ワシの籠を誰か食べているのか?

竹ペンダントライトpg


昨日の虎竹と土佐和紙の灯りに続いて竹照明について少し思い出した事がありました。自分の自宅では当たり前のように、このような竹のペンダントライトを使っていますが、普通の住宅ではかなり珍しいかと思います。ところが大手電機メーカーの古いパンフレットなどを見ると竹の照明器具が少なからず掲載されています。つまり新築の家が建つと複数の選択肢の中に竹が普通にあったと言う事です。当然、山岸家の家の中は竹照明だらけでしたけれど、一般のご家庭でもやはり竹は親しまれた存在だったのです。


竹シーリングライト


若い頃に照明器具を専門に製作していた竹細工職人は、テレビや洗濯機を作っていた大企業の展示会で竹編みの実演を披露していたと懐かしく話してくれます。そして、このようなスイッチ紐のついた灯りを見る度に思い出すのが竹製スイッチ紐。スイッチ紐に直径の細い黒竹や女竹を通して竹製スイッチ紐を作っていた時代がありました。何を隠そう当時の大ヒット商品のひとつであり、内職さんも毎日どうしてこんなに作らないといけないのか?と不思議に思うほどの大忙しだったと聞きます。


竹花籠職人が作っても作っても籠が足りないと催促されて「ワシの籠を誰か食べているのか?」と名言を残していますが、その頃は竹が輝いていた時代です。竹ペンダントライトなど今では見る機会もありません、せいぜい小さなこの竹灯りくらいでしょうか(笑)。




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