浜で働く竹ざる達

竹ざる


竹細工といえば山間部で作られている印象があるかも知れませんが、実は海で働く竹籠や竹ざるも多かったので漁港近くに暮らす竹職人も多かったのです。高知では今でも港に行くとこうとして普通に竹が多用されていてホッとさせられます。


漁港


梅雨の晴れ間、潮の香りに誘われて波の静かな船着き場を歩きます。


干しざる


海鮮加工場では美味しそうなイカが竹ざるの上で干されていました。これからの土用干しに皆様にお使いいただいている国産竹ざると同じような形です。


重なった竹ざる


その奥には、もうもうと湯気の立ち込める大きな釜があって傍らには竹ざるが積み上げられています。この季節だと沖で獲れたウルメイワシを茹でる時にこの竹ざるを使うのです。


干し場


ウルメイワシは高知の海でも沢山獲れますので釜茹でしたシラスを最近では丼にしたり、ソフトクリームにふりかけたものまであります。ソフトクリームにシラス!?と驚きますが塩気が効いて実は悪くありません(笑)。


ちりめんじゃこ


一番良い時期はカタクチイワシの獲れる秋だと言いながらシラスを更に乾燥させて、ちりめんじゃこにしていきます。


プラスチック製ざる


今の時代です、釜揚げしたシラスを入れたり干したりする時には竹ざるを模したようなプラスチック製のものも沢山あるようです。しかし、浜辺でお仕事される方々は決まって竹がいいと口を揃えて話します。


竹ざる


どうやら竹ざるだとシラスを入れたまま持ち運びする際に重ねても適度な空間ができるのが良いようです。


竹ざる


何十枚と使う竹ざるに、それぞれの屋号など書入れるのは農村でも漁村でも同じです。今年も新調したり、壊れたものを補修したりしながら竹と共に続いてきた仕事があります。


竹炭マスクを作りました。

竹炭マスク、竹虎四代目(山岸義浩)


今回のコロナウィルスでは感染予防のためのマスクが不足して大変だったと思います。値段が上がるだけならまだしも近くのコンビニには当然何も無くなっているし、元々ドラックストアなど少ないですしインターネットでもいつ手元に届くか分からず一時は困り果てたものです。


竹虎四代目(山岸義浩)


竹しかない虎竹の里で苦肉の策として考えたのが虎竹マスク!通気性抜群ですから飛沫感染には全く役には立ちませんけれど、今回のコロナでは自分の鼻や口を不用意に触ってしまう接触感染が主だとも聞いてましたので、その意識付けにはにはなるなと思っていたのです。まあ、実際は途中で頬が痛くなるほど付け心地が良くなくて実用には至りませんでした(笑)。


竹炭マスク


今回の竹炭マスクでもウィルスは通過する可能性がありますのでコロナウィルスなど感染症にかかるリスクを完全に回避することはできません。しかし他者への飛沫感染予防と、半分冗談の虎竹マスク同様に鼻や口に触れる接触感染を防ぐには役立ちます。


中には消臭効果の高い竹炭樹脂綿が入っていて大型サイズですし、厚みがあり温かいので最近ヒンヤリと涼しく感じるマスクがあるようですが、それらとは真逆のマスクです。これからの夏場には不向きですけれど、秋冬の寒くなってくる季節に出番だと考えています。






続・名人作無双籠×漆

無双籠


昨日の30年ブログでお話しさせて頂きました無双籠の色艶をご覧いただきましたでしょうか?そもそも無双籠は冬場のお茶の間でコタツが一般的だった時代には、まるでセットでもあるかのようにミカン等を入れる籠として何処のご家庭にも置かれてた普通の籠のひとつでした。


漆仕上げ無双籠


ある年代以上の皆様はハッと思い出された方も、きっとおられると思いますが、その普段使いしていた籠が漆を塗布する事によって生まれ変わったのです。この深みのあるテリ感!いつもの無双籠と比べてみれば一目瞭然、これだけ色合いが違います。長く日本で使われ続けてきた漆を改めて見直してしまいます。





