竹虎初代宇三郎の海

竹虎初代、山岸宇三郎


すべては、この曽祖父である宇三郎から始まりました。竹虎初代宇三郎が大阪から海を渡ってこの地に辿りついて虎斑竹と出会ったのは約100年前の事です。以来、天王寺にあった和傘の材料を加工していた工場には虎竹がうず高く積み上げられるようになり、いつしか「竹亀」だった屋号が「竹虎」へと変わり今日に至っています。


虎竹の里


遍路道の難所としても知られた安和地区は険しい山に囲まれて奇跡のような小さな浜辺があり、ここから土佐藩政時代には高知城の山内家へと虎竹が船で運ばれていました。自分の小さい頃には竹を干したり選別したりと土場のような役割をしていた海岸でもあります。


竹虎四代目


今年も虎竹伐採の季節がやってきます。年貢として運ばれた海、宇三郎が渡ってきた海、竹の加工に欠かせなかった海、そして日本唯一の虎竹の不思議な虎模様もこの海からの風が一因ではないかと言われています。海・山・空、大自然が生み出す恵みの中で生かされているのは四代目になっても全く同様に続いていきます。





四国観光列車「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」

JR四国観光列車、竹虎四代目(山岸義浩)


JR四国が運行しています観光列車が虎竹の里、安和駅にもやってくる事になりました。その名も「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」、坂本龍馬を車体に描いた特別列車で、車内では特別な料理も用意されていて普通とは全く違う列車の旅を楽しめるようです。もちろん高知だけではなく香川県、徳島県には「四国まんなか千年ものがたり」、愛媛県には「伊予灘ものがたり」と言った旅の列車が走り人気を博しているとの事です。


JR四国観光列車、竹虎四代目(山岸義浩)


たまたまのタイミングではありましたが、ちょうどこの列車が安和駅に到着されるとの事で製作したばかりの虎竹コロナウィルス感染防止帽子でお出迎えさせて頂きました。


JR四国観光列車、感染防止帽子


列車から降りて来られた皆様は、この異様な帽子に不思議そうな表情ですが、ソーシャルディスタンス用と言いますとすぐに納得いただきます。


志国土佐 時代トキの夜明けのものがたり、安和駅


JR四国観光列車、安和駅


JR四国観光列車


志国土佐 時代トキの夜明けのものがたり、虎竹の里


停車時間はいつもよりずっと長めに取っています。安和駅からの眺めを楽しみ、地元の産品を知っていただこうと駅には即席の観光案内所兼売店が用意されています。お客様は、こうしてそれぞれの停車駅で地域を感じる事ができますので、やはり特別な観光列車ならではです。


志国土佐 時代トキの夜明けのものがたり


停車時間はアッという間に過ぎて次の駅に向かって走り出します。こうして、このホームで列車をお見送りするのは幼い頃のおばさんの婚礼以来ではないでしょうか。お越しいただきました皆様、ありがとうございました!





松場登美さん「根のある暮らし」

松場登美、根のある暮らし


石見銀山には今まで三回お伺いした事がある。はじめて何も分からず訪ねて行った時に丁寧に対応していただいたのが松場登美さんだった。二階にまで案内していただき銀山の事や城跡のお話しなども色々と聞かせてもらった。世界遺産に登録される前だったからか歩く人もまばらで本当に静かな落ち着いた街並にいつまでも居たい気持ちになっていた。


虎竹の里


過疎という意味では同じ虎竹の里の山を歩くと今では植林されていたり雑木林になっていたり、もちろん虎竹の林になっている山々には段々畑の痕跡が残る。ずっと昔は焼け坂の頂上付近まで耕して芋が植えられていたとも聞くが、その労力たるや恐るべしだ。しかし、こうやって先人はこの地で生きてきた。


虎竹の若竹


今年も沢山の若竹が生えた、この地域にしか成育しない不思議な虎竹たち。石見銀山にも負けない地域力をどうしていくのか?日めくりになっている松場登美さんのカレンダーは、毎日問いかけてくる。


風のとおる竹林

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名古屋を拠点に持続可能な庭園づくりをされているランドスキップさんが虎竹の里に来られていました。若い方々ばかりでしたが植物を相手に仕事をされている皆様ですので竹林への関心も大きいようです、今年は来社される方も少なかったので久しぶりにお客様を竹林にご案内できて自分も竹達にも良い一日となりました。


虎竹


にも表年と裏年があって今年は沢山の若竹が生えてきましたので春先の頃と比べると竹林の様子は、まるで一変しています。このように竹は驚くような生命力でドンドン生えていきますから、手入れされなくなった竹林が日光さえ入らない程うっそうと茂り荒れていくのは当然なのです。


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竹を間引きする場合、一般的には和傘をさして歩けるくらいの竹の間隔が良いとれされています。しかし、それは竹の種類や場所によって違っています、虎竹の里の竹林でも山の職人により異なっていてここは元々間隔を広めに取っていました。


