本気で使える深竹丸ざるに、チビタケナガシンクイムシ

竹ざる


竹を喰う虫の話を時々させて頂きます、毎年今頃になってくると持ち上がってくる本当にやっかいな問題です。この超強力!頑固職人がガッチリ編み込んだ本気で使える深竹丸ざるに入っているのはチビタケナガシンクイムシ。タケトラカミキリと共に竹の二大害虫となっていますが身体が小さいだけあって細やかな竹細工にも入り込む手強い虫です。


簾、害虫


前にもお話しした簾にもチビタケナガシンクイムシの魔の手は伸びています。夏が近づいてきて、いざ出番となって見てみると、このような竹粉が落ちているのです。このような時にはまず熱湯消毒、熱いお湯をかけるだけでなくて大きな容器があれば少し浸しておく事も有効です。


簾、チビタケナガシンクイムシ


竹の虫は硬い皮の部分は食さず内側の身の部分に穴をあけて食べていきます。タケトラカミキリのようにある程度大きな虫でしたら身を薄く削っている製品は食べずらく敬遠していますけれどチビタケナガシンクイムシは細く薄くとった竹ヒゴにも入ってしまうのです。


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小さな竹細工から、このような大きな竹細工まで見境いがありません。熱湯消毒で対抗する場合、一度や二度の熱湯処理では不十分な場合も多いです。今回は何と中一日おいた四回目の熱湯処理だったのにもかかわらずこうして虫が三匹も出できました。


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竹の伐採時期を決めて、しっかり管理しているのはひとつにこの害虫対策があります。しかし、いくら旬が良くても虫が喰う竹がありますし、試しに最悪の時期に伐採しても喰われずにいる竹もあります。大自然の中で生かされているのは人間も同じ、完全にコントロールできるはずもなく決め手がないまま虫との付き合いはずっと昔から続いてきているのです。


竹籠や竹ざるをお使いになられる皆様にも是非知っておいて頂きたい竹の虫、ただ長く戸棚にしまう様な事をせず毎日使う竹ざるは不思議と喰われる事はあまりありません。その竹編みへの愛着が虫を遠ざけているのかも知れません。





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