遂に完成した三角形の革持ち手買い物かご

 
真竹三角革持ち手買い物かご、竹虎四代目(山岸義浩)


初めて皆様にご紹介させて頂いたのが昨年末だった、自分が愛用するうちに使い勝手もよいものだから竹虎をご愛顧の方々にも手にしてもらいたいと思い製作に取り掛かっていた。革持ち手に思った以上に時間がかかってしまい少し遅くなったものの、ようやく真竹三角革持ち手買い物かごが完成した。


真竹三角革持ち手買い物かご


まだ真竹の青さが淡く残った編み込み表皮に革の色合いが良く似合っている。革も天然素材なので実は色も風合いも少しづつ異なっているので、すべての籠がこのような色の革という事ではない。


真竹三角革持ち手買い物かご


しっかりとステッチの入った革持ち手は幅広で持ちやすく、買い物籠全体のアクセントともなっている。自分の使う革持ち手より本当に若干だけれど短くした、その方が持ちやすい気がする。


真竹三角革持ち手買い物かご


底には力竹、実はこのように三本並んで入れたタイプとバッテンに入れたタイプとがある(笑)。


真竹三角革持ち手買い物かご、竹虎四代目(山岸義浩)


面白いデザインで持ち歩くだけで、ちょっと嬉しくなるのはずっと変わらない。ただ良い事ばかりではない、底が狭くなっているので置いた時には当然安定感は良くない。そして、買い物した物によっては持っている時にもバランスを崩しそうになる事がある、たとえば大根や長ネギなど籠から飛び出していれる場合は籠の片方にばかり重さがかからないようにしてもらいたい。そんな簡単なことを注意すれば楽しいお買い物にでかけられるはずです。




いつもの竹買い物籠

 
虎竹買い物籠(だ円)


量販店やコンビニでのレジ袋有料化で今まで以上に竹手提げ籠を持ち歩きやすくなっている。田舎は何といっても車移動なので常に社内に2~3個の竹籠が待機していて買い物の量により出動する状態だ(笑)。自分の世代だと、母親が籠を手にして買い物に行く姿を覚えておられる方も多いと思う。このだ円の形をした虎竹買い物かごには当時のノスタルジックな思いが詰まっていて少し特別な籠でもある。


スズ竹市場籠


やはり気を使わずにガンガン使えるスズ竹市場籠は便利だ、自分も愛犬にかまれた箇所を修理してもらって使っている。しかし、昭和の時代に市場籠を多用していたのは築地に買い出しに行く板前さんで、一般の方が日常的に大きな籠を持ち歩くことはあまりなかった。醤油やお酒は御用聞きの方が定期的にまわっていたし、今のように大型冷蔵庫はなかったから沢山買い込めなかったからだと思う。


真竹磨き手提げ籠


母も祖母も近くのおばちゃん達も手頃なサイズの籠ばかり使ってした。そもそも大きいと疲れてしまうのだろう、先日たまたま年配のご婦人がスーパーに買い物に行くのに出くわしたが、サザエさんが手にしている籠よりも小さめのカワイイ感じだった。


白竹八ツ目角籠バッグ


真竹三角バッグ


竹の経年変色はいつもお話しさせてもらう通りだ。特別なお手入れなどしなくとも、大切に使えば使うほど飴色になり表皮を薄く剥いだ「磨き」は磨きなりに、白竹は白竹なりに、青竹は青竹なりに美しく変わっていく。


根曲竹角八ツ目手提籠バッグ


根曲竹はツヤがでるのでオススメだ。八ツ目の籠は珍しいと思うが武骨な風合いは男性が持っても凄く似合う。




虎竹赤染革手提げ籠バッグが編み上がるまで

虎竹赤染革手提げ籠バッグ


革持ち手の赤染手提げ籠バッグは、じわりじわりと人気になってきた。革持ち手の色合いを最初は黒かコゲ茶などバッグ本体とは少し違った方がよいかと考えていたが、見慣れてきたせいか結構似合うように感じている。元々は持ち手に使っていた良質の太い籐素材が、全国的に品薄で手持ちがなくなったせいで苦肉の策ではあったものの「怪我の功名」だったかも知れない。


虎竹赤染革手提げ籠バッグ表皮


赤染めと言っても竹が自然素材でそれぞれに個性があるので、同じように染めても仕上がりは当然微妙に異なる。近年の温暖化など気候変化にて虎竹は色付きが芳しくなくなっているけれど、たとえ虎模様が若干控えめの竹だとしても染めると他の竹材と同じように使えるので、バンブーロスを防ぐのには有効な手段なのだ。


