青竹踏みへの自分の思いは今まで何度もお話しさせてもらっている。20数年前のインターンシップが契機となった、若い学生の方々が青竹踏みを知らないという事に衝撃を受けた。これでは日本の竹文化は消滅はしてしまう!そんな危機感を持って、誰が見ても竹と分かり又手軽な健康法としても古来愛用され続けてきた製品を、1本でも多く一人でも多くの方に届けたいと販売を続けてきた。
青竹踏みは竹素材そのままを製品にしているようなものだ、だから簡単に考えられている方も多いかも知れない。しかし、それは逆だ。竹素材そのままだから誤魔化しが効かない。製造、加工でサイズを変える事ができない、自然そのままの大きさでお使いいただくので大小様々な竹がある中から厳選せねばならない。
竹は沢山あると錯覚されている方ばかりだけれど、いざ頃合いの竹となれば予想以上に少ないものだ。また、竹は根元が太くウラ(先端)ほど細くなっているから全ての稈部分が使用できる訳ではない。竹虎の青竹踏みには強度を考えて必ず竹節を二つ入れる事にしているので、太さだけでなく節間でも製品にできずに余った部分の有効活用も課題になる。竹林管理ができなくなり、山の職人が減っている現在では、まず最初のボトルネックがここにある。
竹はそのままでは使えない、余計な油分を取り除いて耐久性と防虫性を高める。青竹踏みの場合は湿式と呼ばれる熱湯でする湯抜きだ、比較的大量の竹材を加工するのに適した方法。湯抜きした竹は天日に晒して乾燥させる、そしてここからが製造過程に入る。
半割して、割った面が床に置いた時にガタ付きがないか、グラインダーで削りひとつひとつ確認していく。ところが自然の竹はそれほど素直ではない。時間の経過と共に竹の年齢、個性、乾燥具合によって歪んだり、縮んだり、伸びたりもする。一定のサイズだと思って製造しているのに、後から大きさが違ってくるのだから職人からしたらたまったものではない。
あれだけ苦労して山から伐り出し、湯抜きして、半割したものが少しのサイズ違いで販売できないとなると残念すぎる、まさに「バンブーロス」だ。継続して竹の仕事をしていきたいのに、これでは誰のためにもならない。だから、そんなサイズ違いはどうするのか?皆様に、この辺りの事をご理解いただき大きなサイズ、小さなサイズがあるのをご承知の上でお求めいただきたい。規格外に小さくなるものも実はボクのように、あるいは竹虎スタッフのような青竹踏み上級者にとっては、むしろ足裏のツボにピンポイントで当たって気持がちいい。
さらに、十分に乾かして大丈夫だと安心していた竹に一晩でカビが来たりするから、竹の油は抜けるが、気は抜けない(笑)。そこで天気の良いは高知の強い日差しに協力してもらって、定期的に広げて天日干を繰り返す。防虫剤、カビ防止剤、あるいはウレタン塗装などをしていれば、社員一同でカビを拭き取ったりする事もなく、この辺りの製品管理が全く楽なのだが、国産竹を安心してお使いいただきたいと言う思いだけで製造しているから使えない。
天日干しすると又歪みがでる事もあるので、お客様のお手元に届ける前に再度ガタ付を確認する。こうした目に見えない大量の竹材と、職人の手間を経た国産の青竹踏みだ、他の防虫剤、カビ防止剤、ウレタン塗装を施した製品と比べてお値段はどうだろうか?高いだろうか?そもそもは日本中の全世帯に1本の青竹踏みと意気込んでいたけれど、5300万世帯もあるので少し無理っぽい(笑)。違いの分かる方にだけ、お求めいただければ良いと思っています。
青竹踏み体操というのも作っています、簡単でどちら様でも出来るかと思いますので是非覚えて毎日の健康生活にお役立てください。