雪餅草


竹林


おんちゃんよ、今日はあの時の竹林に行っちょった。あの頃は、まだまだ元気で、おばちゃんと一緒に仕事をしよった。急な傾斜の焼坂の山道で重たい竹の束を肩に担いで、若い学生さんたちにビックリされたのが昨日の事のようやちや。


ずっと、ずっと前の昔話ぜよ。自分が祖父の愛犬アトマと薄暗い竹虎の工場で遊びよって、なんかエイ、甘い匂いがするにゃあと思うて、引き寄せられるように行ったガスバーナーの所で、ランニング姿で汗をふきふき竹を矯めよった、川に突きだして作られた作業場にはラジオの音。子供心にも初夏の心地よい風が入ってきよったにゃあ。


雪餅草


おんちゃんよ、90歳までお疲れ様でした。ほんわかと包みこむような優しさと寡黙さと、山から帰ってきたら着物に着替えて新聞を読みゆうそんな姿が格好エイにゃあと思いよったがぜよ。


今日は竹が泣きよったで、腰にナタを提げて、ここに来ることはもうない、そう言うたら泣きよった。けんど、また助けてくれますろう。ボクがどうして生まれたか。ボクがこれからどうするか。皆と上から応援しよっとうせよ。


ひとり歩いて帰る山の中、色のない景色にポツリ。ふと目にとまったがは美しく咲いちゅう一輪の純白の花。おんちゃんが見せてくれたがやろう?雪餅草、花言葉は「苦難の中での力」。まっこと、自信も何ちゃあないけんど、言うしかないがやにゃあ。


「後は任せちょいてや。」













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