YouTube動画をご覧いただきました皆様はご存知のように何故このような加工をすることになったかと言いますと実は海外に暮らされているお客様からのオーダーだってのです。お住いの国は非常に湿度が高く日本の竹籠を何度か持って行ったそうですが、どれもダメになってしまうので何とか方法がないだろうか?というご相談でした。そこで耐久、耐水、断熱、防腐性に優れていて現在でもこれに勝る合成塗料は無いと言われる漆を塗布することにしたのです。


オールド無双籠


以前も一度ご紹介いたしましたこの無双籠はまた雰囲気が違うかと思います。これは時間の経過で白竹が飴色となり見ようによりましては、まるで漆でも塗布しているかのように変色しています。しかしこれは自然に長い時間をかけないと生まれない風合い、また格別の貫禄を醸し出しています。


名人作無双籠×漆

無双籠


無双籠に漆を塗ると風格というか気品さえ感じさせてくれる全く違った籠になりました。白竹と染竹をあわせた籠だったのが良かったのかも知れません、ずっとこうして見ていたい気持ちになるほど本当に美しい籠に生まれ変わりました。


漆塗布無双籠


海外に暮らされているお客様からのご要望があって耐久性を考えての漆加工であり予想はしていたものの竹籠の良さに漆が思っていた以上に馴染んでいます。


無双かご


日本の漆の歴史は何と縄文時代から延々と続いていると言います、塗料として接着剤としても強く耐久性のある漆が人々の暮らしにどれほど役立ってきたのかも物語っています。


無双籠


名人作無双籠と漆の競演、これで末永くご愛用いただけるのではないかと思います。


漆塗無双籠


無双籠


遠く離れた海外に行ってしまう無双籠の見納めです(笑)。





新・山芋籠が出来ました

山芋籠、竹虎四代目(山岸義浩)


やはり背負い籠はテンションが上がります。それも今までにないニューフェイス、しかも手直しして新しく完成したものなので格別です。


山芋籠、背負い籠


背負い籠といっても、細身で縦に長い山芋籠。使い道が決まっているのでそうそう出番があるわけではありません、今は季節外れでもありますが嬉しくて背負ってきてしまったのです。


背負い籠、竹虎四代目(山岸義浩)


前に編まれた籠とは形もサイズも同じです。ただ前回は口部分はじめとして銅線で巻いて仕上げられていたのを竹細工に多用する籐で巻くようにしたのです。強度を考えて本体部分には一本多く力竹を回してます、これで見栄えも使い勝手も数段アップしています。





ちょっと違う国産の籐まくら

籐まくら、竹虎四代目(山岸義浩)


梅雨真っ盛りでうっとおしい天気が続いています、夜も寝苦しい日が多くなりました。エアコンがあまり好きでない自分でもさすがにタイマーをかけて眠るのですけれど、タイマーが切れたら途端に暑くなって二度、三度と目が覚めることもあります。


籐まくら


平日だとそうもいきませんが寝不足気味で迎える休日昼下がりだと、こんな籐枕があれば最高です。籐は元々日本にはない天然素材ですから100%輸入です、しかし、この籐まくらは量販店などで見かける安価な枕ではありません。海外で編まれて製品となった籐まくらではなく、素材自体は輸入されるものの籐を綺麗に加工して編み上げるのは日本の熟練職人だから形や手触りは全く違うのです。


白竹足付ひとり膳


さて、ここにも籐まくらが...いえいえ違います。こちらは白竹で編まれた一点物の足付ひとり膳、お父さんの至福の晩酌のために一つだけ作られたものなのです。


竹炭のある暮らし

竹炭のある暮らし


はプラスチック製品が一般に普及するまでは衣・食・住すべてに関わり人と共にあり続けてきた自然素材です。一時はすっかり忘れ去られてしまった感のある竹が、まだまだこれからではありますけれど少しづつ見直され生活の中に帰って来ていることを感じています。


竹炭飲料水用


そんな竹の中に竹炭があるのです。炭と聞ききますと燃料としか価値がなかったものが現代では竹炭の効能が知られるようになるにつれ飲料用として、または炊飯用として活躍の場を広げてきました。


