竹炭の力を使う空気清浄機

空気清浄機「竹風」


何だか目の調子が良くない、鼻水も出る...今まで気づかなかったけれど、どうやらこれが花粉症というやつらしい。晴れた気持ちのよい朝は、出社してから決まって窓を全開にする、いくら寒くても必ず行う明徳中学からの習慣だ。しかし、実はこれがあまり宜しくないのかも知れない。


空気清浄機「竹風」


今朝の高知はシトシト雨が降っている、近づいてくる春の訪れを感じさせてくれるような暖かなさで助かる。そして、さらに助かるのは、目がまったくショボショボしない。そう言えば鼻水はどうした?快調だ(笑)。湿気が多いと花粉も飛ばないので症状が軽くなると聞いていたが、本当にその通りのようだ。


竹炭粒2.5キロのフィルターを内蔵した竹の空気清浄機「竹風」は、自分が竹林に行くたびに感じる清々しさをお届けしたいと製作したものだ。初号機から改良に改良を加えて、こだわり過ぎた二号機だがスイッチを「強」にしている。





虎竹やたら編み!高知競馬場特別室へ

虎竹やたらソファベンチ


高級旅館かと見まごうような室内だが、実はこれが来春にむけてリニューアルオープンされる高知競馬場の特別室だ。高知特産の虎竹で編んだやたらソファベンチが、堂々と二つ並んだ奥には同じく虎竹のやたら編みが壁面を飾っている。


高知競馬場特別室


実は高知競馬場は、どんどん進化されていて近年ではご家族連れや女性同士でも楽しく過ごせるような施設に変わっている。自分は、負け続けて全国的に話題となったハルウララ(古いか?)以来あまりお伺いする機会がなくて、久しぶりに行ってみて随分とイメージか違うので少し驚いた。


虎竹やたらソファベンチ納品


子供達も沢山来られているのは、遊園地のようなスペースがある事からも分かる。小さい頃に初めて馬を見て、何と大きい生き物だろうとビックリした事を思い出す、これで全速力で走る馬の姿なども見られるなれば一日中楽しく過ごせるのかも知れない。


高知競馬場特別室の虎竹やたら壁面


虎竹やたら編みの壁面も、工場で編まれていた時とは又随分と雰囲気が違って見える。木のフレームに入れられた様で、更に重厚感が増したようだ。後日、この前には観戦用の大型ディスプレイが置かれる予定だそうだ。




この虎竹やたら編みの壁面は、このようして編まれている。完成された壁だけではなくて、こうして細い一本の竹ヒゴの状態から工程をご覧いただくと、同じ編み込みが又違って見えてくると思う。


高知競馬場特別室の虎竹やたら壁面


虎竹やたらソファベンチの間には、県産材で作ったテーブルが置かれるとの事だった。ゆったりと飲食などもしながら、大きなモニターで競馬を観戦してくつろげるから最高だ。


高知競馬場特別室


細かい所にある、こだわりの馬のモチーフに、ここが競馬場だと改めて思い出す(笑)。


高知競馬場特別室の虎竹の間


30年ブログでもご紹介した、虎竹やたら編みの壁面がこの特別室に設えられた。虎竹やたらソファベンチ置いて、壁面も椅子も虎竹やたら編みという凄いお部屋になった。


高知競馬場


これだけの虎竹づくしのお部屋なのに、一日の使用料はそこまで高額な設定ではないそうだから嬉しい。高知競馬場は、個室や特別席もセンスよく刷新する事によって、より多くのお客様にお越しいただけるアミューズメントスポットになられようとしている。そんな注目の集まる場所に虎竹をお使いいただき感謝しています。



完成!虎竹ヤタラ編みの壁面製作

虎竹ヤタラ編みの壁面


今月続いていた虎竹ヤタラ編みの壁面製作が、いよいよ終盤を迎える。伐採のはじまる特産の虎竹を使った編み込みは、やはり存在感が独特だ、こうして見ていても既に何やら不思議な雰囲気を醸し出している。


虎竹ヤタラ編みの壁面


隅の方の仕上げに取り掛かっている、これが出来れば編み込みはほぼ完成する。


虎竹ヤタラ編みの壁面


ヤタラ編みには、決まった編み方の手順というものがなく、職人の感性で作り上げていくから面白味もあるし、難しさもある。手提げ籠など小さな竹細工には前々から多用されていた技法だけれど、近年は虎竹やたらソファベンチや日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」など大きな竹編みにも使われているのだ。


虎竹ヤタラ編みの壁面


遂に外枠の位置が取り付けられた。こうすると、壁面飾られるイメージが少しだけ沸いてくる。


虎竹ヤタラ編み


虎竹ヤタラ編みの壁面


さて、編み込みが壁面に取り付けられると、一体どんな印象になるのだろうか?