日本唯一の虎竹


これがガスバーナーで油抜きをしたばかりの虎竹なので染め籠と見比べれば違いは一目瞭然だと思う。


虎竹赤染革手提げ籠バッグ底編み


虎竹赤染革手提げ籠バッグ


底編みには幅広の竹材を差し込んで仕上げていく。


虎竹赤染革手提げ籠バッグ竹職人


虎竹赤染革手提げ籠バッグ竹職人縁巻き


竹虎四代目(山岸義浩)、虎竹赤染革手提げ籠バッグ


今回は、この虎竹赤染革手提げ籠バッグが編み上がるまでを時間をかけて追いかけて、熟練職人の技を皆様にご覧いただけるようにした。自分達では当たり前に思っている事も、竹細工をあまりご存知ない方々からすると驚きや感動が発見できるのではないか?そして、意外と手間のかかる仕事ぶりを知っていただく事で、国産竹籠バッグの価値を見直してもらえる機会となれば嬉しい。




思いやりの修理、山ぶどう手提げ籠バッグ

 
山葡萄手提げ籠バッグ


山葡萄手提げ籠バッグに修理依頼が来ることは珍しい。自分も100年以上前と言われる籠を使っているが、ヒゴ自体はツヤが出て黒光りしている他はあまり傷んだ様子はない。それでもやはり自然素材だ、日常的に愛用していると手直しせねばならない場合もある、今回はどういう訳か持ち手部分の芯がポキリと折れてしまっていた。


山葡萄四ツ目弁当箱


この程度の修繕なら結構早いものだ、ところが職人からの籠バッグを見て「あれ?」と不思議に思った。山葡萄のヒゴは使い込んだら黒っぽく渋い光沢が出てくるのだが、新しい蔓はこの四ツ目弁当のような明るい色合いをしているものだ。


山ぶどう網代編み


もしかしたら修理をしていないのかも...と思ってしまうくらい前の状態そのままなのだ。そこで職人に訊ねてみたら、何と当然持ち手の芯はやり直しているのだけれど、巻き直すヒゴには良い色に変色している元の素材をそのまま使っていたのだった。


山葡萄籠、竹虎四代目(山岸義浩)


国産の山葡萄を愛する方々は、ひとつの籠を長く持たれる事が多い。親子二代に渡って使うことも多いと思う、実際に自分のセカンドバッグは母から譲られて30年以上が経つ。大切に持ち歩くお客様の気持ちを思った、熟練職人ならではの仕事のひとつだ。




スズ竹市場籠の持ち手修理について

 
スズ竹手提げ籠


少し小ぶりなスズ竹市場籠がある、ちょっと違和感を感じられる方は鋭い(笑)。その違和感は、本体の飴色がかった編み込みに対してビニール持ち手が新品のように綺麗だからだと思う。


スズ竹手提げ籠籐持ち手


実は、このスズ竹市場籠には籐巻の持ち手が付いていて、長い間ご愛用いただくのだが先日とうとう持ち手が折れてしまって修理することになったのだ。


スズ竹手提げ籠


自分の使っているスズ竹市場籠はロープを籐巻したものだから耐久性は高いのだが、硬い芯のの入った籐持ち手は急な負荷がかかった場合には若干弱い部分がある。


スズ竹市場籠持ち手修理


もちろん、ロープ×藤巻きが最強という事ではない。このように修理に戻ってくる籠もある。


スズ竹市場籠修理済、竹虎四代目(山岸義浩)


この籠は前にもご紹介したが、白く見える口巻部分の一部をワンちゃんが噛んでしまったもの。ちょうど自分も同じような所が噛まれた経験がある。


スズ竹市場籠修理済


スズ竹の修理が多いのは、弱いからではなく反対に丈夫だからだ。編み込み部分は日常使いで数十年もガンガン使える、一番傷みやすい持ち手だけが壊れてしまっているのだ。数年前から続く開花で原料不足の続くスズ竹市場籠はまだまだ製造の見通しは立っていない。




地元の素材を活かす山ぶどう手提げ籠バッグ

 
山ぶどう職人


雪深い日はかじかむ手を温めながら、セミ時雨の日には窓を開けて心地よい風を入れながら職人は山葡萄と向き合っている。大きな梁の通った高い天井の民家は何年前の建物だろう?どれくらいかは知らないが、きっと長い間こうして人の暮らしを見守り続けてきたに違いない。


国産山葡萄の素材


山深いこの辺りで採った山葡萄のツルが乾燥されて積み上げられている。見るからに丈夫そうなこの素材たちが手提げ籠バッグになるのも、そう遠くないような気がする。


国産山ぶどう手提げ籠を編む


近年、山ぶどうは国産材に加えて外国産の材料が多く輸入されるようになっている。海外で製造されたモノも多いが、出来栄えが良い代わりに価格も日本製と変わらないので自分でも見分けるのに苦労する。以前と比べて愛用者の裾野が広がったのかファッションとして編み方や形が多様化しているのも特徴だ。


山ぶどうの紐


しかし、山葡萄は元々生活に根差した背負い籠や腰籠のような道具として発展してきた。現在ではあまり見られないこのような紐も、山葡萄の強靭な強さでもって暮らしの中ではさぞ役立ってきたものだと思う。


国産野ぶどうバッグ


それにしても、やはり自分達が出会った40年前の素朴さが忘れられない。昔ながらの網代編みが一番だ、これぞ山葡萄なのだ。