米研ぎざるとして最高の素材、白いマタタビの木肌

 
マタタビ米研ぎざる


マタタビは米研ぎざるとしては最高の自然素材と言ってもいいかも知れない。もちろん自分の場合は竹が一番だが、機能的な部分を言うと軽くて強くて手触りも優しいマタタビは凄いと思う。そもそも目が細かい細工だが、米研ぎに使うと素材が水分を吸ってお米が編み込みに目詰まりする事も、外に落ちこぼれてしまう事もない。米粒の中には割れて小さくなってしまうものもあるので、これは使い勝手がよろしい。


またたび原木


更に面白いのがマタタビの原木である。こんなに黒く地味な色合いをした樹木なのだが、薄皮を履いてみると真っ白い木肌が表れるのだ。


またたびヒゴ


9月から11月の旬の良い時期に伐採されたマタタビ、生えている時には想像もできないような白いヒゴだ。


またたび細工


そのヒゴを使って編まれた米研ぎざるは純白で可憐な姿をしている。手に取ると意外なほど軽いモノのもあるけれど、使ってみると断然強い。


またたびざる経年変色


ほんの少しだけ飴色に近づいているのがお分かりだろうか?マタタビも竹と同じように経年変色していく。この色合いは徐々に深まっていけれど、茶褐色になってもマタタビは全く傷まない。




この大きなスズ竹ざるは奇跡です。

 
スズ竹丸ざる(特大)


梅干し用や干し野菜にお使い頂く大型の竹ざる類は、概ね直径は60センチまでだ。かっては1メートルを超えるものもあり、今でも65センチという匠が編みこむ芸術的な横編み竹ざるがあるが、一般のご家庭ではマックスのサイズだと思う。素材は日本三大有用竹と言われる真竹、淡竹(はちく)、孟宗竹、これ以外の竹でこの大きさのザルなど皆無...いや、皆無に近い。それで竹を扱っている人の中にも知らない方が意外と多いのが何とスズ竹で編まれた丸ざるだ。




スズ竹を使った、60センチもある大きな丸ざるの存在が奇跡のように感じるのは、このYouTube動画(スズ竹開花の様子だけ取り出したショートバージョン)をご覧いただくとご理解いただける。120年に一度のスズ竹の開花が起こり、今まで伐採していた竹林が全て枯れてしまっているのだ。


スズ竹そばざる


そもそも一般的にスズ竹のざると言えば、このようなサイズの蕎麦ざるが中心である。材料不足で困っている中、小物なら何とか編むことできても、さすがに60センチの大型竹細工はとても製作できない。もしかしたら、今回の開花騒動で行李のように消えてしまう技かも知れないと危惧している。




今年は出ない特大竹ざる

 
特大竹ざる


この大迫力の竹ざるは直径が70センチもある深竹丸ざるです。さすがに一般のご家庭でお使いいただく事は稀ですが、仕事用として根強いご要望がありますので、その都度やはり他の代替え素材では対応できない竹ならではの特性の素晴らしさを感じています。


竹ざる製作


しかし、大きくてしかも丈夫で機能的な竹細工は非常に高度な技と共に腕力も必要とされるので高齢化の進む竹職人の世界では真っ先に出来なくなってしまう物のひとつです。しかも今年は良質の太い真竹がなくて50センチサイズの竹ざるが編めただけで70センチのように特別な大きさは来年以降になりそうです。


自ら竹林に入り太い竹を伐り倒して65センチサイズの横編み竹ざるを製作する職人の動画をご覧いただきますと、その苦労の一端をご理解いただけるのではないかと思います。



虎竹ステンレスザル二個組

虎竹ステンレスザル


竹の耐久性というのは台所に立つ事の多いお母さん方が一番ご存じかと思います。水切りざるなど30年、40年と一体いつから使っているのか忘れてしまうほど昔から愛用されているのも少なくありません。そんな丈夫なザル類の中に少し異質な虎竹ステンレスザルという製品があります。


