正方形のスズ竹網代弁当箱

竹弁当箱


竹弁当箱は種類も多く、好きな方なら手にとって見るだけでも楽しくなるに違いない。弁当男子という言葉を覚えておられるだろうか?そんなに昔の事とも思っていなかったけれど、話題になったのは2008年末だそうなので、もう随分と前になる。その頃は、竹に限らず弁当箱も色々とあって専門店が出来たニュースを見たような記憶もある。


ランチボックス


さて、ずっと定番で作り続けられている白竹ランチボックスは、ガッチリした作りで若干サイズが大きめとなる。そこで一般的な長方形の形だけでなく、正方形のタイプも女性向けに人気となっている。


イタヤ弁当箱


イタヤカエデの樹皮を使う、イタヤ細工の職人さんの仕事を拝見した事がある。南北に長い日本は、地域によって身近に手に入る自然素材が異なるので、それを本当に上手に活かしてきたと思う。イタヤの質感も独特だが、編み方は竹材と同じで面白い。


スズ竹弁当箱


コロナ禍によって、会社や学校に通う事が常識ではなくなり、もしかしたら弁当箱への需要は一時的に減少したのかも知れないけれど、屋外の行楽やアウトドアで再び注目されている。120年に一度の竹の開花で竹林が枯れてしまい少なくなっているスズ竹素材でも、小さな弁当箱は比較的に作りやすいので四角い形の物も少しづつ編まれている。





国産竹皮で、おにぎり弁当

国産竹皮


昔からずっと、吉野川流域の真竹を使って生産されてきた国産竹皮が、職人さんの高齢化と共に生産できなくなり、お客様には長い間ご迷惑をおかけしていた。竹皮草履用に竹皮を拾い集めている職人さんの苦労を知っているのだが、包材用としての竹皮集めや加工も本当に大変だ。


国産竹皮


「雨後の筍」という言葉通りに、筍は水分があるとグングンと成長する。そして、1日に1メートル以上も伸びるという、驚異的な生命力を発揮する中で、竹皮を脱ぎ落としていくのだ。ところが、真竹の成長時期は梅雨の湿気の多い時に重なるため、竹林に落ちた竹皮をそのままにしていると腐りやすい。だから、毎日のように竹林に入り、前日に落ちた竹皮を拾い集めて回っている。




自然の筍は大きさはそれぞれ違うから、当然その筍を包んでいる竹皮のサイズは一枚一枚異なっている。国産竹皮の生産が多かった時代には、専門の職人がいて神業のような速さで竹皮を大きさ別に選り分けていた。


日本製竹皮


ところが、今では選り分けるほどに大量な量が流通する事はない。業務用などには、とても出来ないが、安心して竹皮をお使いされたいご家庭のお母様方に少しづつご提供させてもらう事はできる。だから、サイズは細かく選別することなく、50センチ前後のサイズと40センチ前後のサイズの2種類だけとしている。


日本製竹皮


幅は16センチから22センチまでと、かなり差があるけれど、これも天然の国産竹皮を皆様のお手元に安価にお届けするためにはご承諾いただきたいと思っています。それでも、竹皮は毎年筍が生えるので、国内の多くの竹林で全く活用される事なく朽ちている、それを少しでも皆様のお役に立てられると嬉しいのです。


おっと、この白っぽい竹皮は虎竹の里の淡竹(虎竹)のもの。真竹と淡竹は太さも見た目も似ているものの、竹皮だけはこのように全く違っているのだ。



白竹三段ピクニックバスケット、雑誌「momo」掲載

雑誌momo


雑誌「momo」に掲載いただいた白竹三段ピクニックバスケットは人気となっているキャンプやハイキングに持っていっても雰囲気が良いので、皆のテンション上がりそうだ。竹弁当箱の中でも一番容量の大きなタイプを取り上げてもらっているが、竹のピクニックバスケットやランチボックスはタイプやサイズを結構色々とご用意しているので、お出かけの人数などによって楽しくお選びいただきたい。


雑誌momo、竹ピクニックバスケット


野外の行楽特集で知らなかった便利そうなグッズが載っている、こうしてドンドン新しい物が作られていく中で昔からある伝統の竹細工は少し異色ではないだろうか。しかし、思えば自分たちにとっては馴染みの弁当箱のひとつであっても、今までご存じなかった若い世代にとっては、まさに新製品のような感覚かも知れない。




白竹三段ピクニックバスケットは、ご家族の人数にあわせてご使用いただく事もできるので、使い方やお手入れ方法はコチラのYouTube動画も参考にしてください。


白竹三段ピクニックバスケット


竹弁当箱の良さのひとつに通気性がある。細かい竹ヒゴでギッシリと編み込まれていても小さな隙間はあって適度に熱や湿度を逃がして中の食材が蒸れる事がない。夏のレジャーに、秋の運動会にと、是非活躍させていただきたいと思っている。





