雑誌「Fielder」掲載の鰻ウケ

雑誌「Fielder」掲載の鰻ウケ


小さな頃には自然の中で遊ぶのが当たり前の事でした。春、夏は近くの川や海で、秋から冬は虎竹の里の山々で、今から思うたら、まっこと幸せな子供時代を過ごさせてもろうちょります。海の幸、山の幸、そして川の幸にあふれちょった。


海に行けば魚釣りから貝取り、変わったところでは穴ダコ捕り、マテ貝の穴に塩を入れて貝捕りされる方は多いかも知れませんが、タコの穴に灰を入れて小さな穴ダコ捕りは珍しいですろう。山では山菜やアケビなども取りましたが、野生の果実の木があって、まるで全員が猿のようになって木に登り、むしゃぶり食べていましたにゃあ。特にビワなどは後から考えたら贅沢品、けんどあの時は上着がビショビショになるくらい食べよりました。


コブテと言われる鳥用のワナも上手な先輩に習って良く仕掛けましたぞね。まっこと猟師ではないですけんど、ひと冬毎日ずっと山に通いよった事もあるがぜよ。捕った山鳥は竹職人さんの所に持っていくと毛をむしり下ごしらえしてくれたりしていました。皆で焼いて食べるのですが、食べられる所は少ないものの、これが美味しかったにゃあ...。今では山鳥を捕ること自体禁止されちゅうようですし、虎竹の里でも全く見かける事はなくなりましたぞね。


自然と向き合う事は、子供心にも本当に面白く、刻々と変わる自然の表情に感動さえ覚えるような事が多々あったがです。川もそうですちや、朝靄のかかるヒンヤリした初夏の空気のなか、清々しい川の流れに足を踏み入れると、川原特有の何ともいえない香りがするがです。


前の日に仕掛けた鰻ウケを上げに行く楽しさ、数十年経った今でもハッキリ思い出されますけんど、先日雑誌「Fielder」という雑誌に鰻ウケの事を掲載いただいたがぜよ。野生食材図鑑とありますけんど、自分達にしたら先輩や親に習ってきた事が本になっちょります。鰻ウケの他には千葉の魚捕りの方法である「ボサ漁」、福島の「ズ」、新潟の「モジリ」など色々な漁具が掲載されちょります。どうも東に行くと竹の違いからか竹編みの漁具よりも細い丸竹を何本も使った漁具が沢山あるようですにゃあ。日本の昔からの道具というのは気候、文化、生活が見事に表れて、まっこと色々拝見させて頂いても興味が尽きませんぞね。


高知県でずっと編まれたきた鰻ウケですけんど、前に大学の先生や民俗研究の方が来られた事もありますが、別段珍しいとも思わなかったものが雑誌に掲載いただいたり、遠くからお越しいただくことを考えたら、やはり貴重な存在になりつつあることを思わずにおれませんちや。そうそう、それを裏付けるかのように鰻ウケの職人さんの動画を掲載しちょりますが、何と再生回数が42000回越しちゅうがです、よかったらご覧くださいませ。



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