虎竹で作ったお一人様の茶碗籠

虎竹茶碗籠


元々は真竹で編んでもらっていた小さな茶碗籠がある。もし、お使いの方でこの30年ブログをご覧になられていたら「ああ、その通りだ」と納得いただけるかと思うが、小振りに編んでいるけれど驚くほど丈夫に作られている。そもそも昔ながらの竹細工は、毎日の生活の中で使われる事が前提の道具だったので強さが一つのセールスポイントだった。


虎竹茶碗籠


自分で編んだ籠や竹ザルを自身で売って歩く事も多かった。だから山や海や畑や、そして家の中で使うお客様の声を直接聞いて籠に磨きをかけてきたのだ。強靭さを求められる仕事の名残で、このような小さな籠も竹ヒゴの厚みをしっかり取って丁寧に作る。


お一人様椀籠


最近の竹籠は、見た目は良いけれど使ってみると頼りない物も多い。これは竹ヒゴが薄いのだ、作る方は編むのは楽だから、それで問題なければ元の厚みには戻らない。ところが昔気質の職人は少し違っていた、数個だけ虎竹で作ってみた茶碗籠だが、いつもと同じ厚みのある竹ヒゴを使うから竹質の違いでかなり難しかったようだ。同じ竹でも淡竹系の虎竹と真竹では、実は全く違うのだ。





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