職人の作業台

職人の作業台


竹職人と、いつもの話をしよります。山の事、人の事、明日の事...、ブーーーーーン、ブーーーーーン、暑いので工場は窓も出入り口も開けっ放しやき大きなスズメバチが入ってきたちや。職人さんは間髪入れず手元の新聞紙をまるめて追いかけて行きよります。


「これに刺されたら大変やきに」


おっと、ワシの方にハチが向かうて来たぞね。


「作務衣みたいな色の濃いものを着ちゅうと刺されるで」


職人さんが言います。


「だから、ワシらあ山に入る時には明るい上着を着るきに...」


なんでも黒っぽい暗い服やとスズメバチの天敵のクマと間違えて攻撃される事があるそうながです!


「ほりゃあ、イカンちや~」


職人さんに言われるまま別の作業部屋に避難したところで、ふと目を落としたら作業台の上に使い込んだノギスがひとつ。こりゃあ、かなり正確に測れるダイヤル式ノギスぞね、これで竹ヒゴを一本、一本測って竹編みしていくがやにゃあ、まっことキチンとした仕事をしてくれゆうちや、ありがたいにゃあ。道具ひとつからでも竹職人さんの心意気を感じるがやき、まっこと、ありがたいにゃあ。


コメントする