古い国産籐まくら

昔の籐まくら


古い籐まくらを拝見していると、ちょうど頭をのせる中央部分がUの字型にへこんでいて、長年ご愛用された歴史のようなものを感じる。元々の籐というのは、もっと色っぽい色合いなので、このように経年変色するのには一体どれくらいの月日が経っているのだろうか?


籐まくら


前にサンパウロのジャパン・ハウス(JAPAN HOUSE SÃO PAULO)にお招きいただいた際、ブラジルに移民された方が持ち込んだ真竹を増やして作った竹林を散策して拝見させてもらった事がある。その竹に囲まれた中に建つ家屋に、たまたま当時から使われていた日本製の竹枕が置かれてあって目をひいた。気温の高いブラジルの夜を少しでも快適に休めるようにと思って、はるばる故郷から持参された物だった。大きなサイズだと、とても運べなかっただろうから、今回の籐枕と同じようにコンパクトで、けれど良く出来た構造でしっかりと作られたものだった。


さて、夏に向けて編まれている国産籐まくらだが、涼しさプラス使いやすさで、昔のサイズ感とは全く異なる大きさになっている。





GHQと籐まくら

籐鼓椅子


こちらの籐で作られたスツールを、もしかしたら一度や二度はどこかでご覧になられた事があるのではないだろうか?確か随分と昔の事ではあるが、とある女優さんか誰かが鼓の形をした椅子を所望されてから作り出した製品であると聞いている。その後、似たような輸入品が広く出回るようになり、多くの方の目に触れる機会も多くなったけれど、この椅子は古い国産のもの。良く見れば籐の骨組みや風格が違う。


籐編み工場


籐細工の歴史を紐解いていくと、戦後のGHQなどまで関わっていて面白い。


籐籠の型


日本に滞在する米軍が多かったが、当時の日本には手頃な家具がなかったそうだ。そこで、目をつけたのが東南アジアから沢山調達できるようになった籐だった。


籐スツール


竹に比べて加工しやすく耐久性もあることから、椅子などの製作を依頼された竹職人が次々に籐編みをするようになり、籐細工が盛んになるうちに家具から小物などの製作もされるようになる。


籐まくら


暑い季節には重宝される籐まくらもそんな中のひとつ。案外、海辺の町で竹細工をされている方がいるのは大波で漁ができない場合などの内職から始まっているらしい。昔から網を作ってきた漁師さんたちの手先の器用さが職人仕事にマッチしていたようだ。そう言えば、鰹の一本釣りで有名な地元久礼の港町にも、かってはシダ屋が2軒もあったと言うので内職で籠編みをしていた時代があったのかも知れない。




ソフト竹炭まくら新登場しました。

ソフト竹炭まくら


竹炭粒をタップリ3キロも入れた快眠の竹炭枕は、ズシリと重たく硬めの感触がクセになって手放せない寝心地だ。頭をのせた時に「ジャリ」と竹炭が擦れる音がするのが気になるかと思いきや、全く気にならないばかりか竹炭の音が子守唄のようになっていて、たまにホテルで違う枕になると寂しく感じてしまう。愛用者の一人であるボクだけではなくて、沢山のお客様からの快眠の竹炭枕へのご感想をいただいているので、寝付きが悪かったり、朝までぐっすり休まれたいと悩まれている方は是非一度ご覧いただき参考にしてもらいたい。


ふんわり柔らかソフト竹炭まくら


しかし、そんな竹炭粒入りの竹炭枕も万人の方に対応されているかと言えば、それは違う。実は枕の硬さや音に馴染まれる事がなくて、せっくの竹炭効果を体感できずにおられる方もいるようなのだ。そこで前々から少し柔らかい寝心地で竹炭の消臭効果を発揮できる枕を作りたいなあと考えていたが、今回ちょうどカルファイバーという新クッション素材と竹炭樹脂綿を組み合わせてみる事にしたのだ。


ふんわり柔らかソフト竹炭まくら


実は何個か試作してみた枕が結構良い感触だった、元々福祉や介護の現場での使用を想定されて開発された通気性のよいカルファイバーは、頭の重さを受け止めながら分散させてくれる。竹炭ベットパット用の竹炭樹脂綿では少し厚みがありすぎるので竹炭パウダーの分量など調整して新しく樹脂綿も製作した。


ソフト竹炭まくら


ところが今回、製品完成間際に枕カバーにも竹炭樹脂綿を使う事を思いついた。そこで急遽、まさにベットパットと同じキルティングでお願いし、枕本体にも竹炭樹脂、カバーにも竹炭樹脂という「2枚×2倍!」のソフト竹炭まくらとなったのだ。


ふんわり柔らかソフト竹炭まくら


普通サイズと言うけれど、キルティングの枕カバーのせいかゆったり大きく感じる。ソフトな寝心地をお好みの方にはオススメしたい。




冷感カバーでリニューアルした竹炭ソフト塩まくら

 
竹炭ソフト塩まくら


「頭寒足熱」をご存じの方も多いと思うが、足元を温かく保ちつつ、頭部を涼しくヒンヤリとさせる事が入眠しやすく、健康の秘訣と言われている。しかし、ただ頭を冷やしすぎるのは反対に自律神経の乱れにもなるので、適度な心地よさの塩まくらが人気なのだ。