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心地よい風が通り抜けるからか竹林につきもののように思われるヤブ蚊がいません。前もってそれをご存知だったのか、日頃草木と向き合われているので慣れておられるのか一人の方は素足でした。この時期の竹林に素足で歩ける所は他にあるでしょうか(笑)。それでも蚊にはさされていない様子でしたので人の手で管理して風通しや日当たりを良くすることの大切さを思います。


そういえば今年の4月に惜しまれながら亡くなられたC.W.ニコルさんに一度だけお会いさせていただいた事がありました。森のお話しをされる時、風が吹き抜ける、陽の光が入る事を何度となく言われてましたれど、樹木と竹の違いはあるものの、ずっと虎竹の里の竹林を思い出してたのです。そして、それが誰かの思いで作られたものでも無く、少なくとも土佐藩政時代から地域の人達によって綿々と受け継がれ続いてきている文化に価値を感じています。





藍染マスク

虎竹コーヒードリッパー


もう先々月の事になりますが、今回のコロナウィルスでマスクが何処に行っても売ってなくて「何かないか?」と考えた時に、ふと思いたったのが虎竹コーヒードリッパーでした。


虎竹珈琲ドリッパー


もちろん竹編みは通気性抜群なのでウィルスを防ぐとか拡散させないとかの効果は全くありません。ただ、今回のウィルスは飛沫感染もありますが、ウィルスに触れた手で鼻や口を触る事による感染も多いと言われていますので、無意識に鼻を触るクセのある自分などには、その点において有効かと思ったのでした。


六ツ目コーヒードリッパー


六ツ目ドリッパー


実は先月末にご紹介させていただいたばかりの六ツ目編みの新しい虎竹コーヒードリッパーがあります。今までのタイプより大きめサイズですが、こうしてコーヒーペーパーフィルターをセットしているのを見て「そうかペーパーフィルターという手があったか...」これなら竹編みの隙間を多少なり防ぐことができそうです。


虎竹ドリッパー


しかし、実際に使うことはありませんでした(当たり前ですが)。そもそもマスク用ではありませんので口の周りにフィットしません、そして何より長時間になると痛いです。コーヒードリッパーは、ご家族とゆったり過ごすコーヒーブレイクにお使いいただきたいと思います(当たり前ですが)。


藍染マスク


マスク不足でアレコレしている内に何と作務衣を作っていただいている玄照堂さんから藍染のマスクをプレゼントいただきました。使い捨てのマスクも段々と出回るとは思いますけれど、こうして洗えるタイプは今後も重宝しそうです。大切に使います、ありがとうございます!


創業126年、新年度の朝

竹虎社員旅行


竹虎は創業明治27年、お陰様で今年で126年目を迎えさせていただいている。新年度を迎えて改めて先人の皆さんの事を思う。自分の生まれる数年前の社員旅行に写る懐かしい方々。


虎竹の里、竹虎四代目(山岸義浩)


このような一人一人のお力添えがあって虎竹が守られ、今日まで続いてきた。厳しい時期を迎えようとしているが、きっと長い歴史の中には幾度となくあった事に違いない。


「あの空から見ている」


こんなに多くを与えていただいた。
やれて当然だ。



虎竹のへの愛情を肌で感じて育ってきた。

虎竹、竹虎四代目(山岸義浩)


虎竹の山々には竹林に通じる細い山道が沢山あって、そこに自分が行くと結構な人気者だ。「使ってくれ、使ってくれ」と今日も山から竹が下りてくるのである。虎竹の場合、江戸時代から土佐藩に年貢として納められる付加価値の高い竹だった。


現在の山の価値は、あまり高いとは言えないがその昔のは森林が富の源泉であり地域が大いに潤った。だから杉や檜に持ち主の名前が書かれていたり、「木一本、首一つ」と言われ木を一本勝手にきれば極刑が待っているほど厳しく管理されていたりもしたのだ。高知県は岐阜県をおさえて森林面積84%の日本一の山王国だから山間部の町には華やかな頃の名残が今もあり、運び出されて行く材木などの中継点となった港もにぎわっていた。


虎竹


普通の山々でもそのような時代だったからかも知れないが、虎竹の里の竹林には他人が近づく事などあまり無かった事だと聞く。もちろん明治以降、大正、昭和と時を経て自動車も走るようになってからは虎竹の古里である焼坂の峠に向かう山道は誰でも通行は可能だった。しかし、海岸に沿って通る新しい国道が開通すると、その道は行き止まりとなり用のない人が車で来る事はなくなった。


竹虎四代目(山岸義浩)


「あの車は一体誰だ、何のために来ているのだ?」


そこで、自分の小さい頃には竹林に通じる道路脇に自宅のあった職人は、山に向かう見知らぬ車はすべてチェックしていた。幼心ながら地域の虎竹への並々ならぬ愛情やこだわりを肌で感じて育ってきたのだ。



自分の知らない虎竹の里

竹虎四代目(山岸義浩)


