虎竹から一条の光

国立ギメ東洋美術館(Musee Guimet)、田辺小竹さん、竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI),作務衣,さむえ,SAMUE


日本唯一の虎竹が遠くフランスはパリの国立ギメ東洋美術館(Musee Guimet)のインスタレーションに使うて頂いちょります。創作されたのは代々続く竹芸家の四代目、田辺小竹さん。田辺家の初代竹雲斎さんが竹工芸を始められのは明治22年といいますので竹虎の創業(明治27年)と近く、田辺小竹さんと自分は同じ四代目となります。竹を芸術の域にまで高めて来られた家柄と、自分達のように市井の竹を商売としてきた者とではステージがちっくと違うちょりますが、同じように代々竹と共に歩んできたと言えるかと思います。


田辺小竹さんが自分達の虎竹を好んで作品に使っていただける事から、ご縁ができて作品を拝見する機会も増え、今回は遠く海外まで行かせていただく事にもなりました。たまたま自社でも、先の2月にニューヨークのCOTERIE(コーテリ)展という展示会に参加させてもらったばかりでもありましたので、海外から日本の竹を見る目というものを少しづつ肌で感じつつあった所でした。ギメ美術館でもヨーロッパ各地から来られる皆様の表情から明るいもの感じ、だからこそ日本で続いてきた伝統の竹の大切さを深く思いよります。


ギメ東洋美術館(Musee Guimet)田辺小竹さん竹のインスタレーション


日本の竹と人との関係は数千年の古より続き人々の生活をしっかりと支えていながら、しかし決して高く評価されてはきませんでした。自分の力など小さくて到底及ばないものの、どうにか竹を守りたい、他の事は何もできない自分の命の使い道は此処にしかないと腹をくくる事のできる美しい竹や多くの素晴らしい竹人にお会いしてきたのは自分の一番の幸運ぜよ。


「どうして竹なのか?」
「誰のために竹なのか?」


田辺小竹さんには最初からそれがあり、迷いがなくビジョンや夢を感じる希有な存在ではないですろうか。竹屋も四代続くと流れる血も竹の血だ、とは自分が人に話すことですけんど、きっと田辺さんにも同じように、そんな竹の血から流れているに違いないがです。


大きく変わっている日本の竹の世界、虎竹の編み込みから差し込む一条の光が見えちょります。


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