万十ドラマ畦地社長、竹虎四代目(山岸義浩)


そこで、四万十ならこの方しかおられません!四万十川を愛し、地域資源を使ったモノづくりで全国発信を続けている四万十ドラマ代表の畦地履正さん。天然資源を経済資源にする地元発着型の産業づくりの先頭を走り続けられていて、地元の栗山で育てた「地栗」や昔から干し芋として食されてきた人参芋を使ったスイーツは大人気となっています。今回は「四万」繋がりですが、それより畦地さんの覇気と考え方に触れたくてお伺いさせて頂きました。




タケトラカミキリ登場

 
タケトラカミキリ、竹虎四代目(山岸義浩)


お盆休みも終わり、いよいよ夏休みの宿題が気になってくる時期でもありますが、課題の昆虫採取だと虫を捕まえて呑気に遊んでいる訳ではありません。この虫は竹虎ではお馴染みのタケトラカミキリ、ご存じのように竹を食べてしまう害虫です。


暑中見舞いの絵葉書


暑中見舞いで届いたお葉書に上手に描かれているカブトムシや蝉など皆様にお馴染みの昆虫かと思います、ところが虎竹の里で虫と言えば近年では、このタケトラカミキリがどういう訳か自分の車の中にもいたりして驚きます。


渡辺竹清作衣装籠の虫


この虫は竹表皮に大きな穴を開けてしまいます、けれど自分の私物である渡辺竹清先生の網代編み衣装籠を食べて粉を落としていたのは、チビタケナガシンクイムシという小さな竹の虫。竹を厳選して数十年前に編まれた作品でさえも、このように食害にあうので最近編まれた竹細工や竹製品に虫が穴を開けるのは仕方ない事かも知れないと思います。


渡辺竹清作衣装籠


ここ数年、山の職人減少でしっかり管理された良質の竹材が少なくなりつつある事、そこに温暖化などの気候変動、そして8月11日の30年ブログでお話したように天狗巣病と、竹は難しい局面に来ています。これからも長く竹文化を繋げていくには竹林、作り手、使い手のそれぞれが現代の竹の問題を共有し、理解し合い三方良しの関係を築いていく必要があります。


煤竹クワガタ、カブトムシ


自分の小学校時代には竹の端材を工場横に山積みにしていて幼虫が沢山いたのでカブトやクワガタが自宅の庭木で捕れたものです。昆虫が身近なだけに、竹を使ってこのような竹細工の虫を作る方は多いのですが意外と人気が無い事を大人になって知りました。実は都会の方にとって、このような虫がコワイそうなのです。リアルな昆虫ほど「ギョッ」とした顔をして除けていくお母さん方に沢山出会いました。


もちろん、この煤竹のクワガタ虫のような大きな虫が飛び出してくる訳ではありません。しかし防虫剤も使っていない竹細工をお届けしている限りは虫が食べてしまう可能性がある事、それが自然な事で先人たちはずっとそんな竹と付き合ってきた事を知っていただきたいと思います。




アフターコロナへの竹製品

 
虎竹照明


ご存知のように昨年からのコロナ禍で人の動きが鈍って経済活動が激変し、飲食のお店や旅行、イベント関係など多くが大打撃を受けました。自分の知る竹製造業関連でも観光、ホテル、レストランさん等が主なお客様であった場合には、注文がストップしたため今までにない製品開発が急務となるケースがありました。


虎竹照明製作


実は怪我の功名のような形で、たまたま新商材が生まれたケースもありますが、それは本当にラッキーな一握りの事であり、やはり一日も早く日常の社会活動ができる世界になる事を祈るしかありません。


虎竹ライト


そんな中、真っ暗な暗闇に一筋の光明が差すようなお問い合わせがボツボツと入ってくるようになりました。緊急事態宣言に苦しんでいた飲食店様からの別誂えの竹製品や、宿泊のお客様が全くいなくなっていた宿泊施設の竹照明や備品、リアルのイベントで使う記念品などです。