竹炭ソフト塩まくら


「青菜に塩」とは、野菜がしおれてしまって元気を失くした様を人にたとえた言葉で、あまり有難い様子ではないが、塩もみすると野菜から水分が抜けてしまのは塩の浸透圧によるものだ。このため塩には防腐作用や抗菌作用があって枕カバーなどに発生しがちなダニの予防効果も言われている。今回は、この塩まくらに更に消臭力の強い竹炭粒をプラスして更に使いやすいようにした。


竹炭ソフト塩まくら


体臭、アンモニア臭を抑える竹炭ベッドパットと、これも新しく作った心ふんわり柔らかソフト竹炭まくらに竹炭塩まくらを合わせてみた、これは最強かも知れない(笑)。


竹炭ソフト塩まくら


塩まくらの使用期限は一年間程度と言われているが、これは塩が頭部の匂いを吸着したりする事があるためで効能自体が低減するという訳ではない。塩は固まってしまう特性もあり長くお使い続けると硬くなるのだけれど、徳島鳴門産の塩を使っているのは手でほぐすと元の柔らかさに戻りやすいやらだ。


竹炭ソフト塩まくら冷感枕カバー


定期的にやり替えたいというお客様のお声にもお答えして、不織布入りの本体だけのご用意も新たにしているが、硬さが気にならないのであれば、冷感枕カバーはお洗濯して繰り返しお使いいただけるので出来るだけ長くお使いいただきたい。


塩と竹炭


塩の効果に竹炭の効果をプラス塩と竹炭で血行が促進、肩こり、冷え性、血圧改善冷感生地を使ってヒンヤリ感アップの竹炭ソフト塩まくら、リニューアルしています。




遅すぎる虎竹抱き枕

 
虎竹抱き枕、竹虎四代目(山岸義浩)


今度の虎竹抱き枕は少し遅すぎた、本格的にとりかかったのは先月の事なので仕方がない。記録的な猛暑とは言うけれど、高知でも早朝などはさすがに涼しい風を感じるようになった。山間地域に行けば肌寒い事もありそうだ、そんな時期になって抱き枕は必要はないかも知れない。


虎竹抱き枕、竹夫人


続けて作っていくのは来年の夏前あたりからなので、その頃に改めて又ご案内する事になるけれど、虎竹抱き枕はパジャマ姿で素肌に触れてお使いいただくものだから竹ヒゴから神経を使って編まれている。


虎竹抱きまくら


うんうん、弾力も申し分ないようだ。


虎竹抱き枕、竹虎四代目(山岸義浩)pg


とりあえず、現在では日本で自分だけが使って楽しんでいると負け惜しみを言っているが、やはり作るのが遅すぎた。皆様は来夏をお楽しみにお待ちください(笑)。




虎竹抱き枕の試作が出来ました。

 
虎竹抱き枕


先月の終り頃に10数年前に編んだきり作ることのできなかったと職人が言う虎竹の抱き枕のお話しをした。竹抱き枕は白竹の六ツ目編みかゴザ目編み、磨きの物ばかりで、いずれにせよ真竹だ。前々から待ち焦がれていた虎竹で、ようやく取り組めるようになったので早速試作を編んでもらい試すことになった。


虎竹抱き枕


白竹の抱き枕は、竹ヒゴを二枚はぎにして編んでいる、つまり竹ヒゴは二重になった形だからザックリした六ツ目編みに見ても丈夫だ。今回の虎竹抱き枕は、竹ヒゴを沢山使い編み込みを密にする事で弾力と強さを両立させたいと考えている。強度と共に何点かある課題はお盆休み明けから解決させて、暑い季節の終わりには間にあわせたいと思っている。




日本の夏に、国産籐枕

藤まくら

 
籐と竹は細く割って使われていたりすると見分けがつきにくいようで、同じ素材だと思って時々間違われる場合がある。しかし、籐は竹のように稈に空洞がなく、柔らかさや強さの点で竹には真似のできない製品作りが可能な凄い天然素材なのだ。


籐枕職人


ソファーや椅子、ベットなど丈夫でそのうえ軽い家具が作り出せるのは籐ならではだし、しなやかさは手提げ籠などを編むのにも適している。ただ日本国内に産地がなくて全て海外からの輸入材なので、昔から使われてきた素材ではあるものの古い時代は高価な物で庶民が手にすることはなかったに違いない。


籐まくら作り方


戦後にGHQが籐製の椅子やテーブルを大量に発注するようになって忙しくなり、それまで竹細工をされていた方が籐細工に転向して随分と腕を振るったという話を職人から聞いた。このような籐枕は、今のようにエアコンのなかった当時には現代とは比べ物にならないほどの必需品だったと思うので、さぞ多くの製品が作られていたと想像する。


籐まくら職人


籐まくら製作


海外から素材だけでなく同じような製品自体が輸入されるようになってから、国内の職人が減って産業が衰退してきたのは竹と同じ歴史だけれど、国産には国産ならではの丁寧な仕事ぶりがある。


