竹炭粒を100%詰め込んだ枕には沢山のお客様から嬉しいお声を頂いている。消臭や調湿効果はもちろんだが、高温で焼き上げた竹炭は熱伝導率も高く、まさに安眠の基本「頭寒足熱」となり頭を冷やす事で深部体温が下がりゆったり眠られるようになる。ストレス軽減や睡眠の質が上がり朝までぐっすり眠られる方が多いので、多数頂いているお客様からの竹炭枕への感想をご一読いただきたい。
そんな竹炭枕を、もっとお求めやすく手軽にお使いいただけるようにと新しく製作する事にしたのが、ワンジャリ竹炭枕。ワンジャリとは、枕に頭をのせたら竹炭粒から「ジャリ」と音が聞こえるけれど、音が一回聞こえただけで次の瞬間には眠りに落ちている、という自分の体験から命名した(笑)。
実は枕の好みは十人十色で、様々なご要望をいただいている。そんな中でも、硬さは竹炭100%だから仕方ないけれど、高さについては結構な時間をかけて検討してきた。竹炭微粉末が漏れにくい最高の不織布を二重にした構造だが、その中に5リットルから10リットルまで1リットル刻みで竹炭を入れてテストもした。本当に自分達が一番効果を体感している枕なので、これからも品質や価格も含めて見直しながら、さらに喜んでいただける製品作りを目指したい。
早いもので今年も虎竹伐採の季節がやってきた。虎竹とは、表面に虎皮状の模様があり、全国でもこの地域でしか成育しない珍しい竹だ。虎竹の伐採、そして山出しは、高知県須崎市安和の虎竹の里で毎年晩秋から1月下旬までのシーズンに行われる。この期間に、一年分の材料が山から運び出される。
虎竹は良質な親竹を残しながら、間引きされながら、伐り出される。伐採された竹は運搬機で山を下っていく、運搬機は曲がりくねった道でもスムーズに竹を運ぶ事ができるように改良されている。虎竹は地域の宝であり、この伝統的な作業には、多くの人々の手間と情熱が注がれてきた。
竹林での伐採、山出し、土場での選別を経て工場に入ってきた虎竹は例外なく油抜きという加工が施される。700度の高温になるガスバーナの窯に入れて余分な竹の分を取り除くと共に耐久性を高め、独特の虎模様を美しく浮かび上がらせるのだ。今年最後となった虎竹の油抜き作業を動画にした、百聞は一見にしかずだから、油抜きした時の熱を利用して竹の曲がりを矯正する「矯め直し」工程にも注目してご覧いただきたい。
竹籠は底部分の四隅、つまり角部分が一番傷みやすいのだが、さすがにここまで大きな穴が開いてしまった籠は珍しい(笑)。スズ竹で編まれたもので、竹ヒゴの変色の状態から随分と古く、壊れてから長い間放置されていたのが分かる。
形やサイズ感から腰籠として使われていたようだけれど、ここまで壊れてしまっているのに、今まで破棄されていないのは、貴重な籠だから捨てられなかったのか?倉庫に忘れられていたのか?とにかく本当に良かったと思う。
形がユニークなのが面白い。普通は丸型が一般的だけれど、そうではなく身体に添うようにカマボコ型に編まれた所をみると、恐らく別誂えではないかと思う。腰に下げる両サイドには針金が取り付けられていて、紐を通して腰に固定できるようになっている。
スズ竹は数年前の開花からまだ竹林の十分に復活していないので材料集めに苦労されているようだ。
口巻きの籐もボロボロだから、ここも巻き直しになるかと思う。スズ竹の竹材自体は高知では手に入りにくいので晒した真竹で対応する予定になっている。この竹籠がどんな風に生まれ変わるのか、是非お楽しみにしていただきたい。
蘇素任さんの竹ソファを、国立台湾工芸研究センターで初めて拝見した時の衝撃は、10年経った今でも鮮明に覚えている。見慣れているはずの竹編みの球ではあるものの、それを繋げてソファにするだろうか?発想の自由さ、面白さに驚いて、竹の可能性はまだまだ広がっていくのだとワクワクした。
その時には作品として展示されているので座る事はおろか、触る事もできなかったけれど、磨き細工特有の竹肌が飴色になるほどの長い時間をかけて、遂に作家の方にもお会いする事かでき、ソファに座る願いも叶った。
