レアなスズ竹手提げ籠バッグの修理完成

スズ竹手提げ籠バッグ修理


お客様からスズ竹手提げ籠バッグの修理依頼を頂いた。スズ竹は、竹と名前が付いているものの細く背丈も低い笹の仲間だが、しなりがあり非常に耐久性の高い素材だ。だから、このように大きな穴が開いてしまうのは珍しく、今回は底の四隅を補強していた籐が傷んでしまったようだ。


スズ竹手提げ籠バッグ


120年ぶりと言われるスズ竹の花の開花があって、もともと手に入りにくいスズ竹の素材は竹虎には無いので色目の似た真竹を代用して下地を作り籐かがりをしたら、この通り!


スズ竹手提げ底編み


底部分も竹ヒゴが折れてしまって小さな穴になる程だったけれど、同じように色目とヒゴ幅をあわせた真竹で補修場署が分からないくらいに手直しできている。


スズ竹手提げ籐持ち手


実は籐持ち手も全てやり直さねばならない程傷んでいた。持ち手の芯は何とか使えるが、その他は全て巻き直しだったから、少しハードにお使いいただいているのかも知れない。


スズ竹手提げ籠バッグ修理完成


こうして修理が完成した竹籠を見ていると、まるで見違えたようだ。この手提げ籠は、スズ竹市場籠などより細く繊細な竹ヒゴを使った、ソフトな滑らかさと見た目が美しいワンランク上の手提げだ。普通の籠より3~4倍の手間がかかる逸品なので、こうして蘇った籠をこれから何十年とご愛用いただき風合いを益々深めていただきたいと思っています。




スズ竹市場籠と言えばビニールパイプ持ち手のこの形。定番の籠は、このようにして編まれています。



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