虎竹ステンレスザル二個組
 

今までは三個組でしたが一番小さなサイズは作ることができなくなりました。ステンレスの金ザルに虎竹の縁部分を取り付けているだけではありません、実は何を隠そうステンレスのザル部分から職人が金網を用意して一から全て手作りしていました。こちらのYouTube動画をご覧いただきますと、その手仕事をじっくりご覧いただけます。




虎竹ステンレスザル


片口ざると言って、洗ったお米を炊飯器に移しやすいように竹ざるの片方が口になっている馬蹄型の竹ざるを原型に数十年前から製造してきている虎竹ステンレスザルですが、これからは一番使いやすい大きさの大小二個組でご用意いたします。あ、そうそう特大サイズは今までどおりござまいす(笑)。


平編みの竹籠、四ツ目編みエビラと干し柿

 
四ツ目エビラ


少しづつ四ツ目編みエビラの製造を進めています。田舎の方には馴染みの干し籠のひとつですが、都会で育った皆様や地方にお住まいでも若い方々にはおそらく初めてご覧になられる人も多いかと思います。定番で作り続けているものは、網代編み(あじろあみ)と言って竹ヒゴをビッシリと隙間なく編み込んだ物を使うのです、ところが地元高知の民族資料館には四ツ目編みされたエビラが遺されていました。美味しい梅干しの土用干しや、干し野菜などに多用される事の多くなった平編み籠は、乾燥させる事が一番の目的、隙間の空いた四ツ目編は理にかなっています。


干し柿


少し前になりますが、職人さんのご自宅で驚くほどの干し柿を拝見しました。お一人で竹仕事の合間にコツコツと皮を剥いて吊るたそうです。これは食べきれないのでご家族や遠くのお孫さんに喜んでもらえるのではないかと思ったのですが、ふと足元を見て更にビックリしました。


干し柿の皮チップス


これは、お分かりでしょうか?そうです、柿の皮なんです。皮むきした後の柿の皮は自然な甘さがありますので昔からお漬物の甘味として活用されたり、乾燥させた皮を粉末にして熱湯を入れてお茶にしたり、近年では柿の皮フレークを作ってヨーグルトに入れて食される方もいるようです。


四ツ目えびら


しかしポイントは何と言いましても乾燥です。カラリと干す事によって長く保管もできますし美味しくもなるという古人の知恵、実は四ツ目エビラ一枚あれば豊かで経済的な食生活に大きく役立てることができるのです。




超強力な頑固職人が堅牢に編み上げた深い大きな竹ざる

 
竹ざる50センチ


真竹の竹林に何度か足を運んでいるものの太くて自分の気に入る竹が無くてずっと編む事ができなかったという深竹丸ざるがようやく出来上がってきました。丁寧に竹ヒゴも取られていて、驚く程堅牢な作りの竹ざるです。


米研ぎざる


このように竹ヒゴが横向きに並ぶ編み方を横編みと言いますが小さい竹ざるは小さいなりに難しく綺麗なザルを編める職人は多くありません。


70センチ頑固職人の竹ざる


反対に大きなサイズの竹ざるはと言いますと、技術もさる事ながら厚みのある竹ヒゴを扱うので腕力が必要になります。熟練の竹細工職人で高齢化が進み、以前のような見た目に綺麗で丈夫、そして使いやすい「用の美」にたとえられる竹細工が少なくなりつつありますけれど、このような迫力を感じるような大きな物から姿を消してきました。この70センチの竹ざるなど圧巻です(笑)。




使えないほど美しい真竹四ツ目ざる

 
虎竹四ツ目ざる、真竹四ツ目ざる、竹虎四代目(山岸義浩)


虎竹と真竹を使って同じ四ツ目編み竹ざるを編んでもらいました。竹材の違いで出来あがった竹ざるの風合いはこれだけ異なりますが、この道数十年の熟練職人が手掛けただけあって完璧な仕上がりです。


