須崎市制施行60周年で産業功労表彰を受賞


安和の海


虎竹の里は日本で唯一虎竹という虎模様の竹が生育する不思議な里ぜよ。これは、いつもお話させていただく事なので、竹林だから当然山深い場所を連想される方が多いように思います。けんど、実際は来られた方が少し驚くくらい海も近く、すぐ目の前には安和海岸があり美しい太平洋を望む事ができて、かつては学生さんが遠足などにも良く来られた所でもあるのです。


海が近いというのは実は、この地域だけにある虎竹の成育にも、また、流通にもこじゃんと(とても)都合のエイ事やったがです。と言いますのも、海の潮風が虎竹の模様に影響を与えているのではないか?そう話される大学の先生もおられますし、又竹の品質管理にも恐らくずっと役だってきたと言われる熟練の竹職人もおられます。


そして何より、かつて藩政の時代には虎斑竹は土佐山内家への年貢の代わりとして献上されていたという竹でもあるがです。自分の小さい頃でさえ、この地の道路は未舗装で曲がりくねり、車の往来にも大変な苦労をする所やったです。それが江戸時代の土佐藩の頃となると更に細く、獣道に近いような場所さえあったのではないかと推察されます。遠く高知城下まで長尺の虎竹を運搬するのには、どうしたろうか?


竹虎四代目


それが、海運やったがです。ちょうど自分の写る後ろのあたりの浜辺から、虎竹を船で運んで行ったようながぞね。そう言うたら旧道から海に繋がる道がここにはありますので、山から運び出して浜辺に出しやすかったがですろう。ちなみに太平洋戦争が終わった直後の竹虎の工場も、実はこの辺りに借家をして操業を再開しちょります。


双子島


自分が小学校高学年の頃になると綺麗な国道が整備され、大型トラックやバスが行き交うようになりましたので、竹虎と安和海岸との関係はあまり感じた事はなく、小学校の校歌で双子島が出てくるくらいでしたろうか。


おっと、けんど今になって思うたら、その双子島の右手の磯の上に白く線のように見えるのはガードレール。現在の国道や近年ついた高速道路はトンネルの直線道路ですが、幼い頃には海岸線に沿ったこの細い断崖の道が自動車の走っていた唯一の道路ですので、虎竹の里がどれだけ交通不便な土地やったかと言う事が分かりますろう。


竹虎


さて、前置きが少し長くなってしまいました。実は明日10月5日(日)の須崎市制施行60周年記念行事で、会社組織としては、ただ一社だけ竹虎が産業功労表彰を頂くがです。このような晴れがましい60年と言う大きなイベントの中で、小さな田舎の竹屋である自分達が受賞させていただくのは、どうやろうか?創業120年の節目という事もあるかも知れませんけんど、こじゃんと(とても)戸惑いがありましたぞね。


けんど、すぐに思い直したがです。それは自分達が頂く産業功労表彰ではないと思うたきです。100年前、この浜に初代宇三郎が大阪から命を賭してやって来た。この地の風土が生み出す竹に魅入られた。二代目義治は、この浜で竹を干した。三代目義継が支え守ってきた。


その竹の浜で遊んだ自分達は先人の皆様のお陰で生かされちゅう。ずっと同じく竹の商いをさせていただき活かされちゅう。そんな感謝の気持ちを先人の代わりに代表して受賞いただこう。それやったら苦労に苦労を重ねて今の虎竹の里を築いた祖父も、歯をくいしばりやってきた父も、ほんの少しやと思いますけんど喜んでくれるがではないろうか?


台風が近づいて来ているようですけんど、初代宇三郎も、きっと空の上から見てくれゆう。明日は、そんな一日になりそうながぞね。













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