最高級竹炭で炊いたごはん


美味しいお水になる、ご飯がふっくら炊き上がる...真っ黒な竹炭の意外性があったのかも知れませんがメディアにも多々取り上げていただいたお陰でこの随分と定着してきましたけれど、お使いになられる皆様が効果を実感しないと今まで続いてはこられなかったと思います。


最高級竹炭


ご愛用いただく方々にこれからも長く喜んでいただけるように、昔ながらの土窯にこだわり、竹材にこだわり、手間と時間を惜しまない事にこだわります。もし初めてご覧いただく皆様がおられましたら、「竹炭のある暮らし」というYouTube動画を作りましたので何卒よろしくお願いいたします。





虎竹四ツ目小物籠が新登場

虎竹四ツ目小物籠


仕事用の大きなデスクにパソコンのモニターとキーボードだけしか見えずスッキリとした中で仕事をされている方がいる。あれだけ何も置かれていないと今やっている事に集中できて効率が良いのかも知れない、そう思いながらもとても真似ができないので憧れるだけである。自分の机の上には様々な小物が置かれていてペンを入れたり、あれやこれや入れる竹籠や竹筒がざっと見たところ10個あまりある。


虎竹四ツ目小物籠


使っているうちに渋い色合いに変わった籠には愛着を覚えるのだが、このような小物類をまとめる籠があったらいいなと前から考えていた。自分のデスクでは米研ぎざるを直径12センチ程度まで小さくした横編み籠や渡辺竹清先生にいただいた煤竹小皿など丸型のものも置いてあるけれど、やはり四角い形が使いやすいと思う。


虎竹四ツ目小物籠


そこで、新しく作ってみたのが虎竹四ツ目小物籠。裏返しにした方が虎模様が見えて格好がいい...次回は反対に作っても面白いかも知れない。



伝統の虎竹玉袖垣を製造する

虎竹玉袖垣、職人


竹製の玉袖垣を今回ご紹介してみたいと思ったのには幾つか理由があります。ひとつは、ほんの一昔前まではこのような袖垣が普通に玄関脇などに設えられていたのに今では本当に大きな邸宅であるとか、和風の庭園や特別な場所にしか設置しない竹製品となってしまった事です。


ご存知ない世代の方には信じられないかも知れません。日本は狭いようで広い国ですから、もちろん地域差はあって雪の多い地域では袖垣などあまり使われなかったりしますが、ごく一般的なご自宅の庭に設置されてきたものなのです。


虎竹枝折戸


毎月数回は定期的に10トントラックに袖垣を満載して出荷していた程ですし、イベント等に出かけて行っても4トン車くらいの製品は空になるほど人気と言うより当たり前に使われていた製品ですから少なくなったとは言え現在も需要はボツボツとあります。海外からの輸入品をホームセンターで見かけることもありますから、この虎竹枝折戸等と同様にやはりそれなりに流通している庭園用品ではあります。


竹虎職人


袖垣を初めてご覧になられた方の多くが口にされるのは、一本の柱をそのまま使っていると思っていたのに細くわった虎竹を孟宗竹の芯に巻き付けている手のかかった細工への驚きです。そこで、少し長めのYouTube動画となりましたものの竹枠組みから仕上がるまでをご紹介することにしました。どうかご覧ください。




虎竹福音鈴が編み上がるまで

虎竹福音鈴


虎竹御守り福音鈴をウェブサイトで紹介させていただいております。昔から鈴の音は邪気を払う御守りとしてありましたけれど、虎竹と組み合わせることによって「千里往って千里還る」と諺にある覇気の象徴の虎と、松竹梅にあげられる縁起のよい竹の生命力とで稀にみるラッキーアイテムではないだろうかと思っています。


虎竹、竹虎四代目(山岸義浩)


ちょっと変わった色合いの竹の鈴で「日本唯一の虎竹」を初めて知る方もおられるかと思っています。編みこむ竹材は少ないとは言え、近年は虎模様が少なくなってきて鈴のように細かい竹ヒゴにすると模様が全く入っていない竹もあったりして若干苦労もあります。福音鈴の音を一番頼みにしているのは、もしかしたら自分なのかも知れません(笑)。