これだけ色合いが違ってくると、色違いのバリエーションのように勘違いされる方が多い。ところが、これは同じ作品である。元々、竹は経年変色していくのが楽しみなのだが、竹表皮を薄く剥いだ磨きの竹ヒゴを使っているので、更に色合いは深く、変化は早い。
蘇さんのご自宅に置かれている一人掛けの椅子も、惚れ惚れするような風合いになっていた。
出会った10年前が蘇る(笑)。
竹ソファと別に、室内にはヤタラ編みの座椅子も置かれている。
この椅子にも初めての時には、一体誰がどんな事を思って製作されたのか?と不思議に気持ちになった。それまでも国内の展示会で、台湾の竹工芸は先進的なモノが多く興味を持って見ていたが決定的な作品のひとつだ。
竹ソファはリラックスして座るものではなく、インテリアの要素が強い。けれど、このヤタラ椅子は竹ヒゴの弾力があり座椅子とし使い心地もよく機能性は十分だ。
更に、蘇さんのお部屋には竹ソファに使われた竹編みの球を組み合わせた竹灯りが設えられている。竹と光は良く似合うものだが、この照明は一段と良く出来ている、まるで浮雲がただよっているかのように感じられて雰囲気が素晴らしいのだ。
今年の4月、第12回世界竹会議で台湾にお伺いした時に、台中繊維工芸館での国際竹工芸フォーラムでお話しする機会をいただいていたが、その時の主催が盛之華台湾竹芸館の徐暋盛さんだった。
今回は短い日程のでの訪台だったので、徐さんの工房には夕刻からお伺いさせていただいた。10年ぶりだけれど何も変わっていない。
変わっていないと言えば、徐さんはジーンズに黒いTシャツで自分はいつもの作務衣、二人の格好も10年前と同じだから笑ってしまう。
徐さんの工房には、色々な竹製品が並んでいるが折り畳んで立てかけられていた見慣れない竹編みに目がいく。何かと思ったらスカートだ(笑)、竹は繊維にもなるけれど、こうしたファッション的な要素も持った素材だ。
徐さんの奥様の手料理をいただけて幸せだ、台湾は何を食べても美味しいのだが、心のこもったおもてなしの料理は本当に旨い!
国立台湾工芸研究発展中心は、広々とした敷地に様々な竹工芸が展示されていて何度来ても飽きない。竹の好きな方にはオススメの場所なので是非沢山の方にお越しいただいて、台湾の竹文化に触れてもらいたい。日本などでは考えられないような、面白い竹への取り組みを見る事ができる。
いつくかある建物にひとつに、現地の工芸品を一堂に集めた展示場があり、春の世界竹会議でもお会いさせてもらっていた劉興澤さんの個展が開催されていた。生活で使える竹製品から家具や美しい花籠、更にはアート作品まで幅広い竹の表現力に驚かされる。やはり、台湾の竹文化は奥が深いと思った。
ここには、かつてはカフェだった明るいスペースに、徐さんが得意とされる大迫力の巨大オブジェが天井に飾られている。入口から入って右側の別空間になった所なので、見逃さないようにチェックしてください。
CLS高知とは一体何なのか?最初から分かって参加される方は、あまり多くはないのではないかと思っている。しかし、とにかく、全国のファンコミュニティやユーザーコミュニティなどで活躍されている200名もの方々が参加される場に登壇させていただく事にした。実は、そもそもファンコミュニティというものも、あまり馴染みがなく確かにこのようなものだと知っているワケではない。
せっかくお話させていただく機会を頂戴できるのだから、自分たちが130年守り続けてきた地域資源である虎竹の事や、どうして虎竹の電気自動車「竹トラッカー」を製作する事にしたのか?さらに、高知から横浜まで1000キロの旅をしたのか?そして遠く海外の南米メキシコやスペイン、さらに今年は台湾まで。竹トラッカーを運んで走行してどうしたいのか?をお伝えしたいと考えていた。
竹虎創業130周年にあたる今年は、大きなチャンスの年であり、前々から構想のあった、よさこい地方車への挑戦をする事ができた。諸々を後回しにして費用と時間を使いながら、4トントラックの地方車を虎竹号に仕上げて何とする?
