
MOTTAINAI精神と一閑張り
竹という植物は、わずか3ヶ月で親竹と同じ20数メートルまで成長する、驚異的な生命力を持った天然資源です。樹木のように何十年もかかることなく、毎年再生を繰り返すため環境にやさしい持続可能な素材として世界中で大きな注目を集めるようになりました。けれど、日本人は単に成長が早くてエコだからという理由だけで竹を使ってきたわけではありません。傷んだら直し、形を変え、最後の最後まで道具を大切に慈しんできたMOTTAINAI精神と、循環型スタイルがあったからこそ、竹は数千年にわたって暮らしの真ん中にあり続けてきました。その精神と技が結晶となったひとつが、本日お話ししたい一閑張り(いっかんばり)なのです。

一閑張りの技の誕生
日常使いされる竹細工は、強く編まれているにしても、やはり自然素材なので角のヒゴが折れたり、破れたりしてしまう事があります。けれど、昔の人達は、それを決してそのまま捨ててしまうことはありませんでした。角は補強し、折れた竹ヒゴをつぎ足し、また同じように愛用していたのです。れそでも、どうしても傷んで竹材だけでの補修が出来なくなった場合、その部分に和紙を貼り重ね、柿渋や漆を塗って補強していました。そうすることで、傷む前よりもさらに頑丈で、水にも強く、軽い生活道具へと見事に再生させたのです。

国産の竹編みにこだわる
傷んだものを手当てして、さらに長く、次の世代まで使い継ぐ。この日本が誇る古きよき循環の知恵をこれからの暮らしの中でご覧いただきたい。そんな思いから、ボクたちが結構長い時間をかけて試行錯誤を重ね、形にした新しい一閑張りの卓上収納がようやく完成しました。今回登場したひとつは、デスク周りをすっきり美しく整える一閑張り十文字仕切りペンラック。世の中に出回っている一閑張りの製品の中には、下地となる竹籠が海外製のものや、竹材ではない製品も少なくありません。しかし、竹虎が取り組むからには、形にするのが段違いに難しいとはいえ竹、そこは絶対に譲れません。そこで、こちらの製品は骨組みとなる下地の竹編みから、すべて熟練の日本の職人による手仕事、純国産に徹底してこだわっています。
真竹の下地の上に和紙と柿渋を施したこの小箱は、内部が十文字の仕切りで4つの独立したスペースに分かれています。お気に入りの万年筆やボールペン、蛍光マーカー、定規、ハサミなどを種類ごとにスッと分別して立てておくことができます。プラスチックのペン立てにはない、机の上に置くだけで場の空気がフッと和らぐような、凛とした存在感が魅力です。

手間のかかる一閑の技法
下地となるのは、上質な国産真竹を割り、しっかりと編み上げられた四ツ目編みの竹編みです。このままでも使えそうに思えるほど美しい竹下地にしつらえた後、今度は一枚、一枚和紙を貼り重ねていきます。紙をただ貼るだけのように思われるかもしれませんが、色目の違う縁部分には、色合いの異なる和紙を切は貼りしています。
動画で観る匠の技
そして、ここからが職人の柿渋塗布作業です。柿渋とは、まだ青いうちに収穫した渋柿を発酵・熟成させた日本伝統の天然塗料。高い防腐・防虫・防水効果を持ち、和紙の繊維をギュッと引き締めて強靭にしてくれます。今回の製品では、職人が一切の妥協を排して、天候や湿度を見極めながら5回も塗り重ねを行っています。1回塗ってはじっくり乾かし、また塗り重ねるという手間暇をかけることで、一閑張り独特の風合いと耐久性がうまれます。

最後のクリア塗装
さらに、今回の新製品でこだわったのが最後の仕上げです。現代の暮らしの中では、毎日ペンを抜き差ししたり、角のあるスマートフォンやリモコンを頻繁に出し入れしたりします。そこで、柿渋の落ち着いた素朴な風合いを損なわないよう、ツヤなしのクリア塗装を表面に施しました。これにより、一閑張りが持つ独特の手触りや和紙の温かな凹凸感はそのままに、耐摩耗性と耐久性をグンと高めています。

リモコンやスマホ、眼鏡の定位置
テレビやエアコンのリモコン、スマートフォンの定位置が決まらず、テーブルの上で迷子になってしまうことってありませんか?このラックは、使いやすいように絶妙な高低差をつけた三段設計になっています。手前にはスマートフォンや眼鏡、中段や奥には高さの違うリモコン類をすっきりと段違いで収納できるため、パッと見てどこに何があるかが一目瞭然です。

日本の温もりを感じる
一閑張り三段リモコン&スマホラックを手に取っていただくと、驚くほど軽いのに、竹の骨組みと柿渋が効いた和紙のおかげでカチッと硬く、しっかりとした頼もしい強度があることに気づいていただけるはずです。竹という自然の恵みをいただき、職人が骨を編み、和紙を貼り、柿渋を重ねる。この小さな卓上ラックには、日本人が長い歴史の中で培ってきた「物を大切にし、自然と共に生きる」という循環の知恵がぎっしりと詰まっています。慌ただしい毎日のふとした瞬間、机の上にあるこの一閑張りに触れて、竹と人の手の温もりを感じていただけたら、竹屋としてこれほど嬉しいことはありません。

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