八重山の民具、泥染めのアダン手提げ籠バック


アダン手提げ籠バック職人


終戦直後、竹富島のいたるところに自生しているンーマニという植物の茎を使った「やみかご」というものがあったらしいのです。現在では、この手提げ籠バックは受け継いだ職人さんによってアダン葉で編み上げられています。


アダン


アダンは「たこの木」とも呼ばれる沖縄など亜熱帯から熱帯地域の浜辺に生える見られる常緑小高木。葉にはトゲがあり採取・加工は大変ですが細く裂いて草履や手提げ籠、円座などの実に多くの素材に使われます。アダン葉細工の特徴は軽く、持ちやすいので手提げ籠バックも多く編まれているのです。


アダンひご


ただ、アダンは湿気を吸いやすくカビの生えやすい素材なのです。葉を裂いて乾燥させると白っぽいヒゴ素材となりますが、管理を怠りカビが生えるのとなると少し目立ってしまいます。


アダン手提げ籠バック


そこで考えられたのが昔から生地染めには使われてきた泥染めの技法です。自分も泥染め作務衣を一着持っていて長く愛用しています、藍染された生地をさらに何度も泥に浸けて染められた風合いは独特です。


アダン手提げ籠バック泥染め


さて、このアダン手提げ籠バックの泥染めの工程を見せてもらっていると小さい頃の鰻筌を思い出します。何故かと言いますと鰻筌は編み上がったばかりの真新しい筌では鰻が獲りづらいのです。竹の清々しい香りは人にとっては気持ちの良いものですが、その香りが強すぎるためエサのニオイが弱まってしまうのです。


鰻筌


そこで、昔からの教わった方法として田んぼの泥の中に新品の鰻筌を数日浸け込むのです、そうすると泥が竹の香りを消しさってくれて鰻が入りやすい筌が出来あがります。


アダン手提げ籠バック


ところが、子供の頃にはむしろ大歓迎でありましたが、この泥染めというのは若干のニオイを伴います。横ヒゴだけに泥染めのアダンヒゴを使った市松模様の籠は、見た目の美しさの他にそんな理由もあるのかも知れません。


アダン手提げ籠バック


しかし田んぼの泥抜きを思い出しましたし、全体を泥染めした手提げ籠の風合いがどうしても忘れられません。カビが入ったアダンヒゴも泥で染め上げるてみると一つの景色のようで味があります。問題はニオイ...。出来たばかりは結構きついので社員にも嫌われています、店内に置いてもらえず外に出されて風通しの毎日です。


アダン手提げ籠バック


そんな泥染めの渋い色合いと引き換えに付着してしまったニオイ、連日の天日干しでようやく取れてきたようです。

















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