日本中から集まったメンバーは、さすがに熱量が凄い。登壇して見回すと、本当にもしかしたら、ここから課題先進県の高知が変わっていくのかも知れないとも思う。日本唯一の虎竹を、一人でも多くの方に知ってもらいたいと思って製作した、虎竹アーマーを着ていて良かった。お陰で熱波のようなパワーに耐えられた。それにしても、5分は短い(笑)。
台湾の南投県竹山鎮は古くから竹の産地として知られて、竹製品の製造加工の中心地だったそうだ。竹は南方系の植物でもあり、台湾では一年通して筍をたべる事ができるほど豊富に生えている。だから、竹文化は現代でも人々の暮らしに深く根ざして受け継がれているのだろうと勝手に期待していたが、実はそうでもないらしい。
地域活性化に取り組み続けてきた何培鈞さんが、使われなくなったバスターミナルの二階を借りてレストラン「竹青庭人文空間」を開く際に、地元の竹作家の方やデザイナーと力を合わせて、竹編みの内装を取り入れたのには、地域産業が衰退していくことへの思いがあったに違いない。
台湾の優れたデザインや、虎竹の里までやって来られる竹人ばかり見ていたから、勝手に想像していた台湾の竹は現実とは少し違っていた。青竹の筒で出していただいたアイスは甘く美味しいが、竹の世界は甘くない。
日本の課題と同じことが竹山鎮でも起こっていて、親近感がわいてきて更に台湾の竹に興味が出てきた。
柾割の竹ひとつとっても、国が違えば微妙に異なるけれど、それも面白いと思っている。竹に正解はないからだ。
かつては盛んだった竹山鎮では、虎竹の里がそうだったように多くの方が竹に関わり竹と共に生きてきた。ところが、今回お伺いして竹産業を継承されていく若い人材は本当に数名しかおられなかった。
竹の未来を模索しているのなら、国境を越えて協力しあえる事もあるのではないかと思っている。
竹の旬がよくなり、良質の竹材で編まれている真竹コンテナ手提げ籠バッグが来月中には発売できる予定だ。真竹で編まれた御用籠の伝統的な竹細工の魅力を現代に引き継ぎつつ、女性でも持ちやすいサイズ感に改良した。プラスチック製品に取って代わる自然素材の温もりを感じていただきたいデザインが特徴なのだ。
特大サイズの御用籠は厚みのある竹ヒゴを使用しており、手にした時のしっかりとした重量感が安心感を与えてくれる。一方、今回製作中の小さいコンテナ籠の方は日常の買い物やさまざまなシーンでの使い勝手が良くなるように軽量化も考慮した。外出時だけでなく、室内でも野菜籠やマガジンラックとして活躍し、インテリアのアクセントにもなると思っている。
経年変色によってバッグの色合いは美しい飴色に変わり、使い込むほどに愛着が増していく様子が楽しめるのも魅力。竹林で伐採した真竹をそのまま使用しているため、個々の形や色に微妙な違いがあるけれど、その一点物感もたまらない。手作りの温もりを感じるこのバッグは、他にはない特別な存在感だ。
真竹コンテナ手提げ籠バッグは、普段のお買い物はもちろん、アウトドアのキャンプなどに威力を発揮しそうだ。持ち手はビニールパイプで作られており、荷物をたくさん入れても持ちやすく、手が痛くなる心配がない。また、底部分は幅広の力竹で頑丈に作られて、重たいものを運ぶ際の衝撃を和らげるしなやかさも持ち合わせている。家庭内での収納にも、もちろん役立ち、様々な用途に対応できる柔軟性を持っている万能選手。是非皆様に再販売をお楽しみにいただきたい!皆様の日常に、この用の美の竹製バッグが加わることを心より願っている。
虎竹とは、独特の模様が特徴の竹であり、古くからその美しさを高く評価されている。江戸時代には土佐藩山内家への年貢として献上されていた記録も残る由緒ある竹でもある。この虎竹の里の自然環境で育まれた虎竹は、しなやかさと強さを兼ね備えているので、特性を活かし花籠などにも多用されてきた。
