![クルミ手提げ籠バッグ修理](https://www.taketora.co.jp/diary/img/240605602.jpg)
近年、竹籠修理のご依頼が少しづつ増えている。先日の30年ブログでご紹介した、サクランボの収穫に使う腰籠など代表的かも知れないが、一昔前なら近くで手直しできる職人がいたであろう竹細工も、購入先する分からなくなったものは何処にも当てがなくなり、遠くからでも竹虎にやって来られる。
![クルミ手提げ籠修繕](https://www.taketora.co.jp/diary/img/240605603.jpg)
竹素材だけでなく、今回はクルミで編まれた手提げ籠がお客様から届いた。クルミも味があって秀逸なものが多い、ただ山葡萄と比べると耐久性が低く、長くお使いいただく中でヒゴが割れたり、折れたり、この籠のように負荷のかかる持ち手付け根部分が傷むものは結構多い。
![クルミ手提げ籠手直し](https://www.taketora.co.jp/diary/img/240605604.jpg)
だから、素材の特性を知り尽くた熟練の職人の編むくるみ手提げ籠バッグには、傷むことの多い持ち手付け根部分には丈夫な山葡萄が使われている。
![白あけび手提げ籠折れた持ち手](https://www.taketora.co.jp/diary/img/240701603.jpg)
新しく届いた買い物籠も持ち手が折れているけれど、素材は何かお分かりだろうか?籐にも似ているけれど、実はアケビだ。普通に見かけるアケビ細工は、もっと焦げ茶色をしているかと思うが、蔓を長時間煮込んで表皮を剥ぐという伝統の手法があって、このように白い籠編みができあがる。このような白アケビは元々珍しいので修理は本当に稀だ、製作される職人も殆どいないようなので、是非元どおりに修理させていただき長くご愛用できるようにしたい。
![御用籠手付き](https://www.taketora.co.jp/diary/img/240517602.jpg)
先月だったか、重さ3割減、愛着10割増しとしてご紹介した真竹コンテナ手提げ籠バッグ。自分が手元に置いて使っている、洗濯物が5キロも入る大型コンテナ籠を、女性の方でも気軽に使えるコンパクトサイズにしたものだ。昔から御用籠と呼ばれて、今なら普通に使われている段ボールのような役割をしていた籠だから、とにかく丈夫に作られている。力竹も幅広で厚みのある武骨なも竹ヒゴが当てがわれているから少し重量がある。
![コンテナ手提げ籠](https://www.taketora.co.jp/diary/img/240517002.jpg)
約幅41㎝×高さ22㎝×奧行き26㎝のサイズにしても1キロ程度になるから、初めて持つと少し重いかなと感じるかも知れない。最初に「重さ3割減」と申し上げているが、これは使っているうちに竹が乾燥して300gくらいは軽くなるから安心してください。
![角籠手提げ](https://www.taketora.co.jp/diary/img/240517001.jpg)
いずれにせよ、今は竹の旬が良くないので秋以降に伐採した真竹を使って製作となる。見た目は繊細な籠ではないが、アウトドア等では自然素材でありながら、こんなに頼りになるタフな相棒は少ない。ページでは売り切れになっているが「再入荷お知らせ」ボタンからお申込みいただければ、製作できたら優先的にお知らせしているので、気になる方はお申込みしておいて下さい。
![スズ竹市場籠の経年変色](https://www.taketora.co.jp/diary/img/240330010.jpg)
昨日に続いて竹手提げ籠の話題をお話ししたいと思う。
さて、問題です(笑)こうして3つの竹手提げ籠が並んでいますが、スズ竹で編まれたものはどれでしょうか?
チッチッチッチッチッ......チンッ!
そう、ご名答!すべて同じスズ竹で編まれた市場籠です。
![スズ竹市場籠の経年変色](https://www.taketora.co.jp/diary/img/240330011.jpg)
それでは2問目(笑)、同じスズ竹で編まれたものなのに色が違うのはなぜ?
チッチッチッチッチッ......チンッ!
またまた正解!時間の経過と共に自然と色合いが変化していくのです。
![スズ竹市場籠の経年変色](https://www.taketora.co.jp/diary/img/240402602.jpg)
最後の3問目(笑)、それでは一番古い籠はどれでしょうか?
