土佐箕、伊予箕、阿波箕、讃岐箕

箕


(み)は今でこそ見かける事も少なくなりましたが農家では必ず必要な道具のひとつでしたので日本各地で編まれた竹細工のひとつです。入手しやすく加工も容易な竹材を主な素材として製作されるものの北から南に長い日本では気候により素材が違います。竹材も竹の種類が違い、形も微妙に違っていて地域性があり非常に興味をそそられます。


四国、中国、近畿地方を中心に西日本を調査した冊子を職人さんから頂いた事がありますが少なくとも33もの竹箕の産地が確認され大きさ、形、製作工程まで違いますからたまりません。四国だけでも土佐箕、伊予箕、阿波箕、讃岐箕とそれぞれあり、共通点は網代編みされた箕という事です。


棕櫚皮


土佐箕の特徴は持ち手部分の棕櫚巻です。冊子には西日本で集められた30種の箕が掲載されていましたが棕櫚を使っているのは高知だけ、恐らく温暖な気候の高知で棕櫚がよく育ち素材が豊富だったと考えられます。


安和駅


棕櫚の木と言うとご存じ無い方もおられるようですが実は西日本の農村地帯に行けば、あちらこちらで見られる植物です。プラットホームから美しい太平洋が眺められると人気のスポットとなっている虎竹の里の安和駅にも植えられていて少しエキゾチックな雰囲気を醸し出しています。


しかし、土佐箕の特徴である棕櫚を使わないで箕を別注で製作いただきたい。そんなご注文を何回か頂戴する事があります、何故棕櫚を使わない方が良いのか?両手でもって使う時に滑り止めになって使い勝手が良いのに何故?その答えは明日の30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」で。


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