創業明治27年(1894年)より竹材・竹製品製造卸業として皆様にご愛顧いただいている竹材専業メーカーである、虎斑竹専門店 竹虎(運営:株式会社山岸竹材店)は、ご注文いただいた商品に同封し、季節ごとのおすすめ商品や竹のある暮らしをお届けしている「竹虎通信2026年秋号」を発行しました。今回のテーマは、近年ご依頼いただくことが増えてきた「竹細工の修理」です。
当社には、長年使われてきた竹籠や竹細工について、修理のご相談が数多く寄せられます。中には20年、50年と使い続けられてきたものや、ご家族から受け継いだもの、毎日の仕事に欠かせない道具もあります。壊れたから、新しいものに買い替える。それも一つの選択です。しかし、長く使った道具には、新品にはない価値があります。手に馴染んだ形、使い込まれた竹の色艶、傷や補修の跡。その一つひとつに、持ち主と過ごしてきた時間が刻まれています。
だからこそ当社では、「まだ使いたい」というお客様の気持ちを大切にしています。当社以外でお買い上げになった竹籠でも、できる限り修理をお受けしています。竹細工は、壊れたら終わりではありません。傷んだところに手を入れ、直しながら、また使うことができます。そして修理された跡さえも、その道具だけが持つ新しい表情になっていきます。今回の竹虎通信では、実際に当社へ寄せられた修理の中から、4つの事例をご紹介しています。
山形県のさくらんぼ農家さんから届いたのは、収穫に使われる腰籠。傷んだ縁や底を補強し、再び収穫の季節に畑で活躍しています。20年愛用されたスズ竹市場かごは、お買い物だけでなく猫ちゃんもお気に入りだったという、ご家族の日常そのものが詰まった籠でした。傷みやすい底の四隅を補強し、これからも使い続けられるよう修理しました。
さらに、お父様との思い出が詰まった約50年物の竹編みゴミ箱もあります。長い年月で傷んだ口部分を中心に虎斑竹へ取り替え、大切な思い出とともに再び暮らしの中へ戻りました。
京都のお茶農家から依頼されたのは、祖父の代から使われてきた巨大な茶籠「おおかご」です。約25キロもの茶葉を入れる大切な仕事道具で、持ち主は愛情を込めて「この子」と呼びます。傷んだ幅広の竹ひごや極太の力竹を、孟宗竹と真竹を使って昔の技法に近づけながら補修しました。この修理は道具を蘇らせるだけでなく、熟練の竹職人から若手職人へ昔ながらの技を伝える貴重な機会にもなりました。
実は、竹細工の修理は、一から新しく作る以上に難しく、手間がかかる場合があります。傷んだ部分だけを単純に取り替えればよいわけではありません。周囲を傷めないよう慎重にほどき、古い部材を取り外し、元の竹細工に合う太さや幅の竹ひごを竹材から採り、一本一本加工して組み直していきます。長年使われて形が変化した竹細工だからこそ、その状態を見極めながら職人が手を動かさなければなりません。そのため、新品を購入するより修理代が高くなる場合もあります。それでも「この籠だから使い続けたい」と修理をご依頼くださる方がいます。当社が大切にしたいのは、まさにその気持ちです。
新しいものを次々と手にする豊かさだけではなく、一つの道具を大切に使い、壊れたら直し、また使う。手をかけながら暮らしを共にすることで、その道具は単なる「物」ではなく、自分だけのかけがえのない存在へと育っていきます。修理によって受け継がれるのは、竹細工そのものだけではありません。使ってきた人の思い出が残り、竹職人の技が受け継がれ、竹を大切に使う暮らしも未来へとつながっていきます。
<2026年8月10日(月)発行>
2026年秋号の竹虎通信
※高知家健康経営アワード2021
※令和2年度ふるさとづくり大賞総務大臣賞
※第7回環境省グッドライフアワード環境地域ブランディング賞
※RED BULL BOX CART RACE TOKYO 2019準優勝
※第33回 高知県地場産業大賞高知県地場産業奨励賞
■本プレスリリースに関するお問い合わせ先
竹虎 (株)山岸竹材店 竹虎四代目(山岸 義浩:やまぎし よしひろ)
E-Mail:info@taketora.co.jp
<本社>竹虎(株)山岸竹材店
〒785-0024 高知県須崎市安和913-1
TEL 0889-42-3201 FAX 0889-42-3283 (営業時間 9:00~17:30)