チッチッチッチッチッ......チンッ!
大当たり!一番上に積まれている飴色になった渋い色合いの市場籠です。
今回の問題は、この30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」をご購読いただいている皆様にとったら簡単な問題だったかも。けれど、このように青々とした若い色合いの竹籠が、時を経てこんなになるのだから、まさに自分で籠を育てると言う感覚がピッタリだ。
![白竹手提げ籠](https://www.taketora.co.jp/diary/img/230424601-900.jpg)
以前、革製のトートバッグを持って歩いている海外の方があまりに格好良くて、都会に行く機会がある度に探していたという話を書いた事がある。それこそ有名ブランドから、初めて知るブランドまで、お店を見つけては飛び込んで手にさせてもらっていたが、なかなか気にいるものには出会えなかった。
![白竹手提げ籠、竹虎四代目(山岸義浩)](https://www.taketora.co.jp/diary/img/200430001.jpg)
そもそも自分のような田舎者に、お洒落な鞄は似合わない(笑)。結局、昔から愛用している山葡萄の手提げ籠に落ち着き、愛用のひとつは持ち手や底部分もリニューアルする事になった。
持ち手などを修理した山葡萄の手提げは頼もしい、これなら何処へでも持って行けそうな気持になる。
![白竹手提げバッグ](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231128003.jpg)
ところが、しばらく使っていなかった竹手提げ籠バッグの小さいタイプを、職人の仕事場で見つけて改めて竹編みの美しさ、機能性に目覚めた。トランクのような硬めのしっかりした編み込み、角型の手提げ籠はまさに男の竹籠。
![白竹トートバッグ](https://www.taketora.co.jp/diary/img/200503001.jpg)
やはり竹は奥が深い、とうてい極められるものではないのだ。日帰りの温泉でも、日程の詰まった出張、フラリと出かける旅にでも、こんな相棒は他にいない。
![青竹手提げ籠](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231223100.jpg)
このような素朴な竹手提げ籠は、あまりご覧になる機会が少ないかも知れない。何の飾り気もない無骨な作りは、まだ竹細工が生活の中の必需品として道具として普通にあって頃の名残なのだ。青竹一本持ち手買い物籠は、昨今、なかなか手に入りづらくなった良質の真竹を割って、竹ヒゴにして腕と包丁一本だけ、昔ながらやり方で編み上げる無骨な籠だ。
![真竹買い物籠](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231224007.jpg)
底と傷みやすい四隅には、しっかりと補強が入れられていてる。
![青竹買い物籠](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231224006.jpg)
昔ながらの竹籠は、小振りでもバランスがいいから好きだ。
![青竹一本持ち手買い物籠](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231224002.jpg)
この手提げには、職人の気まぐれで角ばった持ち手と、丸みを帯びた優しい感じの持ち手との二種類かある。
![竹籠バッグ](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231224003.jpg)
いづれも、昔から竹細工で身をたててきた熟練職人らしい竹籠だ。
![竹虎四代目愛用の山葡萄棚編み手提げ籠バッグ](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231212002.jpg)
長くトートバッグとして愛用してきた棚編みの山葡萄手提げ籠バッグの修理が遂にできあがってきた。底部分の大きな穴も気になるけれど、まず持ち手が大きく変更になった。腰籠として使われていた籠にリング式の持ち手を付けて使っていたが、少し頼り無くも思っていたので、今回は口部分にしっかりと持ち手を固定して取り付ける事にした。リング式のように可動しないけれど、安定感があって断然こちらの方が持ちやすい。
![竹虎四代目愛用の山葡萄棚編み手提げ籠バッグ](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231212008.jpg)
やはり、いくら丈夫で堅牢な山葡萄と言えども耐久性には限界がある。負荷のかかる箇所のヒゴはヒビ割れから、ついには折れてしまって大きな穴が開いてしまっていた。
![竹虎四代目愛用の山葡萄棚編み手提げ籠バッグ](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231212010.jpg)
籠で一番傷みやすい角部分、そして重い荷物を運び続けてきた底部分の弱ったヒゴを差し替えたり、その上に重ねたりして手直ししてもらっているので今後は安心して何処にでも出かけられそうだ。