オールド虎竹二段弁当箱の動画作りました。

二段弁当箱


虎竹と白竹で作るランチボックス、ピクニックバスケット、二段・三段ピクニックバスケットは、角物と呼ばれて普通の竹細工とは一線を画しています。大量の細かい竹のバーツを用意して編むと言うより、組上げると言う表現方が分かりやすい角物細工の職人の仕事は、虎竹ピクニックバスケットを製作する工程をご覧いただくと納得されると思う。




そんな角物の二段弁当箱でも、恐らく誰も見た事のないような籠が出てくるのが山岸家の食器棚なのだ。奥から取り出した50年前の虎竹は色艶が増して風格満点、持ち手の足が長く伸びて底の通気性が良い所など本当に秀逸な作りだ。二代目義治でないと思いつかない発想だと圧倒される。



花見に使う変幻自在の虎竹三段ピクニックバスケット

虎竹三段ピクニックバスケット


今日のお休みは絶好の花見日和なので、桜の名所には沢山の方が向かわれている事だろう。竹虎は新年度から社内でいくつかの大きな変革を予定していて、その準備で自分は窓から眺めるしかないけれど、それでも山桜が焼坂の山々を彩り美しい。


虎竹三段ピクニックバスケット、竹虎四代目(山岸義浩)


「花より団子」という言葉があるように、行楽に行かれる皆様には綺麗な桜も楽しみだけれど、美味しいお弁当の方を心待ちにされる方も少ないないと思う。


虎竹三段ピクニックバスケット


竹虎のお客様の中には、竹のお弁当箱を持参されている方もおられるのではないか?などと想像している(笑)。虎竹三段ピクニックバスケットなら遊びに行かれる人数によって二段、三段と使い分けられるので便利だ。


虎竹三段ピクニックバスケット


虎竹三段ピクニックバスケット


何より、竹の弁当箱など周りをご覧いただいても誰も使っている人などいないと思う。日本唯一の虎竹なら尚更だ。楽しいお花見が何倍も盛り上がる事間違いない。





竹バスケットの留め具

竹バスケット


使いやすい手付きの角籠で人気となっている竹ピクニックバスケットは、元々は豆腐籠と呼ばれていて近所に来たお豆腐屋さんで買った豆腐を持ち帰るのに使われてきた籠だ。豆腐を籠に入れる?少し違和感を感じられる若い方もいるかも知れない。ところが、今ならスーパーで普通に見かける肉や魚を入れたトレーの無かった時代には、魚屋さんに竹ざるを持って出かけるのは当たり前の事で、竹ざるに夕ご飯の魚を載せてもらっていたのだ。


竹ピクニックバスケット留め具


竹籠や竹ざるが毎日の暮らしに欠かせなかった当時のお話しだ。豆腐籠が豆腐を持ち運ぶ道具としてだけでなく、お弁当箱や小物入れなど様々な用途に活躍しだすと金属製の留め具が使われるものも出来てきた。


竹ピクニックバスケット


しかし、竹に合わせて金具を製作するのなら良いけれど、既製品の金具を竹に取り付けるのはどうも似つかわしくない。それなら昔ながらの竹の留め具がやはり好ましい。




「なんだコレは?」オールド虎竹二段弁当箱

虎竹二段弁当箱

 
この正月に実家で水炊きを作ってもらっていた、特別な材料など使っている訳でもないけれどメチャクチャ旨い。何がこんに違うのだろう?不思議に思っていたけれど答えは野菜だ、自宅や隣の畑でとって来たばかりのものは格別、特に引っこ抜いたばかりの大根おろしが大きな丼に入れてタップリ出してくれたのが堪らない。


竹ピクニックバスケット


豪華なお節も良いけれど実は新鮮野菜が贅沢だったりする、そんな事を思いながら日頃見ない棚のガラス戸の奥に目をやると、良い色合いになった虎竹の二段弁当箱を見つけた。「なんだコレは...?」このような角物細工では虎竹を使ったものは殆どない。価格だったり、製作に手間がかかるのが理由だけれど、白竹ばかりでは面白くないと数年前から虎竹を使った三段ピクニックバスケットなども企画してきた。


竹弁当箱


虎竹の角物など手掛けるのは自分だけだろうと思って仕事していたが大間違いだった。少なくとも50年前には虎竹を使った角物弁当箱が祖父の手によって作られていたのだ。手にしてしみじみ見て改めて感服する。


虎竹二段弁当箱


竹は大切にしていれば置いておくだけで、こんな艶やかな色合いに変化して人を魅了する。この上段の底編みも今とは全く違う手の込みようである。それだけではない、持ち手の竹が両サイド2本に別れて下に伸びている、少し長めに残しているのは籠の底面が床に直接触れないように足にしているのだ。日本で誰よりも角物細工を見てきたが、このような細工は初めてで感動した。


虎竹二段弁当箱、竹虎四代目(山岸義浩)


