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伝統の竹籠がつないだ縁。人口半減の町に海外から人が集まる理由?

おぶぶ茶苑(OBUBU TEA FARM)


疲弊していく地方

地方に暮らす方でしたら、きっと誰もが肌で感じていることだと思います。車を走らせれば、あちらこちらで目にする耕作放棄地があります、農業ってやはり衰退しているのか?ここ、高知県須崎市安和にある虎竹の里も例外ではありません。実はこの地域は、日本で唯一の虎斑竹を江戸時代から守り続けてきた産地であると同時に、温暖な気候を利用した果物の里でもあります。昔から文旦、ポンカン、そしてビワの栽培がとても盛んな土地でした。


おぶぶ茶苑(OBUBU TEA FARM)


耕作放棄地

けれど今、山の斜面に先人たちが多大な苦労をして作った果樹園に、どうしても手がまわらなくなり、残念ながら放置されてしまっている場所がいくつかあります。自然の力というのは本当に凄いものです、ほんの数年そのままにしておくだけで、あれだけ綺麗に手入れされていた農園が、すっかり元の山へと戻っていってしまいます。でも、こうした光景は、きっと虎竹の里だけでなく、全国いたるところにある日本の地方の現実なのではないでしょうか。


修理させて頂いた茶籠


「この子」と呼ばれた茶籠

そんな中、少し前に竹虎が手掛けた一つの竹籠の修理が、ある驚きと気づきに満ちた一日に繋がりました。それは、京都のお茶農家さんからご依頼いただいた、製茶に使われてきたという伝統の竹籠。ご依頼主にとっては、祖父の面影が偲ばれるという思い入れのある籠でした。かなり難しいと感じていましたが、その籠の事を「この子」と呼んだ一言で、仕事を引き受ける事にしたのです。




あの竹籠はどうなった?

現在では誰も作れないような、孟宗竹の幅広い竹ヒゴと迫力の力竹、独特な構造を持った籠には竹虎の職人がムチャクチャ苦労しながら、なんとか手直しをさせていただいたものです。


「あれから、あの竹籠は一体どんな風に使われているのだろうか...?」


職人が一生懸命に取り組んで修理した籠のその後がどうしても気になり、ボクは京都のそのお茶農家さんを直接お伺いすることにしました。


おぶぶ茶苑


おぶぶ茶苑

すると、驚くべき偶然が待っていました。お伺いしたそのお茶農家さんのすぐお隣が、なんと20年近く前から個人的に知り合いだった京都おぶぶ茶苑さんだったのです。


おぶぶ茶苑(OBUBU TEA FARM)


あふれる活気に感動

実は、ずっと前から彼の茶苑の活動は気になっていました。しかし、今回初めて実際の現場を訪問してみて、その熱量に言葉を失いました。何よりも驚いたのは、スタッフやインターンとして、海外からの方が多数関わり、活気あふれる運営をされていることです。彼らは単にお茶というモノを売っているわけではありません。お茶が持つ歴史や、淹れる時間、空間、すなわち日本のお茶文化そのものを伝えるための創意工夫を凝らし、世界に向けて発信していたのです。


おぶぶ茶苑


人口半減の町の未来

聞けば、その地域の人口はここ数十年で半減しているとのこと。数字だけを見れば、過疎化が進む厳しい地方の縮図です。けれど、その場所には明るく元気な若者たちが集い、目を輝かせて働いている。そこには間違いなく、日本の地方の未来を感じさせる光景が広がっていました。


おぶぶ茶苑(OBUBU TEA FARM)


インバウンドとは

これまでインバウンドという言葉を聞くと、どうしても東京や大阪などの大都会やあるいは有名な観光地だけの話だと思いがちでした。しかし、それは違います。むしろ、人口減少と高齢化に悩む地方にこそ、最も必要であり、そして大きな可能性があるのかも知れません。地方には、地元の人にとっては当たり前すぎて気づかない価値がたくさん眠っている事があります。


おぶぶ茶苑(OBUBU TEA FARM)


唯一無二の虎竹の里

虎竹の里の竹も、京都のお茶も、海外の方から見れば、他にはない唯一無二の輝かしい日本の文化です。数年で山に飲み込まれてしまう耕作放棄地。しかし、そこに新しい視点や、文化を伝える創意工夫、そして海外も含めた若い力が加われば、地方はまた新しく生まれ変わることができると確信しています。


おぶぶ茶苑(OBUBU TEA FARM)


美しい日本の景色を守りたい

伝統の竹籠の修理が繋いでくれた今回の縁に心から感謝しています。人口が減っていくこれからの時代、ボクたち地方の人間がどう生き、どう地域を作っていくべきか。目の前に続く手入れの行き届いた輝くような茶畑、この美しい日本の風景を、次の世代、そして世界へと繋いでいくために、何ができるのか?日本唯一の虎竹の在り方に、大切なヒントを教えてもらったような気がしています。





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竹虎四代目

竹虎四代目
YOSHIHIRO YAMAGISHI

創業明治27年の老舗竹虎の四代目。100年守り続けた日本唯一の竹林を次の100年に繋ぐ。日本で二人だけの世界竹大使。

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