赤染めは、虎竹の持つ自然な模様を際立たせるために選ばれた技法だ。深みのある赤は、見る人に温かさを感じさせ、花を生けることでさらにその美しさが引き立つ。色とりどりの花が映えるこの水盤は、どんな空間にも華やかさを加えてくれると思う。
竹虎の願いは、この赤染亀甲水盤を通じて、皆様の生活に潤いを感じてもらう事だ。花を忘れてしまった生活をされていないだろうか?花を一輪でも生けることで心が和らぎ、日々の暮らしに彩りが加わる。季節の花を楽しみながら、自然の美しさを感じていただければと思う。
老舗竹屋として、私たちは竹の魅力を伝え続けている。赤染亀甲水盤は、単なる花籠ではなく、心豊かな暮らしの一部として欲しい。あなたの生活空間に取り入れて頂くと自然の美しさと共に、ほんの少し潤いある日々を過ごしていただけたら嬉しい。
ボクは高校一年生の時、周りから「ハゼ夫」と呼ばれて笑われていた。全寮制の中学、高校と6年間を過ごした明徳義塾は、高知でも陸の孤島と呼ばれた横波半島という所にあった。手つかずの山の中に、突然校舎ができた様な学校だったから、突然顔が赤く腫れあがった時には、てっきり近くの森にあるハゼの木にかぶれてしまったのだと思い込んでいた。
数日経てば良くなると思っていたけれど、まったく赤みがとれない。24時間ビッシリとスケジュールが詰まっている寮生活では、病院に行く機会も限られていて、高知市内の病院で診てもらったのは随分と後だったと思う。それから長く通う事になる、皮膚科の先生は一目見てすぐに塗薬を出してくれた。それが、魔法の薬ステロイドとの出会いだ。病院で薬を付けてもらって、あちこちの病院に立ち寄りながら生徒を乗せて明徳に帰り着く頃には、赤みがすっかり引いていて驚いた。
実はボクは、小さい頃からアトピー体質で、母が病院でいくら使ったか分からないという程、通院していた。全寮制の学校に入学して数年間は、症状がなかったのに急に再発したのだった。それから、長い長い皮膚病との闘いと言えば大袈裟だが、付き合いが再開する。
大学卒業後は、出張で2~3週間ホテルで生活せねばならない事が続いた。その時、風呂場に備え付けの石鹸が肌にピリピリ刺激があって使えない。そこで、アトピー体質で敏感肌の自分でも安心して使える石鹸が欲しい!そう思って作ったのが、現在発売以来40万個を売り上げている虎竹の里竹炭石鹸なのだ。
もう20数年になる、とにかく必死だった、全国の石鹸メーカーさんからサンプルを取り寄せて自分で試してみた。竹屋の仕事で、埃まみれ、強い日差しの中で汗まみれになる身体を、スッキリ洗い上げる事、それでいて肌にやさしく刺激がなく、洗った後にしっとりしている事。当時はクロネコヤマト便さんもあまり使わせてもらっていなかったが、まるで定期便でも届けるように毎日配達物が届く、呆れられるようになった頃に「これだっ!」と思ったのが地の塩社という会社だった。
竹と共に100年の知見のある、自分達ならではの石鹸ができると信じて吸着効果の高い竹炭にこだわった。健康な竹林の孟宗竹、昔ながらの土窯づくり、1000度の高温、熟練の技で焼き上げられる竹炭微粉末、メーカーの研究室にお伺いして、含有率もギリギリまで調節して完成した。石鹸素地、竹炭、水だけで作られた、ボクが毎日愛用する無添加石鹸を今回皆様に御試用いただきたくて、ミニ石鹸無料プレゼントを開催した所、即日予定数か無くなったとの事で、本日午前から改めて開始するので是非この機会にお試しください。
ちなみに、ボクは「どこの美容クリニックに行かれてますか?」と真剣に聞かれる事がある。都会では、男性の方も美顔などに気を使ってプチ美容というのか、美肌、アンチエイジングなどメンテナンスをされる方もいるようだ。ボクをご覧になられて、年齢の割に肌ツヤが綺麗だからと言われていたが、自分の場合は竹炭石鹸のみ。これだけで使い続けている。