虎竹スクエアバスケット


虎竹の里のような田舎にいるのでメディアの言ういわゆる「人流」やコロナウィルスの事はニュースで知るより他ありませんが、オリンピックも開催されるし、どうやら少しづつアフターコロナに向けて進みだしているような気がして嬉しく思っています。


豪快!今期最後の虎竹油抜き

 
虎竹油抜き


虎竹の油抜きは、高知らしく豪快です。ゴーゴーと音を立てて噴き出すガスバーナーの炎は700度もの高温になりますが、この窯に虎竹を一本づつ入れて熱していき、噴き出してくる竹の油分で表皮を拭きあげていくのです。


虎竹油抜き


虎竹油抜き


残っていた細身の虎竹が今期最後の油抜きを締めくくります。


虎竹油抜き


竹は熱を加えると柔らかくなりますので油抜きをした時の熱を利用して曲りを矯正していきます。矯め直した部分をそのままに固定したい場合には水で冷やせば元に戻る事もありません。


虎竹油抜き


初めての方は是非とも作業の様子をご覧になってください。




初めての虎竹アーマー

 
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本日は早朝より職人にも集まってもらって午前8:15からのNHK「あさイチ」おでかけLIVE「高知須崎産トラ柄の竹を世界へ」での生放送に備えていた。竹虎初代宇三郎が虎竹と出会って100年、細々とではあるが何とかこうして繋がっている虎竹文化に光を当てていただけるのは心から嬉しい事だ。


日本の文化が少しづつ見直されている昨今だが、その土台を支える見えない部分では随分と空洞化が進んでいる。竹の世界でも竹林管理や伐採する山の職人が減ってしまい、遂には良質の素材確保ができずに廃業してしまうメーカーさえ出るようになってきた。


昔のような品質のを保てない竹製品も少なくない、竹林からの悲鳴にも似た声を日常的に聞いているだけに今後はお使いいただくユーザーの皆様のご理解も必要になってくるだろう。竹林と作り手と使い手が、それぞれ歩み寄らねばならない時代だ。


自分達は大きな岐路に立っている、そして変化を求められている。そんな時に、今まで自分の製作したものに価値を見出せずいた職人が、初めて虎竹アーマーを着た姿は小さな希望に見えている。




竹虎にツバメがやって来た!

竹虎四代目(山岸義浩)


心から嬉しい事がありました!それは、長い間来てくれなかったツバメが待望の巣作りをしてくれているのです!毎年決まって来られるという方からすれば普通の事かも知れませんが、自分の記憶を辿ると彼是10年近く来てくれていないように思います。そもそも竹虎本店のひさし部分は、深さも高さも十分にありツバメたちにとっては絶好の巣作りの場所のはず、それなのに何故巣作りしてくれないのか?以前は毎年ヒナが巣立っていたのに...そう思い続けてきたので本当に感激です。


田植え


ツバメは夫婦でピーチクパーチク(?)結構コミュニケーションをとる鳥です。巣作りを初めても色々と相談しているのでしょう、騒がしく飛び回りますので「もしや?」と思って見てみると営巣していました!初めて見つけた時には飛び上がってガッツポーズして喜んだのです(笑)


竹ざる


野鳥は安全で快適な場所を本能的に察知する力を持っています。たとえば、竹ざるを編む心優しい職人の工房には毎年ツバメがやって来て子育てしています。ところが何とその巣は手を伸ばせは届くような低い場所に作られているのです、すぐ近くで仕事している職人が自分達を可愛がって見守ってくれている事を分かっています。いつも座って仕事をしているから頼りがいのあるボディガードのように思っているのかも知れません。


竹職人の仕事場


違う職人の仕事場では愛犬が気持ち良さそうに昼寝していました。ご主人が竹を割りだすと籠が編み上がるまで、ずっと横に居るから気持ちよさそうに安心して横になっています。


