スズ竹の椀籠が出来ました。

スズ竹茶碗籠


スズ竹は市場籠で強さと耐久性が証明されている非常に堅牢な竹です。しかし、堅牢と言っても硬いという事ではなくしなやかな柔軟性を併せ持った竹だからこそ手提げ籠として持ち歩いても腰当たりがよく、使いやすく多くの方に好まれる市場籠となっているのです。


これだけの素晴らしい素材であるのなら市場籠だけにしておくには惜しいのです。しかし、それは誰しも考える事で元々、スズ竹ではおよそ思いつく籠やザルから始まり行李など大型の衣装ケースにいたるまで編まれていました。


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時代の流れで職人さんも減ってしまっていますので、あれもこれも製作する事はできませんが自分の好きな茶碗籠ならできるのではないかと思って実現したのがこのスズ竹椀籠。昔からある定番の形ではありますが底部分の通気性が良いのが特徴です、スズ竹は市場籠としてならプロの料理人の方々も使用されます。普通のご家庭でのお使い用でしたら一生涯ゆっくり使えるだけの強さがある竹です。


竹籠、竹虎四代目(山岸義浩)


生活に根差した竹細工ほど面白い物はありません。昔から身近にあり加工性も高かったために南北に長い日本では地域ごとに成育する竹を使って様々な形の籠や笊が編まれてきました。地域ごとどころか、その昔は竹籠は使う人に合わせた使い勝手のよい大きさ、形にオーダーメイドするものだったのです。たとえば自分の肩幅に合わせて背負い籠を作ってもらうという具合、今でいうならプロ野球選手が自分のポジションや足に合わせてグラブやシューズを作るようなものです。


そこで数限りないほどの竹が編み出されてきたわけですが、このスズ竹の籠もサイズを各ご家庭の広さにあわせるという事まではできかねますものの茶碗籠とて期待どおりの働きで皆様のお役に立てることは間違いありません。


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