![竹虎四代目愛用の山葡萄棚編み手提げ籠バッグ](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231212005.jpg)
昔の山葡萄はヒゴも厚く武骨な雰囲気が魅力、新しい持ち手も良い感じ、申し分ない。
![竹虎四代目愛用の山葡萄棚編み手提げ籠バッグ](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231212011.jpg)
![竹虎四代目(山岸義浩)](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231212001.jpg)
こんなトートーバッグ持っている人いるだろうか?一時期、あらゆるブランドも回って探したけれど、どれもしっくりこなかったが、何の事はない最高の相棒はずっと前から横にいてくれたのだ。
![レジェンド白竹蓋付き手提げ籠バッグ](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231205041.jpg)
工房に残されていた、最後のレジェンド白竹蓋付き手付き籠バッグをご覧いただきたい。地元高知では、新しい竹細工のまさに草分けの職人であり、今やレジェンドともなっている氏が「ワシの技の集大成じゃ」と語る白竹手提げ籠バッグだ。それが、いよいよ今回で最後の最後、しかもワケありという成り行きについては一番下のYouTube動画に掲載させてもらっている。
![レジェンド白竹蓋付き手提げ籠バッグ](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231205020-2.jpg)
使用頻度は全く高くなくて年に何度も手にする機会がないのだが、とにかく形の良さに加えて「カチリ」と閉まる上蓋の機能性の素晴らしさが気にいって、この竹籠バッグは長い間愛用させてもらっている。
![レジェンド白竹蓋付き手提げ籠バッグ](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231205021.jpg)
職人の工房に残されていたのは、竹籠両側の急な角度にUの字型に曲げた部分の細い竹ヒゴにビビ割れや、小さなハジキが見られるためだ。けれど、自分自身が使っていて、何から不具合を感じる事はない、それより高度な技で編まれたリクエストも頂く逸品を皆様にお使いいただけないのが、ずっと残念に思っていた。そこで、今回特別にご紹介する事にしました。
![愛用の山ぶどう棚編みバッグの修繕、竹虎四代目(山岸義浩)](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231115007.jpg)
綺麗に仕上がってきた山葡萄の手提げ籠を見て、自分が長くトートバッグ代わりに愛用している棚編みの手提げ籠バッグも、いよいよ修理してもらう事にした。この籠は実は編まれてから100年程度経っているのではないかと言われる、農家さんで腰籠として使われていたものだ。
![山葡萄バッグ修理](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231115092.jpg)
編み込みの歪みや、不揃いな葡萄ツルなど、最近の籠には見られない仕事道具としての迫力がたまらない魅力だ。大事に使って来たのだけれど、パソコンなど重たい荷物など入れた時にツルの折れやヒビが少しづつ気になっていた。
![山葡萄バッグ修理](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231115093.jpg)
とうとう、底部分にはこのような大きな穴まで開いてしまっている。
![愛用の山ぶどう棚編みバッグの修繕](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231115094.jpg)
底を付けて置く事は少ないけれど、底の四隅もこのような痛み具合だ。
![愛用の山ぶどう棚編みバッグの修繕](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231115095.jpg)
よくよく見ていただくと、縦ツルを結ぶ横ツルも何本も切れている。
![山葡萄バッグ修理](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231115090.jpg)
腰籠から手提げ籠にする際、取り付けてもらった持ち手も、この機会にもっと丈夫なものに替えたほうが良さそうだ。
![山葡萄バッグ修理](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231115091.jpg)
さて、どんな風に手直しが完成するのか?今から待ち遠しいが、出来あがりはもちろん皆様にもご覧いただきたいです。乞うご期待(笑)。
![山ぶどう手提げ籠バッグ、持ち手の修理](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231115050-2.jpg)
