八割れ下駄、二つのこだわり

八割BLACK下駄、竹虎


いよいよ鼻緒の履き物が気持ちの良い季節になってきて毎日出来る限り素足で過ごしたいと思っているのです。竹皮スリッパを初めとして竹皮下駄、虎竹下駄、ちょいワル雪駄まで色々と鼻緒の履き物は沢山持ってはいるのですが玄関までやってきて上履きの竹皮草履を脱いで、いざ外履きに履き替えるとなりましたら、ついつい足が選んでしまうのが、この八割BLACK下駄ながです。


歯下駄や右近下駄など竹皮の台であったり、竹貼りであったりですから足裏への感触が最高ですが、どうしても普通の靴のようには歩けません。けんど、このような下駄でしか見ることの出来ない風景もありますので自分の場合は、どちらかと言うと休日の日や少しゆったりできる時に履くようにしています。そうそう思い出しましたがパリに行った時の事、もう二度と行く事もないと思うて街を竹皮男下駄(歯下駄)で歩きたくて持参しちょりました。ところが歩いてみると石畳の多い街です、足元が不安定で少し歩きづらくやはりその場所ににあった履き物があるのだと思うたものです。


その点、八割BLACK下駄は普通の右近下駄と同じように桐素材の台でありながら八割の言われもとなっています切り込みが入っていて履き心地が木製の下駄と思えないようにソフトながぜよ。あの石畳の道も難なく歩けたのではないかと思いますが、鼻緒の下駄の良い所と、運動靴の歩きやすさという良い面と、両方の良い所取りをした履き物ながです。


八割BLACK下駄、極太鼻緒


昭和の古い時代は良く履かれていた履き物ですので、熟練の職人さんの中には懐かしまれる方もおられますが、この八割には、いつくか自分のこだわりもありますぞね。そのひとつは「BLACK」と名付け事になった黒染めの竹皮。白っぽい竹皮の色合いを落ち着いた黒色にする事で焼き磨きした桐台とも相性よくマッチして全体的に渋い雰囲気になっちゅうのです。


そして、もうひとつのこだわりが極太の鼻緒ながです。竹皮の色合いに合わせて黒一色のご用意しかない鼻緒ですが、この八割BLACKのために専用に仕立てた鼻緒ながです。最近の若い方を中心に鼻緒の履き物に不慣れな方も多くなりました、実は下駄を履くと足が痛いというお声を頂く事も多いので、せっかくソフトな履き心地で多くの方に馴染みやすい、この八割は少しでも快適にご愛用いただきたいと特別に製作する事にしたがです。


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