虎竹ヤタラ編みの壁面


虎竹ヤタラ編みの壁面


二人で持ち上げて立てかけてみる、下にして編んでいた時には気づかない箇所が見えてくる。


虎竹ヤタラ編みの壁面


そんな所を見つけては、元に戻して更に編む事を繰り返す。


虎竹ヤタラ編みの壁面


こうして完成、これはどんなインテリアとなって訪れる方を出迎えてくれるのか、今から楽しみになってきた。



華道で使う二重切り花器

孟宗竹


日本の皆様に言いたい、言葉の話せない竹に代わってお話しさせていただく。孟宗竹の歴史は思うよりずっと浅く、諸説あるものの日本に中国から渡ってきたのは300年足らず前の事だ。それまで、あのような大きな竹は無かったものだから、国中に引き合いがあり現在のように津々浦々にまで竹が広がっている。自分達が植えた竹が、必要なくなり増えているからと言って邪魔者扱い、悪者扱いは少し違うのではないか?




食料として、竹製品加工用として、あるいは観賞用として武家の庭に植えられてステータスシンボルとまでされていた竹なのだ。放置されてしまって、ネガティブな面ばかりが強調される孟宗竹だが、その美しさには惚れ惚れする。お時間のある方は、この30年ブログを読みすすめる前に、まずこの孟宗竹の姿をYouTube動画でご覧いただきたい。


竹根孟宗竹


伐採され、油抜きされた孟宗竹もこの通りの迫力と美しさだ。もちろん淡竹(はちく)や真竹も素晴らしいけれど、日本最大級の大きさを誇る竹だけがもつ雰囲気がある。


根付き竹


直径の小さい竹だと、同じように油抜きした根付きの竹でもこのように見た目が異なっている。


二重切り花器


太い孟宗竹を使った花器は、伝統的に茶華道で広く使われている。竹肌や節をそのまま加工した自然の魅力、竹を最大限に活かしきったのが二重切り花器だと思う。自分の小さい頃には、大小様々な大きさの竹筒が数十本も店頭に並んでいて、さながら孟宗竹の竹林にいるかと錯覚する程だったが、いつの頃からか特別な方だけの限定された竹となってしまった。


竹職人道具


それでも職人は多くを語らない、いつもの道具で淡々と仕事をこなしている。





夏は涼しく冬は温かい猫ちぐら

キャットハウス、猫ちぐら


ずっと販売していなかった猫のお家、猫ちぐらが帰ってきた。最近ではキャットハウスなどと洒落た名前で色々なものがあるようだが、お米の国、日本には稲作の副産物として出来る藁を使った生活用品が昔から沢山あったのだ。このような自然素材の良いところは、夏は涼しく、冬は温かいという機能性と共に、初めての方でも懐かしく生活に馴染むところだと思う。


キャットハウス、猫ちぐら


キャットハウス、猫ちぐら


新登場した猫ちぐら直径は約35センチと、ほんの少しだけ小さくしてもった。それぞれ種類を見比べたみてペットの大きさにもよるけれど、これくらいのサイズ感の方が、落ち着いて寝てもらえるのではないかと思っている。


キャットハウス、猫ちぐら


ドーム状になった上の部分に持ち手が付いているから簡単に移動させられる。ズシリと手に感じる重みは藁を大量に使い、しっかりと丈夫に編み込んでいる証だ。猫ちぐらは、おひつの保温用のわらいずみ(飯びつ入れ)と同じ技術を使って編まれている。地道な職人の手仕事も是非一度ご覧ください。





虎竹ヤタラ編みの内装

竹オブジェ


実は、昨日の30年ブログで登場した鹿児島城山ホテルの部屋には、もうひとつ竹のオブジェが飾られていた。額縁に入れられていて絵画のようなしつらえ。六ツ目編みのデザインを活かしている、六ツ目は古来魔除けなどの意味があり、編み目の多い籠で悪霊を追い払う風習もある。


竹オブジェ


そんな事を意識して創作されてはいないだろうが、並んでいる模様が亀の甲羅のように見えた。竹虎は、戦前の屋号が竹亀なので亀に意匠は嬉しくなった。


虎竹ヤタラ編み壁飾り


このように竹をインテリアに活かしている事例は実は多い。そもそも、竹は建築材として民家の屋根の一部として使われてきており、それが100年、200年という時を経て煤竹となったりしている。現代においても、和風の室内の装飾だけにとどまらず、店舗やホテルなど注意してみれば日本の伝統の息吹を感じる竹が生きている。竹虎も、つい先日からヤタラ編みの壁面製作に励んでいる。


虎竹ヤタラソファベンチ


本店に置かれている虎竹やたらソファベンチのイメージで、平面に編み込んでから壁にはめこむように作る予定だ。


虎竹やたらソファベンチ


工事は急ピッチで進んでいるようなので、近い内には完成するのではないだろうか。もし、完成した室内を公開させていただけるのなら、皆様にもご覧いただけるのではないかと楽しみにしている。



竹灯りが照らす、5つ星城山ホテル

白竹玉照明、城山ホテル


どうしても泊まりたいホテルがあった、鹿児島にある城山ホテル。市内を一望できる高台にあり、雄大な桜島も目の前という絶景の5つ星ホテルだが、自分が宿泊したいと思っていたのは、ただひとつ竹灯りがあるからだ。自分の手元にも、このホテルの数部屋にだけあるという竹編みのボールがある。実は、ずっと懇意にしてきた竹職人が引退する時に頂いたものだ。


