旧伊藤伝右衛門邸、柳原白蓮の間にて

旧伊藤伝右衛門邸、柳原白蓮の間、竹障子


伊藤伝右衛門という人物を実は知りませんでしたが、福岡県飯塚市では炭坑王として今でも非常に有名で旧宅は市の有形文化財となって一般に公開されているほどの歴史的な価値のある、贅を尽くした豪邸です。


2014年に放映されたNHK連続テレビ小説「花子とアン」に登場する炭坑王は、この伊藤伝右衛門をモデルにしていたとの事で、近年この方が見直されて休日ともなると大型バスにのった見学の方が沢山来場される観光地になっちょります。


さて、この大邸宅は平屋なのですが一カ所のみ柳原白蓮さんという伝右衛門の奥様になられた方専用のお部屋だけが二階に設えられています。白蓮さんは歌人であった方ですが大正天皇の従妹にあたる高貴な身分であり、輿入れの際に特別にこの居間が作られたそうです。


旧伊藤伝右衛門邸、柳原白蓮の間、竹障子


当時の伊藤家の繁栄をうかがい知ることができるような数寄屋作りの凝った室内には、当時は白蓮さん以外の人は誰一人として入室できなかったそうです。


丁寧に手入れされた広々とした庭を一望できる縁側、開放的にとったガラス窓からは明るい陽射しが差し込むようになっていますが障子ごしに朧気に写る竹節の影に目がとまりましたぞね。その日の天候により、時刻により様々な美しい見え方がしていた事ですろう。


コメントする