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竹炭を焼く窯は、実に多種多様で土窯の他にも乾留炉、流動炉、キルン窯、耐火レンガ窯、移動式炭化炉などの種類があります。そして、土窯と言っても焼き方などにより白炭窯、黒炭窯があったり、鉄窯にしても工業用の炭化炉からステンレス製のもの、ドラム缶などを利用した簡易窯まであって、それぞれ一長一短あり、竹炭の性質が全く違います。どの様な使い方をされるかによって、それぞれを上手に使い分ける事が大切なのです。 | |
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全国から集められた竹炭の中から選ばれたのが土窯で焼かれた竹炭でした。鉄を使った窯で焼くと俗にタンニンと呼ばれる芳香化合物が鉄と反応して黒いインク状の液体が発生します。ウィスキーの原酒を樽に入れて貯蔵する際にも、その樽にはクギを使わないのもそのためだそう。醸造用の水の濾過に竹炭を使う、この某有名ウィスキーメーカーでは滑らかさや香りに竹炭独特の風味も期待しているという事です。 |
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一番、簡単な方法としては竹炭を叩いてみる事。キンキンと金属音がする硬質な竹炭は、高温で焼かれた上質な物と考えられます。数値的に炭の性質を把握する方法もあり、それが精錬度を測る方法です。 一般的に炭化工程の終末期に煙突、窯口を大きく開けて通風量増やし未分解成分などを分解燃焼させます。燃焼温度は1000度C以上になる事もありますが、この高温熱処理の事を精錬(ねらし)と言います。精錬をかけることで炭素含有量や硬さが増して炭の特性のバラツキが少なくなる等、炭の品質が向上します。高温熱処理をするほど不純物は少なくなり、かつ、炭素化が進みますので電気抵抗が低くなります。炭化温度と電気抵抗との間には反比例関係が成り立つ事が確認されています。従って電気抵抗を測る事により炭化温度、炭化の進み具合を知ることが出来る訳です。 炭の電気抵抗を測り、その指数を精錬度と称しています。電気抵抗が低ければ精錬度も小さな数値となりますが、炭化材が同じであっても精錬度によって炭の吸着特性、電磁波遮断特性、ミネラル溶出などが変わってきます。使用目的にあった炭を選ぶには精錬度が一つの大きな指標となります。 |
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最初、窯の内部は水蒸気で一杯になりこれを窯周囲の粘土が吸い込みます。温度が上がるに連れて吸い込んだ水分を放出し、窯内部の水分調節をしてくれます。急激に炭化させるとガザガサの炭や、軽く、柔らかな炭になりますが、窯の中の水蒸気が急激な炭化を抑えてくれます。反射熱、金属イオンの面からも、やはり土窯が群を抜いているようです。そして、そんな土窯で焼かれた竹炭の品質証明とも言える精錬度を測定すると当然ですが、最高の数値!土窯と精錬度、この2つが炊飯や飲料水などに自信を持ってお薦めできるキーワードです。ワンランク上の竹炭、安心、安全な竹炭です。 |
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一言で竹炭といってもその品質は、原料の竹の性質(竹の品種と産地)、熱加工の過程(炭化方法と窯型式)、熱加工した最高温度(炭化の温度範囲)により、かなりの違いがあります。中でも窯の型式は竹炭の質を決定づける最重要な要因の一つですが、その窯は、土窯の他にも乾留炉、流動炉、キルン窯、耐火レンガ窯、移動式炭化炉などの種類があります。そして、土窯と言っても焼き方などにより白炭窯、黒炭窯があったり、鉄窯にしても工業用の炭化炉からステンレス製のもの、ドラム缶などを利用した簡易窯まで実に多種多様です。 しかし、色々な炭窯を見て回り、沢山の炭焼き職人の方とお話をさせて頂く中で最高品質の竹炭は、やはり土窯でしか焼かれないという結論に達しました。経験の浅い人でも、比較的安定した品質の炭を焼くことができる鉄製窯などに比べ、高度の熟練技術と経験を要求れさる土窯づくりの竹炭。温度センサーなど現代の科学も取り入れながらの窯との対話ですが、最後は職人の技。窯を訪れるたび古人から受け継がれた知恵の深さ、随所に見られる職人技にただ驚くばかりです。 |
孟宗竹の歴史は以外に浅く、江戸時代中頃だったと思いますが中国から伝わりました。初めて移植されたのが鹿児島とも京都とも言われますが、その太さ、長さから様々な有効利用(特に食用)に大変珍重され、又孟宗竹のたくましい生命力から瞬く間に日本全国に広まり、あたかも在来種であるがごときになっています。 |
竹は、”タケノコから10日で竹になる”と言われますが、何と!親竹と同じ大きさになるのに、わずか3ヶ月しかかかりません。その凄まじい成長スピードと、毎年生えてくるサイクルの早さは他の木材などと比べ類を見ない唯一の持続的天然資源です。環境問題が言われて久しい今日、この孟宗竹を原料とする竹炭は、エコロジカルな観点からも注目も集めています。 竹材料は、炭化度のバラツキを無くすため、割りそろえて約3ヶ月の間自然乾燥させ竹材含水率を調整させます。 |
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いよいよ窯入れ作業です。窯の奥から1束づつ丁寧に詰めていきます。 窯だてとも言うと聞いてなるほどと納得しました。 何気ない、こういった工程一つ取ってみても経験に裏付けされた、 上質の炭を焼き上げる為の竹炭職人の技が隠されています。 |
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竹は表皮と内皮の比重の違いや、上下方向での含水率の違いがあり、これを均一にしておかないと炭にするプロセスで、ねじれや割れが発生します。燻煙熱処理は竹炭を焼く前に原料となる竹材をできるだけ均質なものにする為の非常に大事な工程です。200℃近い温度にした窯内で、理想的な炭材と言われる15%前後の含水率にするのは、まさに職人技。この作業は竹材の状態により3~5日に及びます。 燻煙熱処理後の火入れは、最後の精錬(ねらし)と並んで一番大事な工程です。炭材により、窯の状態により、季節、天候により、微妙な調整が要求され、24時間体制で窯に泊まりこんでの作業となります。 |
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窯入れから2週間という時間をかけて焼かれる竹炭ですが、その間窯の温度管理を竹炭職人とともに見守るのがハイブリット記録計、職人の心強い味方です。 | |
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しかし、最重要な精錬(ねらし)のタイミングはやはり長年のカンが頼り。精錬はいかにガスを上手くぬいて大量の空気を窯内に入れるかにかかっているそうです。1000℃近い温度に上がった窯で約4時間、竹炭の品質がここで決まる職人技の見せ所です。焼き上がった竹炭を上の窯入れの写真と見比べて下さい、炭にすると重さにして約10分1の量に減っています。 |