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第66回全国竹の大会 山口大会を終えて〜活気に満ちた「NEXT」の予感

第66回全国竹の大会 山口大会、竹虎四代目(YOSHIHIRO YAMAGISHI)


TAKE(竹)×NEXT 未来を編む竹の力

先日の11月21日、22日に開催されました「第66回全国竹の大会 山口大会」で、ボクは基調講演という大役をいただきました。今年のテーマ「TAKE(竹)×NEXT 未来を編む竹の力」が示す通り、会場は未来を見据える熱意に満ちていました。特に、今回は若い世代の皆様の力を強く感じることができ、ボク自身も少し胸が熱くなるのを感じました。


竹の大会、田澤恵津子実行委員長


無限の可能性と魅力

時に斜陽産業のように見られがちな竹業界ですが、環境意識の高まりとともにサステナブルな社会へ時代が大きく動くなか、ボクはにこそ無限の可能性と魅力があると確信しています。大会の活気から参加された竹人の皆さんも、きっとボクと同じように竹の明るい未来像を思い描いているのではないか、そんな前向きな印象を受けました。つたないお話が、どれだけ皆さんの心に響いたかは分かりませんが、それぞれの地域に持ち帰った大会の「熱」が竹の現場で大きな炎になればと願っています。


第66回全国竹の大会 山口大会


No Bamboo No Life

竹虎は、大阪天王寺での創業明治27年(1894年)から竹ひと筋でやってきた竹材メーカーです。長く竹の商いをさせて頂いてきただけに、演題は「No Bamboo No Life 生き残るものは常に変わりつづけたものだけ」という自分たちにこそ必要だとの思いを込めたものでした。成長が早く様々な用途の広がる竹には、海外ブランドの方々をはじめ、日本の竹の持つストーリーと品質に注目してくださる方が増えています。また、WBC(World Bamboo Congress)のような世界50カ国の国と地域から研究者の集う国際的な団体もあるように、竹への期待と注目は世界に広がっていると感じています。


竹の大会旗


竹の課題

とはいえ、日本国内の竹を取り巻く環境は決して楽という事ではありません。竹は豊富にあるものの、その竹をかつてのように上手く管理する事が難しくなっています。竹林が直面する変化の時代については、一つは開花の問題であり、もう一つは人手不足から手入れの行き届かない竹林の荒廃、それに伴う病気や害虫の問題です。


竹の大会パネルディスカッション、柴田昌三


変化を受け入れ、楽しむ

見直されつつある竹ではありますが、簡単ではない課題もある厳しい時代だからこそ、ボクは変わりつづけることで、変わらないものを守るという信念を持って行動することが大事ではないかと考えているのです。竹の大会には、それこそ日本国中から竹林を守り、竹文化や技術を継承し伝えていこうとされる多くの顔がありました。


第66回全国竹の大会 山口大会


竹の姿に学ぶ

ボクたち竹虎も、そんな竹人の皆様と心は同じです。竹の良さや面白さを多くの人に感じてもらいたくて竹製EV・竹トラッカーの製造、125周年の「REIWA-125号」の展開、そして地域の竹を身近な存在としてもらうべく高知のよさこい祭りの地方車竹虎ックなどの製作に取り組みました。これらの挑戦は、誰にでも興味を持っていただき、単純に見て分かることが竹の魅力の入り口になればと考えているのです。けれど、一過性のものでは大きな問題解決にはなりません、そんな時にやはりふと思うのが竹の姿なのです。


第66回全国竹の大会 山口大会


竹はどんな強風にも負けません、しなやかに風をいなしています。どんな大雪にも腰を曲げてじっと耐えています。そんな竹の強さの根源は何かと言うと、縦横無尽に伸びてそれぞれの竹が手を握り合うかのような地下茎です。すべての竹同士が繋がり助け合う、この竹に学ぶ時がきたように感じます。


竹虎四代目「笑」


笑う

何度も申し上げていますけれど、「笑う」という漢字に「竹」の文字が入っていることも、竹が人々を笑顔にするもの、これからの時代に必要なものだと信じる理由の一つです。その昔、生活に必需品であり、竹のない暮らしは考えられなかった時代から今日まで、竹はじっと人に寄り添って大切な存在だと気付いてもらうのを待っていたように感じます。21世紀は竹の時代だと言い続けていますが、本当の意味で竹が人々の笑顔を作るようになるのは、案外遠い話ではないようです。



竹虎四代目

竹虎四代目
YOSHIHIRO YAMAGISHI

創業明治27年の老舗竹虎の四代目。100年守り続けた日本唯一の竹林を次の100年に繋ぐ。日本で二人だけの世界竹大使。

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