真竹四ツ目ざる


竹ざる縁巻


虎竹は表皮の虎模様をそのまま活かしているのに対して、真竹の方は「磨き」と言って竹表皮部分を薄く剥いだ竹ヒゴを使っています。「磨き」というのは刃物を竹表皮に当てて、まさに磨くように青竹表皮を削っていく様子をご覧いただくとお分かりいただけます。こちらの動画の最初に本当に少しだけですが、この工程が出てきますので関心のある方はご覧ください。




虎竹と真竹


真竹四ツ目ざる


このような青物細工は、長い経験がものを言います。これだけの品質のざるを何枚も編み続けられるような職人は多くありません。しかし困ったことに、あまりに美しく編まれているので竹虎で普通に販売されている当縁の四ツ目干しざるのように気軽に野菜干しには使えそうにありません。




竹炭うどんと竹製箱型すだれ蕎麦皿

 
竹炭ざるうどん


竹炭うどんの美味しさが忘れられずに、今度はまたまたクール便で麺を送っていただいて自宅で楽しませてもらいました。饂飩は喉で食べると言いますけれど、細麺でありながらもモチモチそしてツルツルした食感がどうにも思い出されてしまうのです。


竹炭手打ちうどん


竹炭饂飩麺


うどん粉の香る工房の中で手打ち麺を間近で拝見させて頂いたせいもあるのでしょうか?いやいや本当にこうして画像を見ているだけでヨダレが出てきそうです(笑)。


竹製箱型すだれ蕎麦皿


とびきりの饂飩を食するには、最高のザルを用意せねばなりません。そこで登場するのが昨年作ったばかりの竹製箱型すだれ蕎麦皿です。文字通り竹集成材を箱型にしていますので簾にのせた麺から落ちる水気でテーブルを水に濡らすことがありません。


竹製箱型すだれ蕎麦皿


竹炭うどん


蕎麦やうどんの専門店でしたらお盆の上にのせて運ばれて来て使いますので気にする必要もありませんけれど、一般のご家庭ではこの箱型が活躍して大好評なのです。しかし、竹炭の入ったブラック麺、何度も見てますが迫力あります。




馴染みの青竹ざる

 
青竹ざる


いつもの青竹ざるは、お手頃な価格なので輸入品かと思われる事もありますが正真正銘の国産竹を使った日本製の竹ざるです。竹ヒゴを機械で取って昔からの分業制が確立されているので低コストで製造することができるのです。前ほどではないものの、それでも比較的沢山編まれていて毎日使いできる馴染みの竹製品がどんな風に作られているのかYouTube動画でご覧いただけます。


青竹ざる


青竹ざる




最後の寿司バラ職人

バラ寿司用竹ざる


この竹細工を見て何か分かる方は少ないと思います。緻密に編まれた網代編みを六ツ目で補強した二重編みですが底の竹ざるに上蓋がピタリと閉まるように製作されています。


寿司バラ、竹虎四代目(山岸義浩)


このような竹ざるを寿司バラと呼んで、寿司飯を作る生活道具として使うのは鹿児島県と宮崎県だけです。寿司飯を作るための細かい網代編み、乾燥を防ぐ上蓋、どれも最後の寿司バラ職人らしい確かな技で仕上げられています。

 
寿司ばら


縁部分や六ツ目編みには孟宗竹、真竹を使い、繊細な網代部分には節合いの長い蓬莱竹を使います。




素晴らしい出来映えの寿司バラについてはYouTube動画でもご紹介しています。


寿司飯を作る蓋付きザル


蓬莱竹の寿司バラ


寿司バラは何と言っても蓬莱竹の網代編みだと思います。節間が長い株立ちのバンブー系の竹で鹿児島や宮崎など温かい地域では良く護岸竹としても見られ防災面でも役立って来た竹です。直径約45センチのこの竹ざるにも節がなく編み込み面は手で触れるとツルツル、なるぼとこれなら美味しい寿司飯が作れそうだと感心します。


蓬莱竹(ほうらいちく)の事をご存じない方は是非こちらのYouTube動画もご覧いただけると嬉しいです。まさに土地の守り神なのです。