中国浙江省の安吉竹海、「竹」+「二人」=「笑」

中国浙江省湖州市安吉県の竹林


中国の浙江省湖州市にある安吉県に久しぶりにお伺いする機会があったがです。竹の産地でもあり、竹の仕事に従事されている方も多くて、実に様々な竹製造の工場がある地域ですぞね。日本をはじめ世界に運ばれて行く中国の竹製品の多くは、この辺りの竹も多用されるのではないかと思います。


竹虎では海外製品の輸入はあまり考えた事はありませんが、海外から同じような製品が運ばれてきて価格では太刀打ちできず、こじゃんと(とても)大変やった時期があるがです。そこで、そんな日本の竹の現状を考えた時に、どうしても安吉県を中心とした中国の竹林や竹工場、竹職人さんを見たいと思い何度となく足を運んだ地域でもあるがです。


中国浙江省湖州市安吉県の竹山


今回は恐らく二十年ぶりの安吉県ではなかったですろうか。けんど、行く前から本当に楽しみにしていたのは、ずっと忘れる事のできない山全体を覆う竹林だったのです。中国の竹林面積は673万ヘクタールやそうです、日本が約16万ヘクタールですので何と42倍!国土の広さもありますが、とにかく日本とはスケールが違います。山裾から頂上まで全てが竹に覆われています!そしてその竹が遙か向こうの山々まで続いちょります。


広大な大陸と大自然のイメージを中国に持っていましたが、実は中国の森林資源は以外と少なく森林面積は世界平均の4分の1以下であり材木の半分を輸入に頼っているそうながです。わずか3ヶ月で親竹の大きさに成長し、3年で製品に活用できる竹が注目されちゅうのも頷けることですにゃあ。けんど、755万人もの方々が竹産業に従事されていると聞くと、日本の竹産業と、どうしても比べてしまって羨ましくもあるのです。


江西省の竹海(ちくかい)


INBAR(国際竹籐組織)のお名前を聞いたのは確か昨年9月に韓国潭陽で開催された第10回世界竹会議(World Bamboo Congress)ではなかったかと思います。このINBARの本部も中国にあって、竹の関する研究など進められゆうそうですが、これからの世界の竹は、ますます中国がリードしていく事は間違いないですろう。


竹は元々熱帯系の植物でもありますので中国での竹分布も福建省、江西省、浙江省など南に位置する各省で全竹林面積の約半分となるそうですが、その中でも江西省の竹海(ちくかい)と言われる写真があって見る事もできましたぜよ。このように竹林に覆われた山々が、がまるで竹の海のように広がっている光景に圧倒されると共に竹の大きな可能性を感じずにはおれません。


安吉県竹海


以前来た時に安吉県も周りが竹ばかりだったので職人さん竹海の話しを聞くと、このまま1週間車で走っても、ずっと同じような竹ばかりの景色だと笑っていた事を思い出しましたちや。この安吉竹海の他にも内陸の方に行った四川省宜賓の「蜀南竹海」という凄い竹海があると教えていただきました。映画「グリーンディスティニー」の舞台にもなった竹林と聞き、あの美しい竹林での戦いシーンを思い出し一度は行きたいなあと思うのですが、やはり中国は圧倒的に広い、そしてさすがに竹のルーツの国と感じるがです。


文字を書かれた竹


自分などは山裾から頂上まで広がる竹林のまさに「大海」に感動して、ずっと眺めていたい気持ちになりますけんど、このような竹海はどうして出来たのでしょうか?ある方に聞くと、昔からあったとだけ語られますが、いやいやそうではないですろう。もちろん、元々竹の生育に適した土地であり広い竹林があったと思いますが、それを竹職人が広げて来た歴史があるはずです。


そう、かって100年前に虎竹の里に初代宇三郎が初めて訪れた時から少しづつ虎竹の林を広げてきたように。中国の竹林も人に活用され、手入れされ続けてきて今のような姿になったのです。それが先に言いました竹産業従事者755万人という数字であり、竹産業総生産額1845億元(約3兆2000億円)という金額かと思うのです。


今回お伺いした安吉の竹工場の裏手には竹林が広がっています。あまりの美しさに誘われて少し山を登ってみる事にしたがです。そうすると所々の竹に何やら文字が書かれちょります。一体何やろうか?地元の方に聞いてみると、この竹の年齢と持ち主の名前が書かれているとの事です。竹林には複数の所有者がおられるようで、その目印のための物だったのです。かって日本でも里山の価値が高く、木材が今以上に財産であった時代には一本づつ所有者の氏名を書いていたと何かで読んだ事があるがですが、この地域の竹が今でも人々の暮らしに密着し、大切にされている証だと思うて感激しましたぜよ。


安吉の竹林での筍


竹が身近で生活にとけ込んでいる事は、一緒に案内してくれる地元の方々の言動からも伺えます。一人の女性が竹林に入ると聞いて喜んでツルハシのような道具を肩に担いで来られていました。ちょうど筍の季節という事で山に行ったついでに掘って来ようと言うのでした。


日本だったら筍を掘るどころか竹林に足を踏み入れたことの無い方も多いというのに、まっこと竹の本場ぜよ。筍を掘る手慣れた様子を拝見していると何とも言えない幸せな気持ちになってくるのです。ここには国境はない、あるのは「竹」と「人」と「笑」だけぞね。



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