初めてなのに懐かしいスズ竹の写真 その2

スズ竹行李


母の実家は古い農家だったので、小さい頃たまに遊びに行って鬼ごっこなどで物置などに隠れると積み上げられた布団の傍らに行李が何個も置かれていました。角を黒い当て布で補強したヤナギ行李がほとんどだったように覚えているのですが、もしかしたらスズ竹製のものもあったのかも知れません。


とにかく、昔の衣装箱といえば、このような自然素材で編まれたものばかりやったのです。画像の行李は小さいタイプですが、サイズ的にはもっと大きなものが中心でした。そして、こような綺麗な色合いではなく使い込まれて色は飴色に変わったり、少し破れた所があったりでしたが、その上に飛び乗っても衣類のいっぱい入った行李はビクともせず、踏みしめる足には弾力が伝わってきて子供心にも丈夫な箱だという意識はあったのです。


ヒゴ取り機械


家庭でなくてはならない竹製品を大量に製造するために出来るだけの工夫が繰り返されてきた中で、このような竹のヒゴ取りをする機械も生み出されたのだと思います。元々あったものではありません。それぞれ地元の鉄工所さん等に相談して、その産地特有の機械を作ったはずなのですが全国各地で見る竹加工用機械は良く似ていますので、どこかのタイミングで技術交流が行われていたのかも知れません。


天井のホイール


かって盛んに製造されていた竹細工の痕跡は天井にありました。動力で回す鉄棒に取り付けられたホイールが3個見えますが、かってはそれぞれにベルトが巻かれその下にはヒゴ取りの機械が並び賑やかな音を立てていた事だと思います。


古い竹工場の写真


これも、初めて見せて頂いた写真なのに懐かしい仕事場風景ぜよ。自分の小さい頃の竹虎の工場のような雰囲気、頬被りの叔母さんがこちらを振り返ったら、あの優しい笑顔に出会えそうな一枚を、何度も何度も見てしまうのです。


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