百年の時を超え、新たな生命を宿す
網代編みの巨匠と呼ばれた渡辺竹清先生は、「百年の風雪を越えてきた竹に、次の百年の生命を与えたい」という想いを込めて、古民家の囲炉裏で長年燻された煤竹を使った作品作りに取り組まれてきました。そんな先生が、竹虎二代目義治との出会いで日本で唯一、高知県須崎市安和の「虎竹の里」でのみ生育する貴重な虎斑竹(とらふだけ)で籠を編まれるようになったのは、もしかしたら奇跡的なことだったかも知れません。
渋い虎竹模様
緻密に編まれた網代編みには、虎竹の自然な模様と渡辺先生の卓越した技術が融合した美しい虎模様が浮かび上がります。
洋装、和装どちらにも合う洗練されたデザインに加え、傷みやすい底角には細い籐が丁寧に施されており、お好みの紐を通せばショルダーバッグとしても使えます。このあしらいを見ると、初期の竹籠バッグだということが分かるのです。
底の力竹には「竹清」の銘が刻まれており、竹清先生の技と魂が宿る、この世に一つしかない特別な作品であることを証明しています。
鳳尾竹の持ち手
美しいフォルムの本体に取り付けられた持ち手には、特殊な技法で染め上げられた鳳尾竹(ほうびちく)が使われています。高級館のある竹材には良く似合う色艶と手にしっくりと馴染む温もりを感じさせてくれる竹です。
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