バンブードーム in ベルギー

バンブードーム


5月にベルギーのOPRINS社さんに見学に行ったお話しを前にさせてもらった事があります。実は、その時にちっくと不思議なバンブードームを見せてもらっていたのです。それは広大な農地の中に建てられた大きな大きな納屋の二階部分に、ひっそりと、随分と前からそこにあるかのように置かれちょりました。近くで拝見させてもらいたくて梯子をかけてもらって上に登ると高い天井部分から光りが差し込み、ちっくと神聖な感じがしますぞね。けんど、一体このようなバンブードームをどうしたがやろうか?不思議に思っている自分の気持ちを察していただいたのか、案内してくださったウォルターさんが説明してくれました。


バンブードームOPRINS社


OPRINS社さんは今ではヨーロッパの広い市場に竹をはじめ色々な植物を観賞用として流通させられている会社様なのですが、元々こちらの経営者の方が竹が好きで今の事業に繋がっているようです。なので、このバンブードームもイベントで使用したものをそのまま保管されているとの事でした。遠くから見るより近づいてみると、かなり大きなものですちや。中に入ってみると、よりその広さが分かります。この構造は気象観測用のドームか何か山の上に建っているのをテレビで見た事がありますにゃあ。


OPRINS社バンブードームジョイント部分


その構造を支えているのがジョイント部分に使われてちゅう金具です。六角形の形で、どの方向にも竹柱を伸ばす事ができるし、切り込みを長く取っているので角度をつける事もできる、このような金具が既製品であるがですろうか?まっこと、なかなか工夫されちゅうのです。竹柱の口部分には木材のような材質のものを稈の空洞部分にあわせて削り、一定の長さではめ込み、金属棒を出しているのではないかと思います。


バンブードーム金具


それにしても丸竹を使う場合の悩みというのは万国共通ですにゃあ。こちらの竹にも金属製の鉢巻きが、両サイドにしっかりと巻かれちょります。このような金具は日本にもあるのですが、実は、自分も竹割れ防止に使ってみたことがあるのです。ところが、こちらのバンブードームのように、竹と金属を組み合わせた作りですと違和感はありませんが、自然素材だけで造形を作りたい場合には、あまり格好のエイものではなく、結局、その後に使用したことは一度もないのです。


日本とベルギーと、これだけ遠く離れていて、言葉も文化も違い、今まで交流なども一切なかったにもかかわらず、竹に関しては同じ問題を抱え、同じ解決方法を模索していたとは...。本当にOPRINS社さんとの気持ちの距離が一気に縮まった瞬間でした。


竹は無限、そして、その世界は一つ。


来月、韓国潭陽で開催される世界竹会議に参加させてもらうのは、この思いを、各国から集う皆様と分かち合いたいからに他ならんがぜよ。


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