昼間の竹楽

竹楽


滝廉太郎が作曲した「荒城の月」で有名な岡城は、城好きな方だけでなくても名前くらいはご存じの方は多いかも知れませんぞね。山深い大分県の竹田市にある、難攻不落と言うてもエイような深い谷と険しい山に守られた素晴らしいお城ながです。昔なら、防備のために恐らく城山の木は全て伐り倒されちょって、天守や櫓からは下を流れる大野川までハッキリと見渡せたのではないかと思うがですが、今では石垣の上から眺めると樹木や竹林が生い茂っちゅうがです。


竹楽


九州は元々竹の生育には適しちょって、竹田市のあたりも地名通り竹が多い地域ながです。いつだったか、随分前の事やったですがこの城山の竹を伐採されている複数の方に出会ったことがあったがです。聞いてみると、この竹が竹灯籠として使われるという事。この時には大量に伐り出された竹に、ちっくと驚きましたけんど竹の活用が年々少なくなっていくなかで荒れていくばかりの竹林を整備する目的ではじまった竹楽は、今では2万本の竹灯籠を町中に灯す素晴らしい一大イベントとなっちょります。


竹楽


九州の小京都とも呼ばれる竹田の落ち着いた街並に、無数の小さな竹灯りがつく幻想的な様子は、まっこと見事。毎年のように沢山の観光客の方が来られよります。けんど竹楽がエイのは夜だけではありまんぞね。昼間の竹田を歩くと竹を思い思いに加工されちゅうのに出会います。


竹楽


担当者の方は竹楽は竹にあまり手を加える事はせず。それよりも次の100年に向けた取り組みだと言う事を強くお話されよって凄いにゃあと感じ入ったがですが、面白い形や切り込みを入れた竹達が夜になったら、どんな表情になるうか?単純にそんな事を想像しながら歩く楽しみも竹楽かも知れませんぞね。


けんど、一度行かれると分かりますけんど、まっこと何と温かい空気の流れゆう所やろうか?学生さんから大人まで、「こんにちわ」と誰かれなく挨拶して頂ける。竹田の町歩きは心が和みますぞね。この町で小さな子供から大人まで、いろいろな立場の方が竹に関わる、竹と遊ぶ、竹灯りの先駆けとしての竹楽には毎年足を運びたくなるがぜよ。


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