しかし、凄い虎竹だ。竹の質も段違いに良い、今の籠なら負荷のかかる竹ヒゴは弾いてしまいかねないのだが、この竹はどうだ。そんな素振りは1ミリもない、竹の質か?職人の腕か?おそらく両方なのだ。


おにぎりが一つだけ入る虎竹弁当

 
別注虎竹弁当箱


おにぎりが一つだけ入る竹編み弁当箱と聞いて、最初はどうしたものか?と正直思っていた。ちょうどの伐採がはじまり職人の手も空いていない、たまたまボクも竹林に向かう所だった、車内ではたして実用性があるのだろうかとも考えていた。別誂えの竹籠は本当に簡単ではない、編み上がる籠は一つだけれど実はその陰に2つや3つは失敗や試作など余計な手間がかかってしまう。


別注虎竹弁当箱


サイズを小さくするだけだと思われているけれど、竹ヒゴの幅や厚み、長さを全て変えて調整せねばならない。特にスケールダウンする場合は熟練の職人でも相当てこずってしまう、最初の試作で満足出来るものが編み上がることは稀だがその手間を価格にのせられないので誰しもが尻込みしてしまうのだ。


別注虎竹弁当箱


それでも丸い弁当箱におにぎりが一つコロンと入る姿が見たくなった。


別注虎竹弁当箱


日頃から竹細工をご愛用頂いている方だから、きっと同じような想像をされているのではないか?


別注虎竹弁当箱


完成したら予想以上の可愛さ、常連のお客様にも難しい籠を形にした匠の職人にも感謝である。


驚愕!銅製ピクニックバスケット

 
銅製ピクニックバスケット


竹虎のお客様の中には、ちょっと見た事のないような色目のピクニックバスケットだとお思いになられる方がいるかも知れない。ところが、変わっているのは色目だけではなく質感だった、手にすると竹の軽やかさではなくズシリとくる(笑)。ツヤ消し加工を施されているけれど、これは銅製なのだ。


白竹ピクニックバスケット


金属加工をされている作家の方の手によるもので、蓋を開けてみると銅の輝きが光を放っている。竹のピクニックバスケットに触発されるものがあったに違いない。しかし、基本的な編み方も同じで良く製作されている。


銅製ピクニックバスケット


もう随分と前になるか、ピクニックバスケットなど角物細工があまり見られなくなり、腕の良い職人さんもいなくなってしまった時代があった。ボクにとっては馴染みのある定番の竹製品のひとつだったから、何とか弁当箱の良さだけでもお伝えしたいと思っている内に種類も増えてきた。まだまだ昔のような竹細工には及ばないものの、日本唯一の虎竹を使った籠も少しづつ製作を進めている。


銅製ピクニックバスケット


「ワシの遺言やと思ってくれ」。同じ技法の竹編みで作られた衣装籠を、古い職人から手渡された事がある。虎竹が使われた逸品だ、何と覇気に満ちた虎竹なんだろう...。このような竹籠も他分野で活躍されている作り手の目にとまり、もっともっと広がっていけば面白い。


新登場した虎竹三段ピクニックバスケット

虎竹三段ピクニックバスケット


今日はスポーツの日で全国各地では様々なイベントが開催されているようだ。三連休だけあって、観光地へも人の移動が少しづつ出てきているのか高知でも今までにないような人出があって驚くと共に、少しホッと安堵している。やはり、これが本来の姿だろうと思う。


美しい土居川、竹虎四代目(山岸義浩)


そういえば、先のチャレンジラン山口で充電中に仁淀川町の池川茶園工房というカフェにお邪魔していた。仁淀ブルーで有名になっている仁淀川の支流、土居川のすぐ横にあって素晴らしい眺めだ。川に降りてみると田舎に暮らす自分でさえ驚くような透明感のある流れがあって思わず龍馬ブーツを脱いでしまった。


虎竹三段弁当箱


向こう岸には鮎釣りの方と、下流の方にはカヌーが見える。水遊びの大好きなゴールデンレトリバーが楽しそうに泳いでいた。束の間の休息だったが、キャンピングカーも数台停まっていて自然に触れ合うには絶好の場所だと感じた。実は同じ高知にいても、機会がなければなかなか来る機会が少ないものなのだ。


虎竹三段弁当箱


こんな屋外の行楽やキャンプにこそ、新しい三段式になったピクニックバスケットなど活用いただきたい。


虎竹と白竹の三段ピクニックバスケット


虎竹三段ピクニックバスケットは、もともと白竹で編まれている籠と形やサイズは全く同じだ。しかし、出来あがって比べてみたらこれだけの違いがあるのでお好みでお選びいただきたい。


虎竹三段ピクニックバスケット、竹虎四代目(山岸義浩)


虎竹は簡単な素材ではない、白竹と違って虎模様によって竹を選別せねばならないし、淡竹特有の扱いにくさもあって熟練職人でも敬遠される事がある。だから当然数量は少ないのだけれど竹の声を聞いていると、ついつい作ってみたくなる。