竹屋のお茶

竹の葉のお茶


もうもうと真っ白い湯気がたちこめている真竹の湯ぬき作業場。竹を束にしていれられる5~6メートルもある長い筒状の釜から沸き上がり、飛びちる熱湯。甘い竹の香りがただよう竹虎の工場の中でも、この真竹の湯ぬき釜のあたりは、さらに独特の甘い、熱気と湿気に包まれていました。


寒い朝もランニング一枚になって湯気のあがる竹をふきあげていく職人さんたち、いそがしく動くほうかぶりのおばちゃん、見ている間に色がかわっていく白竹...。


竹の葉でいれたお茶を口につけたら香りの思い出とともに、うずたかく積み込まれた竹のずっと向こうから竹をきる丸ノコの音が、竹をあぶるガスバーナーの音が、にぎやかに竹を運びだすざわめきが、今でもはっきり聞こえてきそうなくらい幼い頃があざやかに蘇ります。だから、このお茶は竹屋のお茶だと思うのです。


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