2017年5月 8日の投稿

虎竹眼鏡ケースのリニューアルと虎竹材について

虎竹眼鏡ケース


虎竹眼鏡ケースは内張をシックな感じの茶系の色合いに変えてより高級感のあるものにリニューアルしました。虎竹は自然の虎模様で色目の濃いものから、薄いものまで色々なのですが基本的には落ちついた風合いの内張がマッチすると思っています。


しかし、今回注目いただきたいのは実は内張の事ではなくて虎竹眼鏡ケース本体の両サイドのあしらいについてです。恐らく言わなければ気づかれる方は少ないかと思うのですが今までは一枚の虎竹で製作していた箇所が今後は部材を半割で使うことになっています。


虎竹眼鏡ケース


良く見ていただくと中央に切れ目が入っている事がお分かりいただけるかと思います。二枚の虎竹部材を貼り合わせて作られているのです。


実はこれには近年の虎竹材の事情があります。虎竹の里に育つ竹は虎竹ではありますが全てに虎模様の色づきが出るわけではありません。色づきの原因がハッキリ解明されていませんが気温も大きな要因の一つであり温暖化で冬でも温かい事が虎竹にとってはあまり良い状況にはなっちょりません。


虎竹下駄


元々淡竹の仲間なので太い竹が豊富にあることはないのですが、特に山出しされてる竹に太く身の厚みのある竹が少なくなっています。細い竹ヒゴにして使う竹細工には問題ありせんが、広い面を必要とする細工には大きな影響があり材料確保が難しい場合が出てきているのです。


そこで眼鏡ケースも一枚物の虎竹板から半割サイズへと規格変更をしたという事なのですが実は虎竹下駄などはもう随分と前から虎竹パーツのサイズを微妙に変えて対応してきています。虎竹は虎竹の里の大自然の恵みぜよ、人間にはどうする事もできないのでこうして自分達のやり方を変えていくのです。


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竹虎四代目

竹虎四代目
YOSHIHIRO YAMAGISHI

創業明治27年の老舗竹虎の四代目。100年守り続けた日本唯一の竹林を次の100年に繋ぐ。

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