ぞうを揉む。

鰻ウケ


まっこと、無事でよかったちや!この数日、どうやろう?思うて、ぞうを揉みよったがです。おっと、「ぞうを揉む」とは土佐弁で心配する言う意味ぜよ。象を揉むがじゃあないきに、臓を揉むばあ気にかかる言う意味ながです。まっこと(本当に)、いくら何でも象は揉めんきににゃあ。


まあ、こうやって軽口も言えるがは、先週わざわざ遠く来られちょった東北学院大学の教授の先生がお勤め先の大学も、お住まいも仙台やったけんど、何とか、ご家族全員が無事で元気やとお知らせ頂けたきながです。本当にホッとしました。感謝しました。竹虎まで一緒に来られちょった大阪万博の跡地に設立されちゅう国立民族学博物館の教授の先生と二人して「こりゃあたまるか!!!」言うばあ熱心に、鰻ウケを編み込む職人の姿を瞬きひとつせんような熱い熱い視線で見つめよった...。


片手にビデオカメラ、片手に高性能デジカメ、口にノートを挟んで時おりメモなどを取りながら、まっこと真剣そのものやったがです。こんなにテンションが上がることは無いにゃあ。そう思うほど竹虎の工場にピンと糸を張ったような緊張感がただようちょりましたちや。


鰻ウケ


「この竹細工を動画で撮影するのは恐らくこれが最初だろう」


2台のビデオカメラで職人の動きを、熟練の手元を撮り終えた先生が言います。職人のおんちゃんには慣れん場所で仕事させてしもうて苦労かけましたけんど、これも将来の人がご覧になられて記録として何かの役に必ずたつことやと思うちょります。


1年後くらいに、色々な日本の手仕事を集めたプロジェクトの集大成が発表されると言うてましたが、今度の大災害で、これからの事はなかなか分からない事もあるかと思いますけんど、困難をのりこえて、必ずひとつの大きな成果として後世に残っていく事と信じちょります。


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