竹細工の修理は、とにかく皆様が考えられる以上に手間がかかる。そもそも籠やザルの種類によって編み方だけでなく、竹素材も異なるので元通りに手直しする事が難しいから、自分の作った籠の修理に限定されている職人が多い。ところが、それぞれ持ち込まれる籠は使い手によって味わい深いものになっている事が多く、どうしても修理して差し上げたくなる。そう先日の「使い込まれたサクランボ籠の修理」に登場する籠など、その典型だ。
![山ぶどう持ち手修理](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231115020.jpg)
山葡萄の手提げ籠バッグなども、元々丈夫な素材とは言え、近年では海外素材の製品も含めて玉石混交なのだろうか?持ち手が切れてしまったと相談があった。
![山葡萄持ち手手直し](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231115021.jpg)
このように、ちぎれる様に切れた持ち手というのはあまり知らない。同じ編み方の持ち手の手提げ籠バックを2個使っているけれど、切ろうと思っても切れないくらいに山葡萄の繊維は強靭だ。バッグに何を入れるにせよ、その程度の重みではビクともしないのが普通だから、素材や作り手に問題があったのだろうと思う。
![山ぶどう手提げ籠バッグ、持ち手の修理](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231115030.jpg)
そこで、元々の籠は持ち手が本体に取り付けてられていたのだが、少しでも強度の高い口巻部分にしっかりと留めてもらった。
![山ぶどう手提げ籠バッグ、持ち手の修理](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231115029.jpg)
持ち手も少し太めになる定番に変更させてもらったので、今まで以上に使いやすくなると思う。
![竹虎四代目(山岸義浩)、山ぶどう手提げ籠バッグ、持ち手の修理](https://www.taketora.co.jp/diary/img/231115071.jpg)
手提げ籠は持ち手が一番酷使されて傷みやすい、けれど、こうして修理が完了すればこの先10年、20年と活躍する新しい籠に生まれ変わる事ができるのだ。
![竹買い物籠、竹虎四代目(山岸義浩)](https://www.taketora.co.jp/diary/img/230905708.jpg)
思えば、この磨きの竹手提げ籠は随分のユニークなデザインとなっている。底になるに従ってシェイプされた本体編みは、高度な技術が必要となるから、美しいラインは熟練職人の証でもある。特に他の買い物籠に見られない一番の特徴は、厚めに取った竹ヒゴをねじり込んで持ち手にしている所だ。
![古い手提げ籠バッグ](https://www.taketora.co.jp/diary/img/230913701.jpg)
更に、この持ち手を真鍮リベット留めだから、このような細工が他に全くないわけではないけれど、かなり珍しい。
![新しい真鍮リベット](https://www.taketora.co.jp/diary/img/230913016.jpg)
だから、どうしてこのような竹籠を創ったのか?実は、少し不思議に思っていた。ところが、何とこれには、見本の竹籠がある事を知る。
![50年前の渋くなった真鍮リベット](https://www.taketora.co.jp/diary/img/230913017.jpg)
元になった竹籠は50年も前の腕の良い竹職人作、名前までは分からない。しかし、すっかり赤茶けた色合いに経年変色した渋い風合い、落ち着いたリベットの竹籠に魅せられた若手職人かいるのだ。
![竹手提げ籠底力竹](https://www.taketora.co.jp/diary/img/230913022.jpg)
復刻するにあたって力竹は更に力強く、若手らしく進化させている。
![50年前の手提げ籠](https://www.taketora.co.jp/diary/img/230913020.jpg)
よくよく見ていないと、恐らく見過ごしてしまいそうだけれど籠本体上部付近に、薄い色合いのラインが二本入っているのがお分かり頂けるだろうか?
![真竹磨きネジリ持ち手買い物籠](https://www.taketora.co.jp/diary/img/230913021.jpg)
この竹籠は「磨き細工」と言って、竹の一番丈夫な竹表皮にできるだけ近い部分を使用すべく、表皮を薄く薄く剥いだ竹ヒゴが使われている。そこに、竹表皮の付いた竹ヒゴをあえて入れる事により、経年変色の違いからラインのように見えるデザインになっているのだ。
![真竹磨きネジリ持ち手買い物籠](https://www.taketora.co.jp/diary/img/230913019.jpg)
ここまで丁寧に復刻するとは物凄い惚れ込みようだが、竹籠の二本線は新しい間は言われないと気づかない。クッキリと見えるようになるまで、じっくり楽しみながらお使いいただきたい手提げ籠だ。