ふたえばら

二重編み竹ざる


夏から楽しみにして、ずっと待ちよったがですぞね。旬の良い良質の孟宗竹を使うた大型の二重竹ざるが出来上がったがです。こじゃんと(とても)しっかりした網代編み部分と、磨きをかけた厚みのある縁部分が職人のこだわりを物語っちょりますが、一番の特徴は何というても二重編みになっちゅう事ですぜよ。


網代編みの表面からは見えませんが、裏返したら底部分一面を六ツ目編みでガッチリと補強されちゅうぞね。「ふたえ」=「二重」、「ばら」=「ざる」、つまり「ふたえばら」とは二重になった竹ざるの事。昔から竹ざるは色々な仕事に多用されてきましたので、強さが求められる中で、このような編み方になったがですろう。


ふたえばら


底の二重になった六ツ目編みは編み上がったばかりで青々としちょります。この青さはすぐに落ち着いた色合いに変わりますが、この竹にも職人のこだわりがあるがです。


実は表編みは孟宗竹を使うちゅうと言いましたが、底の六ツ目編みは真竹が使われちょります。磨きをかける縁部分などと違うて、ここは竹表皮そのままで使います。孟宗竹は時間がたつと表皮が白く剥がれて見栄えが良くありません。そこで底編みには、わざわざ真竹を使うちゅうがです。竹の種類を変えている事などは分からない部分ですが、こんな細かい所までにも神経を使うのが、自分の仕事に誇りを持つプロの竹職人というものながです。


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