ツバメも同じように自分達が安心して子育て出来る所だと感じて初めて営巣して卵を産みます。以前はそうだった竹虎が、長いブランクを経てようやくそんな場所になったのでしょうか?とにかく、ずっと巣を作ってくれず毎年今頃になると密かに心待ちしていました。無事にヒナが誕生し巣立つまで大事に見守ります。




その日、虎竹の里と山内一豊な竹虎四代目

竹の車REIWA-125号、竹虎四代目(山岸義浩)、山内一豊


今日もこうして日本唯一の虎竹製車両REIWA-125号に乗って社内の見回りに出ています。虎竹は土佐藩政時代には高知城の山内家へ献上されていたと言う歴史を持つ特産の竹です。


山内一豊


だからイメージは銅像にある山内一豊。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康に仕え土佐24万石の大大名になった戦国武将です。


「お~い、みんな頑張ってやっている~!」


工場では何の反応もありません。


竹の車REIWA-125号、竹虎四代目(山岸義浩)、山内一豊


「ややっ、あれはっ!?」


竹が積み上げられた隅で職人がサボっているのを発見しました!


竹の車REIWA-125号、竹虎四代目(山岸義浩)、山内一豊


「こりゃあ~!何をしゆぅぅぅ、真面目に働らかんか!」


「おおいっ、逃げるなっ!」


竹の車REIWA-125号、竹虎四代目(山岸義浩)、山内一豊


「逃がさんっ!」


竹の車REIWA-125号、竹虎四代目(山岸義浩)、山内一豊


「まだ三時のおやつの時間でないっ!成敗してくれる」


竹の車REIWA-125号、竹虎四代目(山岸義浩)、山内一豊


「社長、ゴメンなさい」


「分かればエイがじゃき」


竹の車REIWA-125号、竹虎四代目(山岸義浩)、山内一豊


メデタシ、メデタシ。


と言う感じで虎竹の里の一日は過ぎていきます。全国の会社経営の社長様、皆様の会社ではいかがでしょうか?


来月8/6日にスペイン・ビトリアで開催されるボックスカートレースにはこの迫力そのままで走り抜けますので好成績が期待できそうですよ。(本当か?)


別誂えの黒竹玄関すのこ

竹ざる


竹虎には前々から別誂えや修理などのお問合せも結構多いのです。それは、このような普通の竹ざるの大きさを違えてもらえないかという簡単なものもありますし少し変わったものもあって現品をお送りいただく事もあります。


虎竹ボール


趣味で手作りされている方も最近では多いようでご自分の作品のベースにされるために一つだけご注文されてる方もおられます。


竹ぐい吞み


ちょうど今がシーズンの竹ビアグラスや竹タンブラーに名入れしてプレゼントにされる事も増えました。小さなカトラリーなどにもレーザー刻印ならロゴマークから名前やメッセージまで自由自在です。


竹フォーク


カトラリーと言えば先日も少し変わったスプーンのご用命でお送りさせてもらいました。カウンターでバーテンダーさんが使うバースプーンというものがあるそうですが、それを竹で再現したいとの事でした。金属と竹材では出来る形が違いますのでイメージ通りにはなかなかいきません。


せっかく試作したものが出来るだけ無駄にならないようにウェブサイトでご紹介させてもらったりしますが、そんな中から少しづつ皆様にお手に取っていただけるものもあるのです。


別注黒竹玄関すのこ


「料亭になる玄関」として特に今の時期には人気の黒竹を使った玄関すのこは、それぞれの玄関のサイズが違うようにお好みの高さや大きさにも違いがあってサイズに合わせて製作する事が多いです。何枚か繋げて広いスペースを敷き詰めるような感じになる事があって、それは壮観です。しかし、反対に幅の狭いすのこも、そこにあるだけで雰囲気はガラリと変わるので楽しいものです。