今日が始まりの日

 
塩月寿籃作花籠


竹籠はエイとつくづく思うがぜよ。こうやって眺めよったら久しく会うてない作家の方であっても、何やら会いゆうような気がしてくるがです。籠の正面が顔のように見えてくる、まっこと不思議ぜよ、面白い。「満月」と名付けられちゅうこの籠は、塩月寿籃さんという竹芸士の中でも高名な先生ながです。何度かお会いさせてもろうた事がありますけんど、同じ部屋におっても自然体で物静かな空気感は独特やった。ある種、悟りを開いた仙人のようでもあり、ストイックに道を極める哲学者のようでもありましたぞね。


もう竹編みをされる事もなくなり、何年もお声も聞かせて頂いてないけんど、籠を手にのせてみたら寿籃さんの心の温もりが伝わってくる。銘の横には「八九」と創作された年号を入れてくれちょります。そうか、あれから20数年も経っちゃあるがか...!?遠い昔のようですけんど、いやいやそんな事はないですきに。籠からはあの頃の気迫が伝わってくる。竹と向かう寿籃さんの横顔が鮮やかに蘇ってくるちや。


こんなに深く静かな時間をいただける。そして、この籠と自分との間におる人達を連れて来てくれる。こんな籠の事をどれだけ人に伝えられるろうか?まっこと、何ちゃあ出来ちゃあせん。自分は何をしよったがやろうか、今日が竹の始まりの日のように思えてきたぜよ。


コメント(2)

おかん 返信

竹細工がとても美しいです。
日本の誇りですね。
高くて手が出ませんが・・・。

竹虎四代目 返信

おかん様

コメントありがとうございます!
ご覧いただき、この竹の美しさを感じていただいただけで
こじゃんと嬉しいがです、ありがとうございます!

また、いつでもご来店いただき
人を魅了し続けてきちゅう竹をご覧いただけたらと思います
何卒よろしくお願いいたします。

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