白竹玉照明、城山ホテル


その時に、竹編みボールが鹿児島でも一番のホテルに照明として使われている事を教えてもらった。以来、ずっと行きたくて、いつかはと思い続けてきた。あまり知られていないが、この職人の専門は元々竹照明だったのだ。


竹照明カバー


今まで一言も話した事のない竹照明への思いやこだわりは、工房入り口にしつらえた灯りに現れていた。星付きのホテルと聞いて、竹編みに星のデザインを入れたいと何度も何度も試行錯誤したそうだ。


虎竹ペンダントライト


虎竹のペンダントライトを納品させてもらう事があるけれど、竹の割幅を変えると表情が随分と違う。編み込みの密度も異なるので、どんな光が灯るのか楽しみで仕方なかった。お陰で慌ててしまって、広いホテルで迷子になったほどだ(笑)。


白竹ボール照明、城山ホテル


ええっ!?部屋に入って驚いた。竹編みボールはポツンと置かれている、電球などは入っていないようだ。


白竹ライト、城山ホテル


これが照明なのか...そう思いながらスイッチを入れたら、また驚いた。


白竹灯り


スポットライトがサッと竹編みに差し込み影を映し出す。竹一筋に歩んできた職人の竹細工には、いつも感嘆していたが、最後の最後まで凄い。リスペクトしかありません。





別注花器は可動式

虎竹花籠

虎竹で別誂えの花器をご用命いただいた。通常、竹編みのこような球形を編む場合、用途の多くは照明器具である事が多い。特に天井から吊り提げるペンダントライトは、色々な大きさで何度も製作させてもらっている、やはり竹と灯りは本当に相性がよい。


白竹照明


この白竹の照明は、若い頃に竹照明作りで鳴らした熟練職人さんの手によるもの。幅を違えた竹ヒゴを組み合わせた絶妙の作りで、最高の星付きホテルで灯りに使われると聞いて竹編みに星の形を取り入れた逸品だ。


虎竹ペンダントライト


かなり大型の虎竹ペンダントライトも作る事があるが、実は今回の花器とは大きな違いがある。ライトの場合は、竹編みは動かないように固定して作られるが、花器の場合は生け花をされる方の感性によって竹フレームを自由に動かしてもらおうと可動式になるように工夫されているのだ。


虎竹別注花器


この虎竹に、どんな花を活けられて作品となるのだろうか?今から楽しみです。





竹網代編と煤竹の天井

網代編み天井


「どうぞ、ご覧ください」、いつだったか古老の職人さんの工房にお伺いした時に、自宅の網代天井を拝見させてもらった事がある。見た瞬間に大きな声を上げてしうまほど驚いた、立派な網代編みが壁面と天井に張り付けられていた。隅には縄目も美しい煤竹があしらわれ、若い頃から竹職人としてやって来られた自信と誇りを感じた。


竹網代編み天井


網代編みには種類があって、入ってすぐの所には升網代、奥には波網代、壮観である。実は、まったく同じように住まいの天井を竹で飾っている方に会った事があるが、どちらの方も昔ながらの竹人で竹を愛していた。


のし竹


今ではあまり見かけないけれど、当時はこのように室内装飾に竹材を多用される方は多かったと思う。丸い竹を展開して、一枚の板状に加工をする会社があり、この技術で作られた壁材は自分の実家に残されている。竹を板状に伸ばすと、現代の竹集成材とは又違った形で竹節の模様が大きく入っていた。


のし竹


一枚一枚異なった自然の形に面白い、のし竹盛り皿という製品もある。竹を完全に平らにしてしまったものではなく、元々の丸い形に戻ろうとする竹の力が微妙に働いて面白い凹凸の曲線ができる。                                                                                                                                                                                                                          



虎竹八ツ目編み傘立て、梅雨明けに登場

虎竹八ツ目編み傘立て


八ツ目編みで仕上げた虎竹傘立てが新しく登場した。残念ながら、梅雨には間に合わず、ジリジリと照り付ける青空の下での新発売ではあるけれど、さすがにこれだけの大作になるとアイデアはあっても完成には時間がかかるものなのだ。


虎竹八ツ目編み傘立て製造


虎竹フロアライトをお求めになられたお客様から、同じ形と編み方で傘立てのご用命をいただいたのだが、実はそれまでもヤタラ編みの傘立ては年間十数個は製作させてもらっていた。


虎竹八ツ目傘立て


新しい傘立ては、直径が約30センチあるから一般のご家庭では少し大きすぎるサイズだ。コロナ後、飲食や観光に人が戻ってきている飲食店、旅館やホテル様でお使いいただけるように、最大約25本の傘を収納できる黒の艶消し塗装したスチール製の傘立てを入れている。


虎竹八ツ目傘立て


虎竹八ツ目傘立て


なかなか格好の良い傘立てだが、普通のご家庭用には大きすぎる。今度の雨までには、もう少し小振りなタイプも考えてみたくなる。