今日も虎竹の里を見学にお越しいただきました。中にはご高齢の方もおられますが多くが若い方々です、は日本人の身近にありながら、すっかり忘れられた存在のようになっている事を皆様の表情を拝見させてもらって改めて感じています。


竹虎四代目(山岸義浩)、虎斑竹専門店 竹虎


竹に触れたことのない方もおられますので、その特性や加工からお話しさせていただく事が竹製品への理解に繋がります。


竹虎四代目(山岸義浩)、山岸竹材店


知らないと言う点では欧米から来られるお客様と同じですので「竹を知らない世代は海外の方と同じだ」と言ってきましたけれど、実は少し違います。


竹虎、竹虎四代目(山岸義浩)


長い歴史の中で日本に暮らす人々はずっと竹と親しみ触れ合ったきましたので本人さえ気づいていないDNAが隠されているのです。


虎竹の里、竹虎四代目(山岸義浩)


思えば当たり前に日本唯一の竹林があり、積み上げられた竹があり、工場での製竹、加工、様々な竹細工や竹製品に囲まれて、近くにありすぎて実はこの虎竹の里の価値を見逃していたのかも知れません。一番知らなかったのは自分ではないかと最近思うようになりました。






「竹は未来」Silvia Furmanovichさん来社

Silvia Furmanovich(シルヴィア・ファーマノヴィッチ)、竹虎四代目(山岸義浩)


は未来。」日本唯一の竹林でSilvia Furmanovichさんがそう言ったので思わず握手した。来社される当日までブラジルはサンパウロから訪ねて来られるという事以外は何ひとつ知らなかったが店舗で竹を見る目、話すしぐさが普通ではない。決定的だったのが竹林に続く山道に車から降りた時だ、吸い寄せられるように木立に進んでいく。都会的な装いと裏腹に自然に異様な興味と関心を持っているうように思えた。


Silvia Furmanovich(シルヴィア・ファーマノヴィッチ)、竹虎四代目(山岸義浩)


気になって後で調べてみたらナオミ・キャンベルやグウィネス・パルトロウなどセレブをも魅了する世界的ジュエリーデザイナーだった。インスタグラムには魅入られてしまうような美しい彼女の作品が並んでいる。「竹は未来。」なるほど、だから分かっているはずだ。


竹レトロブローチ


竹レトロブローチを沢山お求めいただいたが、この竹細工の技巧と難しさを見抜いていた。


Silvia Furmanovich(シルヴィア・ファーマノヴィッチ)、竹虎四代目(山岸義浩)


杉とヒノキが混在する林では、杉か?ヒノキか?訊ねられたが、こんな事はあまりないのである。


Silvia Furmanovich(シルヴィア・ファーマノヴィッチ)、竹虎四代目(山岸義浩)


淡竹の仲間である虎竹は節の輪が二本なのに対して孟宗竹は節の輪は一本なので誰でもすぐに見分けられる。多くの人にはあまり関心を持っていただけない話にも食い入るようだった。


虎竹


虎竹伐採は1月末まで、ちょうどこの竹林は竹を伐り倒したばかりでSilvia Furmanovichさんに今しかない竹林をご覧いただく事ができた。


Silvia Furmanovich(シルヴィア・ファーマノヴィッチ)、竹虎四代目(山岸義浩)


本当は前日にお越しいただく予定が、自分の都合が悪くなり翌日になった。しかし、そのお陰で天気に恵まれ最高の一日を過ごしていただけたと思う。竹に招かれている方は、いつ来られても最高のコンディションなのだとつくづく感じる。そして、世界を旅してインスピレーションを得て作品を作られているという事なら、もしかしたら虎竹も何かの形でジュエリーやバッグになるのだろうか?そうであれば心から楽しみだ。






虎竹の里より、ありがとうございます。

台湾からの贈り物


台湾の黄さんより竹虎の社員も大好きな美味しいお菓子が届きました。冬筍餅はイラストでも分るようにサクサク感のある筍の入ったクラッカー、筍をお菓子にしているものは日本には無いと思いますので自分達にとっては嬉しいオヤツです。その他、台湾で有名なお茶やカラスミまでお送りいただいて本当に感謝しています、ありがとうございます。





竹筒を切り抜いて中に照明を入れ「2020竹山」と浮かびあがる提灯も気に入りました。今年は9/16日~9/22日の日程で第12回世界竹会議(World Bamboo Congress)が台湾桃園の国立中央大学で開催されますので是非お伺いしたいと思っています。


竹職人さんから野菜の贈り物


遠くから贈り物をいただく事があれば、近くの職人さんから自分が育てた野菜や釣ってきた魚、採ってきた貝などもいただく事があります。自然豊かな高知ならではですが本当に幸せだと感じるのです。


農村漁村の宝奨励賞


農村漁村の宝奨励賞


頂くと言えば、中国四国農政局「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」奨励賞も頂戴しました。わざわざ賞状を届けていただきましたけれどこうして色々と頂くばかりではいけません、頂いた分はお返しできるように頑張らねばなりません。ありがとうございます!