籐鼓椅子


籐に鼓椅子というロングセラーの製品がある。竹虎にも来客用に何個もあって小さい頃から馴染みのある椅子だけれど、元々はある女優の方が和楽器の鼓をモチーフに作れないだろうかと相談されたのが最初だと言う。こちらの工房に置いてある先代が製作した品など、生命力さえ感じるような力強さに圧倒されて声を失った。


籐枕製作


確かな技が息づく籐工芸の枕は、形にもこだわりがあってただの楕円形ではない。なんと片方が高く、片方が低く作られているので愛用いただく方の好みで使い別ける事ができる。




届けられるか?夏の快眠、虎竹抱き枕

 
虎竹抱き枕試作


抱き枕はエアコンの無かった時代から、夏を少しでも涼しく過ごしたいという先人の思いから生まれた竹籠で、日本だけでなく竹が身近にある東南アジア一帯に同じような製品が編まれてきた。台湾や韓国で沢山編まれているのを見た事があるので、恐らく竹の本場である中国や竹の豊富なベトナム等では、もっと多彩な籠があるのではないだろうか。


虎竹抱き枕


しかし、日本唯一の虎竹を使って編まれている抱き枕とはかなり珍しい、10数年前に作ったきりの試作品だと言うが一つ感じるのが時間の経過を思わせない竹の状態だ。大小ふたつのサイズがあり本当に素晴らしい出来栄えだが、不思議と竹の弾きや割れなどがない。


白竹抱き枕、竹虎四代目(山岸義浩)


実は近年の竹質の低下をずっと危惧している。蔓延しているテング巣病が、本来なら粘りもしなりももっとあるはずの真竹に影響しているのだと推測しているが、白竹製の抱き枕でも負荷のかかる先端曲がり部分では数年で竹ヒゴが耐えきれずにヒビ割れを起こしている。


白竹抱き枕


確かにこのような症状はほんの十年前まで見られなかったように思う。少しつづ変わり続けていく虎竹で、昔から変わらない抱き枕を試作中だ。




二種類の古い竹枕

竹枕


久しぶりに古い竹枕を見た、二種類あるけれど両方とも丈夫で良くしなる竹の特性を活かしている。竹のヒンヤリする感触、通気性、エアコンのなかった時代に寝苦しい夜や、真夏のお昼寝を少しでも快適にしたいと願う先人の気持ちが形になっているような気がする。


竹枕


竹枕の竹節


この直線的なヒゴを使った竹枕の両端に竹節が入って格好いい。実は同じタイプを別の場所でも見た事があるので当時は大量に製造されていた枕に違いない。


竹枕


もう一つの竹枕も、小さめの木部から立ち上げた厚めのヒゴを綺麗に曲げて作られた秀逸なデザインだ。昭和の時代の竹細工は、つくづく感じいる作りばかり、学ぶべきところが多いと思う。


あの辛さは何だったのか!?恐るべし竹炭枕への感謝・感激の声

 
快眠の竹炭枕


頸椎を悪くし、整形外科通いをしています。座っても、寝ても、起きても痛みやしんどさが伴い、立っている姿勢が一番マシという状況でした。そこでなんとかいい枕はないものかと探して、まず出会ったのが竹虎さんのストレートネック枕でした。首が伸びるような痛気持ちいい感じでしたが、一晩寝るには固いので、寝る時用として次に出会ったのが竹炭枕でした。


藁をもすがる思いで購入し、つかってみたところ、初日からすぐに眠れました!そして、何より驚いたのが、起きがけの痛みやしんどさが全くなく、スッキリ起きれたのです!(今まではなんだったの...?!)というくらいビックリでした。それからずっと起きがけの憂鬱なしんどさはありません。痛くなったり、しんどくなったら、寝て休めばいい...寝て楽になればいい...という大きな選択肢を与えてもらえた事に感謝しかありません。感謝、感激とは、まさにこういう事だと実感しています。それと、寝る時の足の冷えもなくなりました。


あまりの竹炭効果が気にいって、主人には同じ枕を、子供たちにはミツオレ君を購入しました。私と同じく足の冷えに悩まされていた娘も、「頭や首が暖かい、足の冷えもない」と言っています。そして、またまた驚いた事に、主人の怪獣のようないびきが竹炭枕を使ったその日から無くなりました!恐るべし竹炭パワーです。本当にありがとうございます。感謝と喜びをお伝えしたくメールしました。(S・F 様)


竹炭まくら、竹炭ベッドパット、竹虎四代目(山岸義浩)


S・F 様は、横になると痛みがあって、立っている姿勢が一番マシという状況は想像しただけでも大変な思いをされていたのだと思います。本来なら何よりもゆっくり休みたいのに、それができなくて、ある日突然に竹炭枕によって切なる願いを叶えられたのだとしたら本当に嬉しいです。


そう言う自分も実は竹炭枕が手放せない一人、少しお試しで使ってみようと思ったら最後、もうあの柔らかな枕には戻れそうにありません。加齢臭が気になりだしてから作った竹炭ベットパットとセットでずっと愛用しています。