京都の真竹 その2


京銘竹白竹


湯抜きの白竹は白さが強調されていて、それは、それで晒竹の綺麗さというものを感じるのですが、火で油抜きされた白竹の魅力というのは又格別なものがありますぞね。火抜きされた何とも雰囲気のある光沢と美しい白竹の表皮をこじゃんと(とても)注意深く見ていくがです。そう、まるで虫眼鏡片手で探偵にでもなったかのような気分になって、じっくり、じっくり探していくと、ようやく見つけられる、小さな小さな穴が節と節の間の稈の部分に開けられているのです。


この穴は入荷した青竹を水洗いした後に、それぞれの節間に職人さんが極細の高速ドリルで開けられた穴ぜよ。けんど、わざわざ穴を開けるのはどうしてやろうか?話さない限り、大方の方が気づく事すらない穴の存在を知ると、何故、開けられたものなのか不思議に思われるのが普通ですろう。


白竹の穴


実はこの針の先ほどと言うても大袈裟でないような細かい穴は、青竹をガスバーナーで炙って油抜きしている時に必要になってくる穴なのです。竹の何処の部分にでも適当に開けている訳ではなくて、元の部分には必要ないですが、ウラ(先端)の方になるにしたがい、竹の身の厚みが薄くなるので元から2メートル程度の高さから上には、一つの節に一つの穴が開けられちゅうのです。


炎で竹を熱していくと節間にある空気が温められ膨張し、ついにはパンッと大きな音をたてて割れてしまう事あるがですぞね。竹虎の工場でも虎竹の油抜きが始まると、竹独得の甘い香りと、パンッと甲高い音を立てて節合いが勢いよく割れる音が聞こえきますぜよ。もちろん、割れてしまうと商品価値はなくなりますので、そうならないようにガスバーナーでの油抜きの加減をしていくのです。炙り時間が短いと竹に含まれる油成分が出切っていないので、ウエスで拭き上げるにしても、綺麗に拭き取れずムラが出てしまいます。反対に時間が長すぎると焦げる事もあれば竹割れを起こす事もあるのです。


油抜きをする際の熱を利用して竹の曲がりを矯めていきますが、この矯めの工程でも、熱の入れ具合により音を立てて割れる場合があります。こんな小さな穴ひとつで、そんな割れを未然に防いでいるのです。ところが、この穴も全ての竹材に開けるという事ではないがぜよ。丸竹のまま使う場合には穴を開けて出来るだけ割れない工夫をしよりますが、短く切って加工していく材料には開けてないのです。


これは、こんな小さな穴からでも湿気が入り、竹の内側にカビなどが発生する事があるからなのです。切断面を見せる寸胴など花器に加工する場合は、火抜きの熱の入れ具合により、黒ずみがシミのように見えますので油抜きには慎重な作業が要求されますけんど、それと同じように竹の外側の美しさばかりでなく、切ったり、割ったりしないと分からない竹の内側の美しさまで心を配る職人気質、まっこと、知れば知るほどに竹職人の技と深い愛情に驚くばかり。室内装飾用、あるいは加工用として厳選に厳選して一本づつ大切に生み出される、京銘竹の伝統と凄みを感じずにはおれないのです。













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